【易占い】天地否(てんちひ)は本当に悪い卦?意味と現代的な解釈と意味

「天地否」はネガティブな卦なの?

 

易占いでよく登場する卦「天地否(てんちひ)」。多くの本では「閉塞」「不通」などマイナスなイメージで説明されています。「天地否は悪い卦」「凶だから注意せよ」といった解釈もよく見かけます。でも、本当にそうでしょうか?

天地否には「ただ悪いだけ」ではなく、むしろ 成長や自立に向けたポジティブな意味があります。

 

「否」という漢字が持つ本来のイメージ

 

「否」という字を分解すると、「ひとつのものが膨らみ、やがて二つに分かれる」 という意味を持ちます。これは単なる停滞ではなく、 分離・独立のプロセス を示しています。

つまり、天地否は「壁にぶつかっている状態」ではなく、「自分自身で立ち上がるフェーズ(自立性)」 を表す卦だといえます。

 

地天泰との比較で見えること

 

よく「地天泰=吉」「天地否=凶」と真逆に説明されます。しかし、本来の意味はこのように説明できます。

地天泰(ちてんたい):
特定の集団や組織を根底から変えること(組織依存性)

天地否(てんちひ):
個人の力で切り開いていく(独立性)

つまり、天地否は「悪い」ではなく、「今は自分自身の力を養うときだよ」 というニュアンスに近いんですね。社会の流れや集団に頼るより、独自性を磨くことが大切な時期を示しています。

 

初爻変に少し触れると…

 

天地否の初爻変では「茅を抜くに茹たり。その彙と似にす。貞なれば吉なり」という爻辞があります。これは岩波文庫の易経などをはじめ、「みんなと一緒に行動せよ」と解釈されがちですが、本来は「集団から抜け出しても吉」という意味に近いと考えられます。

ただし重要なのは、「孤立=悪い」ではなく、「健全な離脱や独立こそ成長の第一歩」 ということです。

 

現代社会で天地否をどう読む?

 

現代において、天地否の意味を捉え直すとしたら、下記のようになります。

・集団や肩書きに依存せず、自分の実力を試す
・周囲との比較ではなく、自分の軸を持つ
・一時的に孤独を感じても、それが次の成長につながる

何度も言いますが、天地否は「悪い卦」ではなく、「自立や自己成長のチャンスを表す卦」 です。

 

まとめ:「天地否=悪い」は誤解

 

天地否は決して「凶」ではなく、「自分自身の実力を磨く時期」という意味を持っています。もし天地否が出たら、「今こそ自分の軸を磨くタイミングなんだ」と受け止めることが本来の意味に近いです。

天地否は下記の講座の4回目で解説しています。

周易講座4期
https://nishikei.jp/shop/syuueki-4-1st/

吉凶に囚われた解釈だと、実践において矛盾が生じたり、詰んでしまう場面が多いので、柔軟に抽象的な概念から理解する必要があると考えています。

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山生まれ。19歳から手相占いを独学で始める。化学系工学修士。商社での開発営業職を経て占いを生業に独立。専門分野は手相・易・気学・家相・風水・墓相など。著書50冊以上、世界15カ国での実占経験。三児の父。

感謝の気持ちを込めて全国47都道府県で無料鑑定会を行います。ささやかながらお店や施設の宣伝もさせていただきます。

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