ごきげんよう、廊景谷シイチだ。
私の家の近所には結構、夜の店が多い。
スーツを着た男たちに声をかけられ、ワハハハと笑いながら光が漏れる店のなかに吸い込まれていく。
スーツの男は携帯電話か無線機のようなもので店内の者と交信し、客を奥へ奥へと誘う。
その様子を20分ほど観察していると、非常に面白い。
キャバクラ・ガールズバー、いわゆる水商売と言われるものの大体は
労働賃金と引き換えに女性と酒を交えながらおしゃべりをする場である。
ケースバイケースだが、このような場で女性側から客に向けて浴びせられる言葉はウソであることが多い。
もちろんそれがウソではないようにカモフラージュするのが彼女たちのテクニックなのだが。
女性店員が客に投げかける言葉の何%が”本気”なのだろうか。
「凄いですね~」「○○さんのことお客さんだと思ったことは一度もない」と言っているのは、どのような気もちで発している言葉なのだろうか。
そして、払った賃金は100%彼女たちの手元にはいかない。経営者やスタッフの手の中にも入り、そのほとんどは男性である。
もちろんプレゼントや直接飲食をごちそうすれば100%、彼女たちの収穫物になる。
キャバクラやガールズバーなどの物質収支を計算すると下記のようになる。
■男性客
得られるもの:飲食物(代謝により排出されるが)、虚言
失うもの:労働賃金
■女性店員
得られるもの:労働賃金、飲食物、貴金属等
失うもの:労働にかかるコスト(化粧、衣装代など)
場合によっては、心身の健康障害が生じるため医療費がかかる場合も
■経営者
得られるもの:賃金
経済の活性化のために、身を削る男性客には脱帽だ。