今後、親子関係には「干渉」ではなく「緩衝」が必要になるんだろうなと

どうです?あなたは自分の親とどのような関係ですか?

もうとっくの昔に亡くなってる方もいるでしょうし、遠く離れて暮らしている方もいるでしょう。

今まさに介護の真っ最中で親のことなんて考えたくないという方もいると思います。

ようやく老人介護施設が決まってほっとしている人もいるでしょうし、逆に親はまだまだ元気で自分の子を親に任せて仕事やお出かけ〜という人もいると思います。

「親子」という関係性は本当に多様化していて、子供のころ思っていた親のイメージも年齢を重ねるうちに違うものになってきたり、自分が親になることで見えてきたりすることもあるかもしれません。

占いのご相談のお仕事をしていると、この「親子」というテーマのご相談も多くいただきます。相続の話、土地の話、娘とうまくコミュニケーションがとれない、父親が嫌い、母親がうざい、一人になる親が心配…本当にいろいろあります。

いつも誰かの話を聞く立場なのですが、今日は「誰か」の話じゃなくて、自分の話をしたいと思います。

 

親の通帳を見るべきではなかった

 

僕の両親は数年前に離婚しています。当時両方から占い師として相談があって、板挟みにあって大変でした。ご相談料をもらえばよかったと心から思いました。いやいや自分の親からお金をとるなんて…と思われるかもしれませんが、息子が占い師で、無料だと際限なく占いを求められます。とにかくあの頃はめんどくさかった印象が強いです。

それから数年経って、落ち着いたかと思いきや今度は父親の借金問題が浮上しました。一緒に暮らしていたころからお金の問題が絶えないことは知っていましたし、両親が離婚したことは父のお金問題も原因の一部だったと思います。

「親がお金をどうやって稼いで、どうやって生活費にあてているか」とか親がどのぐらい稼いでいるか…ということを僕は知りませんでしたが、20歳ぐらいを過ぎてこっそり通帳を覗き見たことがあって、なんかいろいろショックを受けました。見るものではなかったと思いましたし、見せたくないものだと思いました。やっぱりなんかこう自分の子には「自分の家」について「お金について」あんまり心配させたくない…というのが親心なのかもしれません。オープンな家庭もあるかもしれませんが、僕の家は「親の給料は子に見せない」というスタンスだったのだと思います。それでも僕は勝手に引き出しをあけて通帳を見てしまったのです。自分がバイトなどでお金を稼ぐようになるとなんとなく気になってきてしまったのです。昔からあまり裕福とは言えなかったとはいえ、いろいろ買ってもらったりしたし、学費も出してもらったので、なんというかその数字を知ったとき「見せないようにしてきた苦労」というものが伝わってきたのです。

が、さらに大人になって価値観などが変わってくると「いやいや、なんでそんな仕事の仕方なのよ」とか「その使い方はまずいでしょ」というような生意気根性が出てきて、親の心子知らず丸出しな青年になってしまったなと思っています。それで、本当は知りたくなかった事実がまたひとつ最近になって明らかになってきて、父親のお金の問題が「想像以上にやばかった」ということがわかってきました。これ、書いていいのか迷ったんですけど、自分の気持ちの整理のためにも書いておこうかなと。

 

実の姉から1年以内の死を懇願される弟

 

100歳近くになる祖父が死にかけることが何度かあって、そのたびに実家の富山にもどって「最後のやりとり」になると思っていたのですが、意外とそうはならない。それでももうヨボヨボでぷるぷるで小さくなった祖父が言葉をふりしぼって「息子(父)をどうにかせにゃならん」というようなことを言うわけです。孫にです。会うたびに「お前はもう富山に帰ってこないんだな」「うん、今のところ帰るつもりはないよ」というやりとりをしていたので、あいさつのようになっていたのですが、離婚してからというものそれに加えて「離婚して独り身になった息子(父)が心配で死ぬに死ねない」ということをよく言うようになったのです。

どうしても田舎のほうだと「幸せ=結婚」という考え方が根強いですし、特に亭主関白気味だった祖父はこの考えが強烈でした。これを読んでいるあなたの両親はどうですか?「結婚して子供を授かる=善」とされてきた時代を一生懸命駆け抜けてきた人たちにとっては当たり前の考えかもしれませんし、そういう風に刷り込まれて育ってきた人もけっこう多いのではないでしょうか。で、今回の記事は結婚観のお話ではないので、このあたりは話を広げませんが。

とにかく祖父は僕ではなく自分の息子が心配だと。その理由が父の姉と数年ぶりに会ってようやく理解できました。父の姉、祖父、そして僕の母は父の借金や金銭感覚の問題に頭を悩ましていました。言葉にしてしまえば簡単なのですが、父の姉から「この道楽者、じいちゃんが死んだら1年以内にあの世に一緒に連れて行って欲しい」と、どうしようもない気持ちをギュッと込めて話す様子を見ると、僕が思っていたよりも事態は深刻でした。遠回しにかつ真剣に実の姉から「死んで欲しい」と言われている父ですが、当の本人はソファに座ってボーッとコーヒーを飲んでいました。「そういうところだぞ!」とツッコミを入れたくなりましたが、その様子を見て「これはもうダメだな」と思いました。

