悩むことは「転換点」に向かうための最大の投資機会

悩むこと・悩む時間というのは、新たな選択肢を増やすために必要なコストです。なぜ新しい選択肢を増やす必要があるかというと、既存の選択肢や既知情報では解決できない状況だからです。コストを費やして「悩んだこと」は、新たな選択肢を創出して、より良い選択ができるかどうかによって価値が変わってきます。

せっかく「悩む」というコストを支払ったのに、「今までと同じで良い」「他の人と同じで良い」といった既存の選択肢に執着し、新たな選択肢を創出しない・より良い選択肢ができないというのは一番もったいないと言えるかもしれません。

また、「悩む」というコストすら支払いたくないという人もいます。ケチって一時的な安心感や都合の良いイメージに逃避するパターンです。これを「誤魔化す」状態と言えます。

決断に費やす時間とエネルギー(悩むコスト)は、使い方次第で無駄にもなれば、価値ある投資にもなりえます。近道を探して安易な解決策に飛びつくのではなく、じっくりと自分と向き合い、新しい可能性を見出すプロセスにこそ、本当の価値があるのではないでしょうか。

「悩むプロセス」を通じて得られる気づきや新しい選択肢は、長期的に見ると同じような失敗を繰り返すことを防ぎ、より良い人生の道筋を見出すための重要な投資となります。

この「悩む」という「最大の投資」をケチったり、誤魔化したりするといつまで経っても同じような「負のサイクル」を抜け出すことができません。

これを図を使って説明していきます。

 

負の制限サイクル

 

まず、「悩む」という状況が発生するまでの「負の制限サイクル」について図示すると下記のようになります。

範囲の限定度が狭まる(視野が狭まる)と、確かにそれによるエネルギー損失を防ぐことはできるのですが、正解範囲が狭まるため「失敗判定」になる条件が増加します。手段・相手・場所・行動など様々な要素の範囲が限定されると、「良しとする条件や状況」の範囲が狭まるので、反対に「良くないと認識する条件や状況」の範囲が広くなっていきます。その結果「失敗」「不快」だと判定する状況が増えていきます。

また、範囲の限定度が狭まると、より最適な手段・相手・場所・行動などを模索する機会が減るため、より最適な条件や状況(成功)に遭遇できる確率が減少していきます。うまくいかないパターンの行動や思考を繰り返すわけですから、失敗を繰り返す可能性が高くなり、自然と失敗判定数増加に寄与することになります。

失敗判定数が増加すると、悩みや苦悩が発生します。そして、この悩みや苦悩は「転換点」につながります。この「転換点」というのは、「正の解放サイクル」につながるための転換点と言えます。

 

正の解放サイクル

 

「負の制限サイクル」から、「転換点」を経ると「範囲の限定度が低下する」というステップに移行します。これは先ほどとは反対に、視野が広がることを意味します。より柔軟になるとも表現できます。

 

手段・相手・場所・行動など様々な要素の範囲が広くなるので、「良くないと認識する条件や状況」の範囲が狭くなり、失敗判定数は減少していきます。視野が広がるので、より最適な選択ができるようになる可能性が生まれるため成功遭遇率が高くなり、これがまた失敗判定数の減少に寄与することになります。

 

【全体図】

 

「悩み」は「負の制限サイクル」から「正の解放サイクル」へ移行するための転換点へ向かう際に発生します。

ちなみにここでいう「負」は「選択肢の減少(マイナス)」で、「正」は「選択肢の増加(プラス)」を指しています。

 

誤魔化しによる転換点移行阻害

 

例えば、何かの決断や特定の状況に不快感を感じる、つまり悩んでいる状況が続いているとします。この状況において、「自分はそのままでいいんだ」「自分の考えは正しいはずなんだ」というような確認作業を僕は「誤魔化し」だと考えており、一時的には安心や快楽を生じさせるのですが、転換点への移行を阻害する場合が多いです。

 

この「確認」というのは主に「セルフイメージの堅守」のために用いられ、「転換点」ではなく「範囲の限定度↑(視野狭窄)」の方向に進むことになります。自分がもっていた(セルフ)イメージを堅守するという行為は、何度も言いますが一時的には安心感や快楽が得られますが、あくまで一時的であり、「依存」を生み出す要因にもなります。

なので、僕はこの「負の制限サイクル」へ向かうことを希望されるようなご相談は正直あまり受けたくないなと考えています。時間の無駄だと感じるからです。しかし、ここで誤解しないでいただきたいことは、誰かの背中を押したり、応援したりしないといっているわけではありません。

例えば、「やめること」「身を引くこと」「あきらめること」といった一見するとネガティブに見える行動も「転換点」のひとつなのですが、人や状況によってはこれらの転換点に向かうために強いおそれを感じる人もいます。しかし、本気で転換点に向かおうとしているからこそ、おそろしいし悩むのです。そういった「怖いぐらいの大きな転換点」に立ち向かおうとしているのであれば、全力で応援・サポートしています。そこには「正の解放サイクルに向かう」という「希望」がありますし、それが本当に「自分を大事にすること」だと思うからです。

 

失敗判定数増加→転換点の間の何か

 

この「失敗判定数増加」から「転換点」に向かう際に、「悩み」が発生しない人もいます。非常に柔軟で素直な人だと言えます。

下の図の「何か」が「特になし」というパターンです。

 

実はほとんどの人たちは無意識的にこれをやっています。

「正の解放サイクル」がある程度、循環しているからこそ人々は生活を営むことができます。しかし、日々環境や状況は変化し続けているので、ほとんどの人たちが日々の生活の中で意識にすら上がらないレベルで修正・微調整する作業を継続的に行っています。

問題となるのは、意識に上がるような認識できる「悩み」が発生したときです。こういうときは特定の固定されたイメージにとらわれている場合が多いです。

しかし、中には自分で「転換点」に到達できる場合もたくさんありますし、何気なく起きた出来事から「転換点」に向かう場合もあり、きっかけは様々です。僕のお仕事はこの「何か」のひとつであり、占っても占わなくてもどちらでもよくて、転換点に向かうのであれば方法は何でもいいと考えています。

 

この記事のまとめ

 

悩むことの機能

・新たな選択肢を増やすために必要なコスト
・既存の選択肢・情報では解決できない状況への対応
・新たな選択肢創出の価値を決める投資

悩むコストの無駄遣い

・既存の選択肢への執着
・「今までと同じで良い」という思考
・悩むコストすら支払わない逃避行動(誤魔化し)

負のサイクルから正のサイクルへ転換点の重要性

・「やめる」「あきらめる」も含む転換の選択肢
・本気の転換には恐れや大きな悩みが伴う

誤魔化しの問題点

・セルフイメージの堅守による一時的安心
・転換点への移行阻害
・依存的な行動パターンの形成

転換点への到達方法

・自力での到達可能性
・偶発的な契機の存在
・多様な方法がある

 

ということで、寝ます!

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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