豆占い(Favomancy)はご存知でしょうか?
イスラム教で占いは基本的に禁止されているのですが、イスラム教の開祖ムハンマドの娘であるファティマは父親に見つからないように豆占いをした…という話が残っていますから、少なくとも6世紀ごろには確立されていた占いです。自分の部屋で友達を占っていたところにパパ(ムハンマド)が入ってきて、慌てて隠したそうです。
豆占いはボスニアで人気の占いなのだそうです。昨年行ったトルコでは「占い=コーヒー占い」でしたが、そのトルコがオスマン帝国時代にボスニアを支配し、キリスト教に弾圧された人たちをイスラム教に改宗することで助けた(?)経緯もあり、ボスニア人がトルコに流れたり「トルコ化」が進む背景で豆占いも伝わったのかもしれません。
参照記事:[トルコ旅行記6] トルコの占い事情とコーヒー占い(事前調査情報)
豆占いはロシアでも行われているそうで(現地情報収集中)、主にウビフ語を話すウビフ人のあいだで予言のために用いられていたそうですが、ウビフ語の話者が誰もいなくなってしまったため、ウビフ人がどのように豆占いをやっていたのか詳しくはわかっていません。1864年のコーカサス戦争以前、ウビフ人は黒海付近に多く住んでいたようなので、これもやはりトルコからイスラム教と一緒に伝わっているのでしょうか。占いは文化・時代・集団認識などによって姿形が変わります。子音が80以上あると言われる独特の言語であるウビフ語話者たちのあいだには独特の「ものの見方」があったはずですから、豆占いのやり方も違っていたかもしれません。
並べる・投げる・焼く
豆占いは大きく分けて3種類あります。大きく分けて「並べる」「投げる」「焼く」の3つという感じです。
1.豆を並べて豆の数や形からシンボルを読み解く方法。易に近いものがあります。
2.豆を投げてそのとき出たシンボルから読み解く方法。ジオマンシー・リソマンシーに近い方法です。
3. 豆を焼いて、その焦げ具合や灰の姿形から占う方法。亀卜に近い方法で、実際現在日本国内の神社などでも農作物の豊穣や天候を占うために使われている方法です。
細かいものを含めるともっと豆占いの方法はありますが、大まかに分けて…という感じです。
前述したトルコやイスラム圏で使われていたのは1の「並べる豆占い」が主流っぽいです。これも文化や地域によって混ざっているのでなんとも言えないところがありますが…。現在ではロシアでも豆占いが行われている…という情報が入っていますが、現地人とやりとりしているの感触では「豆占い?」という感じの人が多いです。これも要調査です。
豆占い講座詳細
さて、今回はこの豆占い講座を無料で配信します。テキストはないのですが、録画して後日YouTubeにアップする予定なので見逃した方も大丈夫です。
【豆占い講座】
今回は1の「並べる」と2の「投げる」をご紹介しています。実際に占ってみるので、何かテーマがある方はお題として出していただけると助かります。
さまざまな占い方やシステムを知ることで「いつもとちょっと違ったインスピレーション」を得ることができます。いつも言っているのですが「Aを極めたいのであればA以外を知る」ということです。すでにいろんな占いを勉強されている方も、初めての方も「へぇ〜こうやってやるのか〜」というフワッとした気持ちでご参加いただければ幸いです。
節分も近いため豆をおもちの方も多いと思いますから、講座を見たあとに試してみてくださいね。コーヒー豆や羊のフンなどでも占っていたそうなので、小さな丸いものをご用意の上ご参加いただければ、楽しめそうです。
「高級で上質な豆の方が占いに適している」と主張する人もいますから、これを機にちょっといい豆を買ってみるのもいいかもしれませんね。
にしけい