帰り際に叔母は「これから何かお金を使うときはけいちゃん(僕)に必ず相談するように」と父に言いました。息子にお金の管理をされるってどういう心境なのだろう。父は「わかった、相談する」と言いました。そこから僕の父のお金管理生活が始まりましたが、1週間足らずで終わりました。まず「今どのぐらい借金があるのか調べて連絡して欲しい」とLINEしたところ、待てど暮らせど返事はありませんでした。そうです。一番身近で父を見ていた、父の姉や、僕の母でさえ「諦めた」わけです。東京で暮らし、姿も顔も見えない状況でお金の管理なんて無理です。それに僕は僕で仕事や生活があります。こういう姿勢に対して「親に対して冷たい」と思われる方もいるでしょうし、「もっと頑張れよ」と思う方もいるかもしれません。同じような境遇で「どうにかしようとしている」という人もいると思います。

 

親ガチャは運ゲー

 

しかし、祖父や叔母や母の話を聞く限り、父の金銭感覚は病的でした。父は本当にどうしようもないところが多すぎて、1つも尊敬できませんし、9%ぐらいしか良いなと思うところがありません。四柱推命で誰かに占ってもらったときに「にしけいさんは、父親がしっかりしていて優秀だ」と言われたことがあって、それ以来四柱推命に懐疑的になったのは言うまでもありませんが、今となってはその表現は具象のひとつに過ぎなかった解釈できます。

で、短い時間ですが、僕なりにいろいろ悩んだ結果、父のダメなところばかりに目を向けていてもしょうがないし、お互い不幸を生むだけです。大量の無駄なエネルギーと時間を費やすことになります。僕にはやりたいことがいっぱいあります。ただでさえ時間が足りないのに、大事な人生の時間を暖簾に腕押しならぬ、道楽者の金銭管理に使うなんてもったいなさすぎます。(実父と実子の縁を法律上切ることができないと知った時は絶望しましたが、相続放棄するしかないです)

というようなことを考えるのはやっぱり愛がないとか親不孝ものだと思う人もいるのかもしれませんが、どう思われようと僕には関係ないので、僕は自分の人生と可能性を優先します。それに完全に父親と連絡が切れたとか、縁が途絶えたわけではありません。「9%ぐらいの良いところ」に目を向けることにしたのです。まだ介護が必要ではなく元気なので、元気なうちにちょっとでも良い関係性が築けるのであれば、92%のダメなところは切り捨てることにしました。

まぁーあとは、僕自身、父親を責めたり、咎めたりできるほど立派な人間じゃないですし、この先僕が父に迷惑をかけるようなこともあるかもしれません。なので、本当は9%どころか0.3%ぐらいの良いところしかないと思っていたりもしますし、自分の細胞から遺伝子組み換えして父の遺伝子を除去したいぐらいですが、その0.3%をどうにか救いに見ていくしかないです。僕も逆に自分の子供たちから「本当にダメだな」と思われる日がくるかもしれませんしね。

子は親を選べませんからね…本当に親ガチャは運ゲーなので、どうしようもないので、親に対してどう思っているとか、親のせいで今大変なんだ…と考えて暮らす人をもちろん責める気はないですが、ちょっと考え方を変えるだけで10%ぐらいは許せる余地が出てくるかも…?とお伝えしたい記事でした。

「正しさ」「正解」じゃなくて、「余地」や「可能性」を作ることができれば多少は楽になるのかなーと。親子関係だけではなく、夫婦関係や友人関係にも「干渉」ではなく「緩衝」が必要な時代なのかもしれません。

とは言いながらも、今現在キツい人はそれどころじゃないと思うので、本当に無理しないでください…としか言いようがなかったりします。曖昧な締めになって恐縮ですが…最後に…。

主に富山市内の居酒屋を中心に「にしけいの父」を名乗る男が「お金ならにしけいが払うから今日の飲み代はおごるわ」というようなことを言ってきたら「にしけいの名前を使ってお酒を飲むようなヤツは、死んだあとうんこ型のお墓に入ってもらいます」と僕が言っていたと告げて、その場を静かに立ち去ってください。引き続きどうぞよろしくお願い致します。

にしけい

にしけい (西田圭一郎)

1987年富山生。工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いや相術を生業にしています。三児の父。本と旅とポケモンと文章を書くことが好きです。学生気分が抜けません。詳細はこちらから

にしけい (西田圭一郎)

1987年富山生。工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いや相術を生業にしています。三児の父。本と旅とポケモンと文章を書くことが好きです。学生気分が抜けません。詳細はこちらから

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