【五話目・道場へ】オウム真理教(アレフ)という宗教団体に触れて感じたこと。

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「テヘヘ、実はオウムでした」

雑居ビルの一室で行われるヨガ教室に通うこと4ヶ月ほど。クンダリーニが存在することを体感した僕は「クンダリーニというものは存在しているのだな」という認識が自然と強くなっていきました。

そしてこのヨガ教室で頻繁に語られるチベット仏教を湾曲させたカルマや輪廻転生思想もある程度は抵抗なく受け入れることができるようになっていました。

僕が「信じたかな」という頃合いを見計らっていたのでしょうか。

ヨガ教室の先生が突然「今回でこの教室でやるヨガ教室も最後です」といって1本のDVDを再生し始めました。

モニターには、あの麻原彰晃氏が落ち着いた口調で話し、人々にカルマや輪廻転生について説明している様子が映し出されました。

本気でこの教室はヨガ教室だと信じ込んでいた自分は、このときようやくこのヨガ教室がアレフ(オウム真理教)へ誘うための入念なイントロ部分だったということに気が付いたのです。本当に鈍感というか、無知というか、無防備でした。

驚きで目を丸くする僕は麻原彰晃氏の説明を聞いて「確かにそうだな」と納得しそうになっている自分に気がつきました。それと同時に「ああ、こうやって人を信じ込ませていくのか」と感心しました。

チラッと先生の顔を見やると、いつもは穏やかで冷静そうな雰囲気の先生が

ペロっと舌を出して「テヘヘ、実はオウムでした☆」みたいな顔をしていたので

「ああ、テヘペロってこういうときに使う効果音なのか」とそちらにも感心していましたが

心の中で「いやいや、”実はあなたが通っていたヨガ教室はオウムでした(テヘペロ)”の用途でテヘペロ使わんといて!」とツッコミを入れていたぐらいなので、僕はけっこう冷静でした。

そして、50代後半ぐらいの先生はニヤニヤヘラヘラしながら改めて言いました。

「にしけい君が通っていたこのヨガ教室は、アレフだったんですね〜」

いやいや、卒業間際に好きな人がバレて照れる中3女子みたいなヘラヘラのノリでそんなん言わんといてよ。

 

ハッピー&ラッキータイム

そして、先生は言葉を続けます。

「ここから少し離れたところに道場があります。にしけいくんもこれから道場に通いませんか?仲間たちがたくさんいます」

「もし、道場へ通う気があるなら、この書類に住所と名前を書いてください」

 

驚きと迷いがあった。

「人と違うことをしなさい」と言われ育てられてきた僕が200人ほどの宗教の信者になることは、日本人口1億人に対して比率としては50万分の1だ。超レアじゃん。人と違うことをしてるじゃん。

という安直な発想と同時に「あの事件やその前後の出来事のことを考えると、9999万800人の人たちから嫌われてしまうかもしれない」とか「妻に迷惑はかけないかな」とか考えていた。

なぜ迷ったかというと、僕はこのヨガ教室の人たちが醸し出すおだやかなあやしい空気感が嫌いじゃなかった。むしろ人柄的には好きだった。

あとは、単純に「自分の知らない世界」というものを覗いてみたかった。クンダリーニを体験したことも大きかったと思う。

「道場へきたら、クンダリーニのエネルギーをもっと循環させられますよ」という言葉もひっかかっていた。

 

受け取った紙には

住所や名前や連絡先を書く空欄があり、その紙のタイトル部分には「ハッピー&ラッキータイム(仮入信)」と書かれていた。

 

 

 

ハッピーアンドラッキータイム…

 

仮入信…

 

ツッコミどころが大きすぎて手に負えない1枚のA4の紙切れ…

 

 

僕はペンを走らせていた…。

 

 

ここまできたら、とことん見てみよう。

 

9999万800人の人たちを敵にまわすことになったら…という恐怖心よりも、好奇心の方が勝ってしまった。

僕はハッピー&ラッキータイム(仮入信)して、道場(サティアン)に行ってみることにした。

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