先日オンラインサロン限定の会合をやったんですけど、占い師として食っていっている人が増えたなーとちょっと驚きました。占い師として活動することが全てではないですけど、やっぱり講座などを受けて下さってそれをアウトプットして、ちょっとでもお金がもらえるようになる人が増えるのは、講師冥利に尽きるなと。もちろんもともと活動されていた方もいますし、すべては生徒さんたちご自身の力なのですが、中には講座を受講されてからデビューされる方もいらっしゃいます。
料金設定迷いますよね
「これから占い師としてデビューしたい」と考えられている方々からちょくちょくご相談を頂くのですが、特に多いのが「料金設定」のご相談です。占い師さんのホームページを作らせてもらうこともよくあって、そういうときにも「値段設定ってどうしたらいいですか?」というご相談を受けます。
僕は無料から500円、1000円…と少しずつ値段を上げていきまして。2021年8月現在は1件30,000円で、ご相談内容によってはゼロが増えたりする感じです(参照ページ)。講座も2015年に初めて開講した手相講座は3時間4000円で開講していたのですが、今は講座によりますが1講座15000円ぐらいでしょうか。
で、こういうことを記事に書くと「にしけいがその値段は高すぎる」とか「調子に乗っている」というようなギスギスした感じの同業者の方から「チッ」と、カラスの両目をくり抜いて投げつけるような悪態と嫉妬をぶつけられることもありますが、ここに至るまでにも経緯と背景がありましてね。決して暴利をむさぼろうとかお金のことしか考えていないわけではないんですよ。むしろお金儲けはかなり下手な方だと思います。
だって金金してたら、いくらでももっとやれるじゃないですか。お金儲けを一直線に考えていたら、20万と17日間使うような利益を無視した「歩いて引越し」とかやりませんし、イメージダウンにつながりかねない「パンスト相術」とかできません。このタイツについて英語で解説する動画は原稿を作るために翻訳家の方にそれなりのお金を支払って依頼して作っていますが、ふつうの会社とかだったら「そんなおかしいことにお金を使うな」と1500%決済はおりません。
ここには書いていない書けないようなお金を使うことも多く、身近な人からは呆れられたり、税理士さんからは「そんなの経費にできるわけないじゃないですか!」と怒られたり。たぶんよくわからないものに使っているお金のほうが多いと思います。
そんなお金に対する頓着が弱い僕ですが、自分なりに本を読んだり、情報を集める中で「この情報が載ってる本ってないよな」とか「これって価値があるんじゃないか」と思うものを、それに見合うと思う値段設定でやっていますし、バックグラウンドがあります。
何でもそうですけど、表面に見えているものとかパッと目に入ったものだけで決めるのは危険です。芸人さんやタレントの方でも今テレビやメディアに出ている人は見えないところでたくさん苦労や努力をされた背景があるはずです。表に出てこなくても、注目を浴びていなくても人々のために貢献されている方もたくさんいます。
だから、こういう記事を読んで「チッ」となるのは表面しか見えていないのです。きちんと裏側まで見てください。何ならこの記事もデベロッパーツールでコードやファイルまで見てください。プラグインなんか23個も入ってます。もっとプラグインは減らせるはずなんです。でも減らそうとしてもやっぱりどうしても削れないプラグインなんです。そういうサイト側の背景も語り出すとキリがないのでやめておきますが。あなたにも僕にも「誰にでも”背景”というか”ストーリー”がありますよね」ってことなんです。
9千円ぐらいの壁
話がちょっとそれちゃいましたが、ご相談や講座の料金を上げていく中で「8000~10000円ぐらいのところに”見えない壁”のようなものがあるな」と思いましたし、今もあると思っています。間をとって「9千円ぐらいの壁」とでもしておきましょうか。
1回のご相談料や講座の単価が9000円ぐらいを越したあたりから、お客さんの雰囲気が全然変わってくるんですよね。上下という意味ではないのですが「質」が変わってくるんですね。海で泳いでいて「あ、ここから先に行ったら溺れる」という急に深くなってる場所があるんですけど、あれに似ています。急に足が届かなくなって水温が変わって、1歩か2歩の違いだけなのに「急に雰囲気が変わったな」というラインがあるんです。それがお金にもあって。8000-10000円ぐらいのところにある気がするんです。
