四柱推命ではなぜ生まれた日(干)を主軸に見るのか。使い方や用法上日干を主軸に見るという説明をされているものがほとんどで、「How」に対する答えは多いものの「Why」に対する明確な答えがありません。こういった根本的な素朴な疑問に対して「そんなこと役に立たなさそうだしどうでもいいじゃん」と切り捨ててしまうことは簡単なのですが、自分の経験上こういった意味がなさそうなことにも偏執狂的に掘り下げてみると思ったより役に立つ知見に到達できることが多かったので、このテーマについても自分なりに考察してみます。
四柱推命に関する情報はまず量が非常に多いです。手相もあるにはあるのですが、四柱推命ほど分派していないため「偏り」がない分けっこう登りにくい山でした。問題は「情報の質」なのですが、偏りが大きい分「立場」を理解できればそこから抽象化・ジンテーゼを見出すことができるため非常にありがたい占術です。何度も言いますが手相や相術は「これが手相じゃ!」というようなクセの強い著書が本当に少ないので、平均化されている分とっかかりが見出しにくかったのです。そんなわけで、流派や分派や対立・批判が多いのでとっかかりが大きい分、四柱推命は相術に比べると研究しやすいのです。
前置きはさておき。日干についてです。四柱推命のアイデンティティとも言える4つの柱「年月日時」ですが、これらがどのような捉えられ方をしているのかが「なぜ?」の答えを見出すヒントになりそうです。いきなり結論を述べますが「日柱というものは現象が反映される存在(反映物)だから」なので重視されるのかなと考えました。訳註 淵海子平(竹中利貞訳註/サン企画)の「日を主とする論」の項目に下記のような説明があります。
宋の時代になって子平の説があり、日干をとって主とし、年をもって根とし、月をもって苗とし、日をもって花とし、時をもって果としたのである。
この説明を見てWebページ制作中毒になっている僕はすぐに次のように変換しました。
年:サーバー
月:プラットフォーム
日: Webページ
時:訪問者
サーバーは大事だけど直接的にサイトに影響は与えない。WordpressやWixといったプラットフォームがやはりサイト表示に影響を与えます。そしてサイト表示されてそこに訪問者がアクセスします。一見するとWebページ→訪問者という一方向の影響しかないのかなと思われがちですが、実際は「どのような人に訪問されたいか」という要素がWebページに影響を与えるためWebページ↔︎訪問者という双方向作用が成立します。訪問者がサイトに書き込んだりする場合も、訪問者の要素が反映されたりするわけですから、双方向なのです。相術で変換すると下記のようになります。
年:墓相
月:地相家相
日:現象(内部要因)
時:現象(外部要因)
このあたりはもう少し詳細なすり合わせが必要になりそうですが、大まかな変換としてはこのような感じです。それゆえ僕がこれから力を入れて研究していかなくてはならないのは、年柱と日柱↔︎墓相と現象 の確認でしょうね。なぜそのタイミングで生まれるのかに先祖や親の要因が関わっていると考える以上、命術と墓相の相関のデータ取りは必須です。むしろ命術の「なんでこの人はこうなるの?」を追求する以上、墓相の探求が必須なのでは?と考えています。このあたりまで踏み込んでやっている人が本当にいなさそうなので、自分なりにデータを集めて役立てていこうと思います。
生年月日を用いた占いについてはまだ懐疑的な部分もありますが、ボールを投げた瞬間に着地点がある程度決まっているように「はじまり(ボールを投げる角度と力)」によってボールがどのような放物線を描くのかを予測する…という点では命術も卜術も同じ仕組みなので、研究する価値は十二分にありそうです。
占いに対してはいろいろな考えや意見がありますが、僕は手相を研究し始めたころからスタンスは変わらず、研究対象として面白いから取り組んでいますし、それが何かしら今を生きるひとたちの役に立つのであれば、それはそれで良いのでは?というスタンスです。活用重視ですが、基本好奇心です。
話が逸れてしまいましたが、四柱推命における日干は「反映物」を象徴するシンボルであるがゆえに、その状態を見るのは鏡で自分の顔を眺めて「今日はどうかな」とチェックするようなものなのだと考えています。結果物からそのバックグラウンドや未来を窺い知る手法としては相術や卜術と同じです。日の十干と十二支あるけれど、なぜ日干の方を重視するかですが、十二支も「影響を与える側(場)」であるため、日干がもっとも「影響を受けやすい存在」という捉え方なのではないかと考えています。また、何か発見があればご報告していきます。
にしけい