「占いとお酒とイレギュラーとゲロを吐かないように気をつけよう」の話

お酒と占いとあれこれの話。

先日出張先でホテルに泊まったのですが、締切が近いお仕事がなかったので、夜に飲みに出歩くことにしました。どの方向に行こうかなーと迷ったので、花札を引いてみると、桜の素札が出ました。「それじゃあ東に行くか」ということで、ホテルを出て少し寂しい雰囲気の商店街に向かって歩き始めました。

商店街の雰囲気とは打って変わって、どのお店も賑わっていて、立ち飲み屋2件が満席で、3件目でようやくカウンター席に座ることが出来ました。

「桜だし、若い男性が来るはずなんだけどな…」と予想していたのですが、右隣に座っていたのは40-50代女性の友人グループで、とりあえず一番おすすめっぽいクラフトビールを頼みました。

5分ほどすると、一人のお客さんがお店に入ってきて、僕の左隣の席に案内されました。スーツを着た若い男性でした。彼とは初対面でしたが、いろんな身の上話に花が咲き、僕と同年代で営業のお仕事をされていることが分かりました。

僕は飲みに行くときは基本的に自分の素性やお仕事を明かさないんですね。だって、聞かれてもいないのに自分から「私は占い師なんです」って言われたら、驚きませんか?笑

占い師というお仕事にはまだまだ偏見をもっている人もいますし、偏見のもとになるような行動をとっている人もいます。といっても、どんなお仕事だったとしても、何かしらイメージとか偏見みたいなものはついてまわるのでしょうがないのですが、過去の僕の経験上「占い師」の場合は、他のお仕事に比べて拒否反応を示す人もけっこういるので、自分の仕事を明かすことはリスクとデメリットが伴う場合もあると考えています。

一緒に飲みに行く人がいると、「この子、占い師の子なのよ」と紹介してくださる方もいるのですが、その後の流れが不自然になってしまうし、たまに場を壊してしまうこともあるので、なかなか難しいですね。

なので、一人で飲みに行くときは基本的に自分の仕事を明かさず、「え?何やってる人なの?」と聞かれたら、答えることにしています。なるべく一緒に飲む人の自然な態度や話を観察したいので、そのノイズになりそうな情報は極力少なくしておきたいんですよね。

とはいえ、「お酒の場」って、「イレギュラー」を楽しむ場でもあると思うので、割とそういった場に集まる方々は寛容な方が多いんですけどね。

話を戻すと、営業マンの彼は楽器を嗜むらしく、閉店間際まで音楽好きな店主さんと楽器の話で盛り上がっていました。入った時は気づかなかったのですが、お店には所狭しとギターやウクレレなどが置いてあったんですね。花札の桜は「卯」と関係が深いため、楽器の話が出るんだろうな…と思っていたら、店主さんが「ここ、おすすめのお店だから行ってみて」と、他の居酒屋の名刺を渡されました。店名には「桜」がついていて、可愛らしい和柄の名刺でした。

 

強烈な凝集からの混化

 

生きていると、実績や立場といったものでセルフイメージがガチガチに固まってきます。周囲から「あの人は成功者だ」と思われていると思っている人は、「成功者」であるように振る舞おうとしますし、会社や組織で責任のある立場にある人はそのように振る舞わなくてはならないわけです。

社会的地位や名誉とは関係なくても、何かを突き詰めてやっている人は視野や思考が狭まっていき、凝集作用が働きます。人には言えない何かを抱える人も同じで、凝集作用によってセルフイメージや選択肢が狭まっていっている場合が多いです。

凝集作用によって範囲が狭まっていると、誰にも相談できなくなります。誰かを信用したり、誰かに心を開くことに抵抗感が出てきてしまうんですね。それは僕自身もそうなのかもしれません。

ガチガチに固まってしまったセルフイメージがあると、なかなか人と素直に接することができません。距離を縮めることができません。新しい友好関係を構築することが難しくなってきます。

でも、そのガチガチに固まったセルフイメージを壊せる場所が「お酒の席」な気がします。お酒の力は偉大です。お酒の失敗…というリスクやデメリットもありますが、それを差し置いてでも、誰かと一緒にお酒を飲むという場は固定された何かが壊れて、新たな何かを生み出す可能性を孕んでいます。

何か事件やトラブルといったイレギュラーが起きると、近くにいる人たちで協力し合う必要が出てきます。イレギュラーは固定されたイメージを破壊し、人と人との関係や、何かと何かの関係を再構築する機能があります。

お酒の席や、飲みの場には「ほどよいイレギュラー」によって、何かを再構築する役割があると考えています。こういった「ほどよいイレギュラー」はお酒以外にもいろいろあります。

例えば、「家に誰かを招き入れる」という場合もほどよいイレギュラーになるかもしれません。もし僕があなたの家にお邪魔して、リビングでゲロを吐いてしまったとします。もちろんその家での僕の評価は最低なものになり、もう二度とあなたのおうちにはお邪魔できないかもしれません。

しかし、一緒に住んでいる人たちは「共通のイレギュラー」を経験することで、関係性が変わるかもしれません。「にしけいゲロ事件」という共通の話題で半年ぐらいは関係性が良好になるかもしれません。僕がゲロを吐くのはほどよくなイレギュラーの例なので、「わんちゃんがリビングでおしっこをする」とか「困った親戚が遊びに来る」ぐらいのほうがいいかもしれません。

いかんせん、不確定要素の高いことが起きると、それによって硬直化したイメージや関係性が一度壊れて再構築されるようになります。

僕は旅行が好きなのもこういったほどよいイレギュラーに出会える可能性があるからだと思いますし、占いがそのきっかけになっていたりします。よくわからない地域やお店に飛び込むためには勇気が必要になります。でも、そこに何か理由づけや後押しがあったら、飛び込む勇気が出てくるかもしれません。

何かを変えたい時は、イレギュラーをどう取り入れるか。そして、そのイレギュラーは必ず「外」にあります。僕は今後こういった「イレギュラー」により価値が出ると考えています。

どこかでお会いしたら、ぜひ飲みにいきましょう。大丈夫です、ゲロは吐きません。たぶん。

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山生まれ。19歳から手相占いを独学で始める。化学系工学修士。商社での開発営業職を経て占いを生業に独立。専門分野は手相・易・気学・家相・風水・墓相など。著書50冊以上、世界15カ国での実占経験。三児の父。

よくご質問をいただくので、手相占いの記事・書籍・講座などについてまとめました。

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