もちろん業界や何を売るかによって変わるのでしょうけれども、1万円をポンと自分のポケットから出せるというのは「手放す力がある」というか「執着が少ない」というものがあるのかもしれません。これは「お金をもっている」「お金がない」とはまた違った尺度が働いているように見えるんですね。お金があっても1万円を渋る人もいるし、お金がなくても10万ぐらいポンと出す人もいる。もちろん経済的な違いもあるとは思うんですが、なんかそれとはまた違うようなんですよね。
で、この「9千円ぐらいの壁」を越す人は、本気度が高いというか柔軟性がある人が多いんですね。講座でも受講される方の質や本気度が高くなるし、ご相談でも真剣に聞く人が圧倒的に多くなるんです。その結果、僕もその熱意に応えようと「もっと良い仕事をしたい」となって結果だんだん良いものができてきます。8000円以下のときの講座は手を抜いていたとか、熱意が低い人しか集まってこなかったかというとそういうことではありません。
値段を上げていくごとに「自分のサービスを必要と感じてくれる人」を選び出すスクリーニングができていくような感じなんですよね。精度が上がっていくというか。そのときのフィルターの粗さが急に細かくなるのが8000~10000円ぐらいの間にあるんですね。
特にこれは「自分のポケットからお金を出す」ことが結構大事で。親や家族といった「自分以外のお金」でサービスを受ける人は同じ金額を払っていても「重み」が違ってくるんですよね。
どこで線を引くかをはかる目安?
そして、世界には「類は友を呼ぶ」という法則がありますので、自分自身が占いや書籍や講座に自己投資としてポンポンお金を出すようになると、同じような人が集まってくるんですね。
神保町で18万円の占い本購入…これでもかなり安くしてもらいました…。市場価格調べたら36~40万円ぐらい。きっちり吸収して、生かそう。
— にしけい (@nishikei_) December 5, 2017
空いた時間に神保町へ。
やっぱり僕は占いに投資します。— にしけい (@nishikei_) September 1, 2017
夢の散財の街、神田神保町へ
— にしけい (@nishikei_) February 10, 2016
たぶんなんですけど、お金を使うことに抵抗がある人はもらうことにも抵抗があるのかもしれません。それってお金に対する執着というか、何か恐怖心や後ろめたさみたいなものがあるのかもしれません。
お金はあくまで記号であり手段のひとつなんですね。そしてお金は「誰かのもの」と固定されたものではなく、社会全体として流通してるものじゃないですか。知識とか人材とかもそうですけど、お金って「みんなのもの」なんですよね。
だからお金に執着があるというのは「わたしのものはわたしのもの、あなたのものはあなたのもの」と「分けようとする気持ち」が強いのかもしれません。だから余裕のあるなしではなく「線引きする気持ち」や「人にどう見られるか気にする」といった分化(分けたい気持ち)傾向が強い状態なのかもしれません。
それでこの「執着の度合い」を知る目安として「9000円ぐらいの壁」があるんじゃないかなと思うのです。占いとか本って生きていく上でなくても死なないじゃないですか。でも、そういうものにもポンとお金を出す…手放す…ひとつ「境界線」をなくす。もしかすると「お金を払う」こと自体に価値があるのかもしれません。
「ホコリを払う」とか「咳払い」というように「払う」はちょっとネガティブなものを取り除くときに使われるんですけど、もともと「もとる、そむく」という意味があるので実際「お金を払う・手放す」というのは良いことなのかもしれませんね。線引きすると世界が広がりませんし、逆にこの壁を超える人は「世界を広げたい人」が集まるのかもしれません。
なので占い師やカウンセラーなどを始められる方はまずこの「9000円ぐらいの壁」を目指して値段設定されてみてもいいかもしれません。
偉そうなことを言ってますけど、本当は料金設定とかマーケティングとか僕が知りたいぐらいですよ。最近は迷い過ぎて、講座の開講のたびに占いで値段決めてるんですから、本当に今までやってこれたのは運だけだと思います。笑
にしけい