個人出版5年目でわかってきたことと占い本のこれから

これまで独自に書籍を作って出版してきています。いわゆる自費(個人)出版です。「本が売れない」「本は売れなくなる」と言われていますが、本当にそうなのかなといつも思います。告知もPRも大してせずに細々と本を書いて出している僕でさえ赤字にはなっていません。売れるか売れないかで言えば売れると思います。

しかし、今後おそらく「あたりさわりのない紙本」は売れなくなるか、消費のサイクルが早くなりネットと電子書籍に駆逐されると思います。消費のサイクルという点ではネットのほうが断然に早いです。拡散するスピードも早く、コストも少なくて済みます。「消費される情報」は紙の本よりもネットのほうに軍配が上がるでしょう。

なので「あたりさわりのない本」とか「どこにでもあるような本」はおそらく紙本では売れなくなります。それでいて消費される本は単価を下げる必要があるわけですね。単価を下げると紙本で刷ってると金額的に合わなくなるし、安くするにはある程度数がはけなきゃいけないわけです。なので、フォロワー数とかチャンネル登録者数がたくさんいる人を狙って出版の話が持ち上がります。その方が手っ取り早く数がはけます。しかし、実際そういったSNS上の数字も流動的ですし、紙本の購買につながるかは微妙です。出版素人の僕の勝手な偏った見解ですけど、安くてあたりさわりのない紙本は出せば出すほど博打というかギャンブルに近くなると思います。ギャンブルなのでどこかで打ち止めになると思います。「安パイ」を狙うことが逆に安パイではなくなる事態になってくると考えています。

僕が紙本を書いて、こんな感じ大して告知もしていないのに赤字になっていないのは、書きたいことを書けているからだと思います。おそらく「売れることを最優先する誰か」の指示や介入が入り、書きたいことを書けなくなったら、逆に売れなくなると思います。僕もそんな本は出したくないですし、僕が書く意味はないと思っています。「たくさん売りたい」という気持ちが入るとノイズになって、純度が下がってしまうんですね。それは全然おもしろくないです。

 

入門本を書いたことによる副産物

 

花札占い入門編」は初めて「初学者向け」という立ち位置で書いています。それでも初学者向けではないかもしれませんが、なるべく平易でシンプルな言葉で書いたつもりです。(まだまだかもしれませんが)

この本を出してよかったなと思ったことは2つあって、ひとつは本を買われた方のお子様が本を読んで勝手に花札占いをやるようになった…といったご報告を頂けたことです。普段あまり中高生と接する機会がない分、そういった層に自分が生み出した何かが届くのは素直に嬉しいなと思いました。花札占いを通じて、家族や親子のコミュニケーションが生まれたり、新しい家族の一面が見えたり、何か新しいものが生み出せたのかもしれないという喜びがありました。

2つ目は「講座でいきなり応用的な話ができる」という点が非常にありがたいです。僕は「こういう使い方がある」「こういうおもしろい例がある」という応用的な話をすることが好きです。本を買ってもらって、本の内容をそのまま読み上げるだけの授業はつまらないですし、僕が受講生だったら寝ます。講座をやる側の僕自身も「その先」を話したいわけです。入門本を書いてそれを受講される方が読んできてくださるので、かなりスムーズに専門的で実用性の高い話ができるようになったのは思わぬ副産物でした。

 

今年は本をたくさん書きます

 

なので、今後教科書的な使い方も含めて、入門本などを出していく予定です。また、現在改めて電子書籍の作り方を学んでいます。僕もなるべく普段は電子書籍で本を読みます。やっぱり電子書籍で読めるならそちらで読みたい人もいると思います。電子書籍は普通の書籍を出すこと+αの要素が結構あるのですが、そのハードルさえクリアできればどんどん電子書籍化できます。占いの本ってエロ本に近いのかわからないですけど、あんまり大っぴらに買いにくいのかネットのほうが売れるんですよね。購入される方は同業者だと思わしき方がほとんどですし、僕のところから買いにくい方は鴨書店さんで購入されているようなので、今のスタイルはけっこう理にかなっている感があります。

僕としては本を書くことは研究&学びながらお金をいただけるスチューデント・ループ・システム(ずっと学生気分システム)のひとつなのでかなり最高です。本当にありがたい話です。

これからもたくさん本を書いていきます。

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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