「自分がもっている・もっていない軸」と「他者がもっている・もっていない軸」をもつ直交座標系を作ってみたんですが、いろいろ面白いことがわかってきます。
A 自分も他者ももっているフェーズ
自分も他者ももっている「もの」や「こと」と認識できるものは何か?
極論言うと「肉体」あたりになるのかな。状態はどうであれ、地球上に存在している時点で「肉体」はほとんどの人がもっています。
「肉体」があるということは、肉体を形作るための潜在的なエネルギー(「気」のような無形の情報)ももっているということになります。
となってくると肉体として存在できていると認識できている時点で、何かしらの「意思」をもっていることは確かです。
あなたも僕も「意思」をもって生活しているわけです。
B 他者がもっていて自分がもっていないフェーズ
もっとも劣等感を煽りやすい・受けやすいフェーズですね。
基本的に購買意欲を扇動したり、競争意識・探求欲求を駆り立てるなどの方法として活用されています。ないものねだりってやつね。
コンサル系・自己啓発系・お金儲け系のセミナーとか見てると、Bフェーズを強く感じやすい人がカモにされているように見えます。
「となりの芝は青く見える」なんて昔から言いますが、確かに自分がもっていないものって「いいな」と思っちゃいますよね。
でもそれは本当に自分が欲しいものなのか。
誰かがもっているのが目についたから欲しくなっちゃったのか。
このあたりを吟味してみると、案外欲しいものじゃなかったりします。
とは言いながらもこのBフェーズを活用した経済効果は凄まじいものがありますからね。
C 自分がもっていて 他者がもっていないフェーズ
現代ではこのフェーズに属するものを「個性」「つよみ」として認識している節があります。
「自分探し」とか「自分の才能探し」とか、いろんな名前を変えつつも、このCフェーズを求める人たちやそれに付随するビジネスはたくさんあります。
確かに「自分だけがもっている」と認識できると、優越感や自己肯定感が高くなるのでしょうね。
誕生日が同じ双子は同じ運命辿るの?って質問。
そんなことを言ったら、同じ工場で作られたパンツは全員同じ人に履かれることになってしまう。
座標とタイミングが違うから同じ柄とサイズのパンツでも「広瀬すずに履かれるパンツ」と「近所のおばちゃんに履かれるパンツ」という差別化が自然と起きる。— にしけい/Nishikei (@nishikei_) 2018年8月11日
正直「差別化」を頑張ろうとすればするほど、おもしろくなくなるんですよね。
自然にやってても勝手に差別化されちゃうのに、妙な他者との競争意識が発生すると、そこに「他者の意思」が混入しちゃって、より不純なものになってしまう。
だからCフェーズを求める人は、求めれば求めるほどCフェーズが得られなくなることに気づいて欲しい。
結局、そういう人ってどこかでBフェーズ(自分もっていない・他者もってる)を強く意識しちゃってることがよくある。
だからまず「本当に自分が欲しいものは何か?」という内観した方が答えが早く出るかも。
D 誰ももっていないフェーズ
僕個人としてはこのフェーズを求めて生きています。
ただし「未知のもの」を探し、手に入れるってやっぱり難しいです。理由は二つあります。
ひとつは「ないものを探す」という行為が鬼のように難しいです。
これは学術論文などを書く際は必ず新規性を謳う上で求められる作業で、分野にもよりますが過去の論文を読める限り読み尽くすという鬼の作業が待っています。
「ないものを探す」って「あるものを探す」より精神にくるんですね。
二つ目は「新しいと思っていたら、意外と新しくなかった」ということがけっこうあります。
自分の中では「やったー!これは誰も気づいていないすごいことだ!」と喜び小躍りしていても、過去の文献を読んでいたり、フとした瞬間に「先人たちがやってまーす」ということに気づかされることが結構あります。
なので「誰も自分ももっていないもの」を手に入れるってけっこう難しい…と、思いきや
「主語」や条件が変わるとすべて「新規性」になったりします。
世界中で多くの人たちが経験していることでも、自分がやったことがない場合は、条件が異なるためすべて「新規」「未知」の世界となるのです。
なので、あなたが「初体験」「はじめて得る」というものはすべて、このDフェーズになります。
そう考えるとDフェーズはめちゃくちゃ溢れています。
だって昨日と全く条件が違うことを毎日しているわけですから、あなたが気づいていないだけで毎日「だれもじぶんも見たことのない世界」が広がっているわけです。
と、考えると
他者も自分ももっているAフェーズは、実は気づいていないだけですべてDフェーズだったりします。
DフェーズはAフェーズの中に内包されているのに、気づかずに過ごして生きているんですね。
それを強く意識したいのであれば、意識的に「はじめて」を日々のどこかに少しずつ組み込むのも手ですね。
「仕事の帰りに気になってたお店に入ってみる」とかでもいいし「普段連絡取らない人にとってみる」とかでも十分Dフェーズを実感できると思います。
「はじめて」をやらないクセがつくと最後までやらない。
「はじめて」をやるクセがつくと最後まで「はじめて」をやりぬく。
「はじめて」はとてもハードルが高い。だから僕は「はじめて」に挑戦しようとする人を全力で応援する。
キスするところまで応援する。しちゃえばあとはなりゆきでなんとかなる— にしけい/Nishikei (@nishikei_) 2018年9月10日
さて、あなたが「求めているもの」、そしてその理由はABCDどれに当てはまりますか?
僕は最近ジャンガリアンハムスターを飼いたいと妻にねだったのですが、ダメだと言われました。
ハムスター自体に「個体差」があるので、どのハムスターがうちに来てもDフェーズということです。
この奇跡オブ奇跡に気づいて妻にも体験して欲しいのです。
ハムスターを飼うのは今後も定期的にねだってみようと思います。ハムスターかわいいのになぁ。
にしけい