【目的の理由付けは無駄】「道中を楽しめる人=”道楽人”は最強」説

 

「動機を明確にする」とか「目的に理由をつける」というのは「合理的・効率的」に物事を進める反面、途端に道中をつまらなくしちゃうんですよね。

【廊景谷シイチ】「目的」を明確にする「目的」は何なのか?

評価軸や行動根源が他者にいっちゃうと、本当にしんどいんですよね。

僕も2018年の始め頃「合理性信者」になりすぎて病んでいた時期がありました。

白い天井を黒カビで染めた頃の記事:
あの、目的・益を追求することに疲れました。これは無意味な記事です。

「他者のため」とか「道徳的に正しい」とかって確かに聞こえはいいし、物事をスムーズにするためにはいいんですけど、追求しすぎると何が楽しいのか分からなくなっちゃうんですよね。

物質主義世界に没頭することも確かに楽しいのですが「ゴール」や「答え」に執着するがあまり

それに到達できていない自分を強く否定し始めると途端に「今」が辛いものになります。

これだけたくさんの情報やモノが行き交う世の中ですから、ちょっと油断すると物質主義・合理主義・競争主義の信者になってしまいます。

そして「何かに達していない自分」を「中途半端なもの」として全否定してしまうのです。

道中を楽しめる人=道楽人

この「何かに到達していない自分」を否定しないためには、途中の道のりを楽しむ必要があります。

遠方へ行けば行くほど移動時間や待ち時間が長くなります。下手すると移動時間の方が長い移動もあります。

この道中の景色や出来事を楽しむことができれば「中途半端な自分」と思い込むヒマもなく、気づいたら目的地へ到着していたりします。

目的地へ向かう途中が楽しすぎたり、印象に残りすぎたりすると、目的地なんてどうだってよくなります。

それを「自分はブレていると思われているのではないか」「あいつは一貫性がない」だなんて思わなくていいです。

そんな感情は楽しそうにしている人に対する「嫉妬100%」ですから。

仲の良い人となら別にディズニーランドに到着しなくても、その道中が楽しいですし、アトラクションの行列に並ぶのも何のそのです。

問題は「どこへいくか?」よりも「どうやって行くか?」「誰と行くか?」の方が大事です。

で、どうせ行くなら「楽しい人」と行きたいし「楽しく」行きたいじゃないですか。

つまり「道中を楽しめる人」=「道楽人」こそ最強なのです。

 

道楽人=遊行者(ゆぎょうしゃ)

広辞苑によると「道楽」とは「道を解して自ら楽しむ」ことらしいです。

解す(かいす・げす)を辞書で紐解いてみますと

 納得する。理解する。
 毒物の効力を失わせる。
 ばらばらにする。ときほぐす。

とあります。

解す(ほぐす)と読んだ場合

 結んだり縫ったりしてあるもの、また、もつれたものを、といて別々にする。ほどく。
 こりかたまっているものをやわらかくする。
 食べ物のかたまっているものを細かに分けたり、かきまぜたりする。

 

つまり「道楽」というものは、目的へ向かうプロセスにおける「困難」や「問題」をグニャグニャにバラバラに分解して楽しむことを指すのです。

「道楽息子!」なんて否定的に使われることが多いですが「柔軟な思考で楽しめる最高の息子!」という褒め言葉だったのですね!

過去に「人たらしの極意」を書いた本について記事を書いておりますが

あとで読み直して欲しい記事:
【価値ある絶版本】人生の攻略本「人蕩術奥義」が手に入ったからちょっと中身を紹介するよ

この「人蕩術奥義」に出てくる「遊行者(ゆぎょうしゃ)」も「道楽者」と同じような意味になります。

「最高の魅力ある人」とは、この「空」を体得しえた人ではあるまいか?

(中略)

自由自在の境地に至った人。あたかも自然の一部と化してしまったような人。

気負いもなく、淡々と自らの人生を楽しみ、人々を明るくし、

人生をあたかも一場の芝居のように、またゲームのように遊びながら生きている人。

このような「遊行者(ゆぎょうしゃ)」に、私は心からあこがれ、魅きつけられずにはいられないのです。

 

「目的」を明確に示し、生きる理由を見出そうとすると非常に合理的です。

しかし、この合理性や論理性を追求しすぎて「遊び」「余裕」を失うと、途端に人としての魅力やおもしろさがなくなっていきます。

さまよっていてもいいのです。

答えなんて出なくたっていいのです。

目的地に到達しなくたっていいのです。

どこにでも太極(中心)は存在しますし、太極はどこにもありません。

あなたが中心であり、あなたが先端でもあります。

基準なんか無いこの世界において「真のゴール」なんておそらく存在しません。

問題は「どうやってさまようか?」なのです。

地縛霊のように苦しそうに、他人を恨めしそうにさまよい続けるのか…?

それとも遊行者として、道楽者として一瞬一瞬を楽しみながら生きるのか…?

「夢」とか「目標」とか「生きる意味」とか、そんな効率よく生きるための言葉を1回捨ててみてはいかがでしょうか。

もっといっぱい「無駄なこと」をしましょうよ。

にしけい

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西田 圭一郎

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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