具象の抽象化作業の末、いきついたひとつの答え。陰陽時空間手相術。
これをひとつの本にまとめました。
毎回「まとめる」ことが苦手なので、文章を書くのは好きですがいつも書籍化は苦戦します。書いている最中にもいろいろアイディアが湧いてきたり、閃いたりするので、1週間ぐらい書かないでいると全く違う考えになっていたり。でも、言いたいことの軸は変わらないので、なんとかそれに沿ってまとめることができました。
本書の目的は1つです。「手相はもっと自由で何でもできる」ということをお伝えしたい、それだけなのです。そのためにはより抽象的な概念を用いて手というものを俯瞰しなければなりません。タイトルにありますように「陰陽時空間手相術」は、より手相を「より自由に」「より柔軟に」「より高い的中率に」するために模索した結果、導き出したひとつの答えです。
線から面へ
本書の目的は従来の手相術の問題点にメスを入れる1冊だと思います。
手相を見る上で度々議題に上がるのが「この線は何線だ?問題」です。これも線に名前をつけてしまったがゆえの弊害です。例えば下図のような手相が出てきたときに従来の「知能線」「生命線」「感情線」「運命線」といった捉え方だと、点線部分が「知能線の枝分かれ」なのか「手首側から指先に向かう運命線」なのかという議論が起きます。
実際、手相教室でもこのような質問をよく頂くことがあって、その度に僕は「どっちなのだろう?」と考えながらも、心のどこかで「システムが不十分だからこのような質問が起こるのか」と新たな手相判別システムの開発の必要性を感じたのです。
線に名前をつけて、そこに意味をもたせることで覚えたり理解したりしやすくする反面、そもそも「生命線とは何なのか?なぜ生命線なのか?」という従来の手相術の根幹を揺るがす質問に対して明確に回答している文献や書籍がありません。
「人生や健康や体力を表す線です」といった答えは「機能」であり「具体的表現のひとつ」にすぎないため、まったく核心へと迫る回答ではないのです。これらの疑問に答えるためにはまず一度「線」という認識を捨てて、手を捕捉する必要がありました。
せっかく手というものを俯瞰して観察できるにもかかわらず、どうしてもミクロにこだわってしまうと本質が掴めなくなります。
「群盲象を評す」という言葉がありますが、一部にこだわっていては全容を把握できません。「手」に絞っている時点で既に視野は狭まってはいるのですが、さらにその手の中でも1つの線や細かいものにこだわると、それが何なのかわからなくなってしまいます。
顕微鏡でもスケールに合わせて適した倍率を調節しますが、手相も情報をたくさん得るためには適したピントがあります。顕微鏡をやめて肉眼で全体像を見る必要があるかもしれません。
本書は線ではなく「手」というものを見るための基礎的な概念を詰め込みました。これを覚えるのではなくきちんと理解できれば、手がまた違ったものに見えてくると思います。詰め込んだといっても「1枚の図」で理解できる人はできると思いますし、結果的に本当に伝えたいことはたった2〜3行で十分でした。
でも、この2〜3行の情報を知るだけで、手相が飛躍的に自由になり、手相の世界が圧倒的に広がります。今後、手相や相術を学びたいという人がいたら、入手しておいて損はない1冊だと思います。また、現行で手相を学んでいる人にも是非読んでもらいたいです。手相はまだまだアップグレードできます。手相の可能性を感じて欲しい、ただそれだけなのです。
書籍詳細
「陰陽時空間手相術」 4800円(税込)
■紙版 A5判■
・ポンショップ
・鴨書店さんでもお取り扱いいただいております。
(紙版は数量限定で100冊ほどしか作っていません)
僕の知識や経験がみなさまのお役に立てることを願っております。
にしけい