【八話目・先輩信者に質問コーナー】オウム真理教(アレフ)という宗教団体に触れて感じたこと。

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【七話目・幹部との対話とサブリミナル勧誘】オウム真理教(アレフ)という宗教団体に触れて感じたこと。

 

幹部の人とソイジョイを食べた僕は、ちょっと広いメインの部屋のようなところに呼ばれました。

そこには穏やかな雰囲気の信者の男性2人がスケッチブックのようなものを準備していて待っていて

さらにそこにメガネをかけてチェックのシャツを着て黒いリュックを背負った「THEオタク」という風貌の男の子が彼らと対面して座っていました。

僕がいた高専もオタクが多かったのですが、彼ほどベタな「THE オタク」という風貌の男の子は見かけませんでした。

とにかく「ザ・オタク」という風貌だったので、彼の名前を「ザオタク」とします。なんか復活の呪文みたいになりましたが。

「あ、にしけいさんこっちです」と案内され、僕はザオタクの横に座りました。

ザオタクはリュックの紐のところに手をかけて、室内なのにしっかり黒いリュックを背負っていて、まるで体の一部のようになっていました。

一人の穏やかそうな男性信者が切り出しました。

「今日は、入信にあたって不安なことやよくわからないことがあると思うので、先輩信者に質問コーナーをやりたいと思います」

そういうと、その男性は「ジャーン」という感じでスケッチブックをひっくり返して見せてくれました。

スケッチブックには5×5の25のマス目があって、そのなかに質問が書いてありました。

要するに「よくある質問」を25個用意して、ビンゴカードっぽく並べたものでした。

ザオタクは前のめりになって書かれていることを凝視しています。メガネの奥で鈍く光る死んだ目が印象的でした。

「お二人には、交互にここに書いてある質問を選んでもらって、それに先輩信者が答えていきま〜す」

という趣旨で、なんか教理に関するクイズか何かに答えた人が質問できるみたいなルールだったと思いますが、細かいことは忘れました。

幹部との問答とは違い、ゆるく穏やかで怪しい空気でしたが、唯一ザオくんがメガネをクイッと持ち上げて「君には負けませんから」みたいな熱意をぶつけてきました。

「ちなみにお二人はなんで入信しようとお考えなのでしょうか?」

ザオくんがさらに前のめりになり、その勢いでカラオケで最初に歌ってくれたら合コンとかでいい感じのムードメーカーになれるだろうに…という勢いで質問に答えはじめました。

聞くところによると、ザオくんは学生で、過去に入信しようとしていたのですが親に猛反発されて一度は入信を断念。

しかし、今回は親の制止を無視して、半ば縁を切るような形で家を飛び出し、入信しようと道場まできたそうです。

ザオくんなかなかやるなっ!パンクだね!

そんな僕は「入信するかはわかりませんが、クンダリーニを経験してみたかっただけです」と答えたところ

先輩信者は終始にこやかでしたが、熱量の違いからなのかザオくんはキッと死んだ目で睨みつけてきました。

「にしけいさん、短期間でクンダリーニ覚醒されたんですよね〜素晴らしいです。ここへきてもっと良いカルマを積んで欲しいです」と先輩信者が一言添えたところで、質問コーナーが始まりました。

 

なんか前のめりのザオくんがずっと質問していて、僕は1、2個遠慮がちに質問しましたが…

 

ザ「じゃあ、“入信して会社や職場でうまくやっていけていますか?”をお願いします」

先輩「最初はおどろかれましたが、今はみなさん修行がんばれと応援してくださっていますよ〜」

ザ「おお〜!そうなんですね〜!」

先輩「道場にくる曜日は仕事を早く切り上げてもらっていますし、仕事もうまくやっていますよ」

 

ザ「じゃあ、“入信して家族から反対されませんか?”をお願いします」

先輩「僕の家族は反対とかないですね〜。家族で入信している人たちもいますし、僕は妹を道場にこないかと誘っています」

 

…確かこんな風に「一般社会との摩擦」みたいなものを懸念する質問内容が多かった気がします。

 

僕は「お金はかかりますか?」みたいな質問をしたのですが

亡くなった母親の遺産1000万円をお布施した信者の話をされ「大丈夫ですよ、みんなで助け合いですから」みたいな回答でした。結局お布施みたいです。

 

先輩信者に質問コーナーは終始おだやかな空気で、幹部のおじさん的にはこれを「ぬるい」と言うのだろうけれども

会社の経営者と従業員の間にある差のように、お布施を「払わせる側」と「払う側」とのあいだにはやはり大きな方向性の違いがあるようでした。

 

他の宗教もそうですが、やっぱり「払わせる側」自体はその宗教にのめりこんではいけないし、「払う側」は払うに値するかどうか判断がつかないぐらい「弱っている人」も多いです。

説明を端折りましたが、学生のザオくんも学校生活の人間関係がうまくいっていないっぽくて。

どうも成績もイマイチでそれが原因で親とケンカして自分の居場所を失ってしまっているようでした。

 

なぜ宗教のみ批判されるのか

 

宗教って良くも悪くも思考を停止させる装置です。

僕が研究してる「占い」もそういう側面があります。

何かあったときに「今は水星が逆光しているから○○座は…で、しょうがない」とか

「生まれた年が九紫火星だから○○」とか

暦を使って不安や思考を停止させる、言うなれば「暦教の信者」だと思いますし

「今日の吉方位は西だから、いってきまーす☆」という「方位教の信者」もいます。

占いも思考停止ツールのひとつだと思います。

占いは思考を停止させるためのツールである

 

いろんな宗教団体に潜入していて熱心な信者と呼ばれる人たちに共通したことは

「疑わないこと」

「自分で考えないこと」

「他人に自分の人生を任せていること」

でした。

 

いろんな宗教&信者を目の当たりにしてから僕は

「思考停止」させているものは他にないか?と常識を疑うようになりました。

 

優先席って必要なのか

 

「おっぱい」を使って洗脳と宗教について説明します。

 

疑うって本当に大変なエネルギーを使います。

不安にもなるし、何が何だかよくわからなくなります。

だから、できれば疑わない方が楽に生きていけます。

 

もちろん先人たちの経験や知恵があるから「今」があります。その恩恵をありがたく享受すべきです。

「誰にも頼るな、一人で生きていけ」と言いたいわけではありません。

でも「意外とそれ宗教だよ」ってものっていっぱいあるし、世界はそれで成立しているもので溢れています。

「ガチの宗教」というものをもっと身近に触れて免疫がない分「それやってることほぼ宗教じゃん」というものに気づきにくい人が増えているような気がします。

見方によれば、教育も文化も全て宗教なのに、なぜか宗教のみが危険視される。それもおかしなことだなと思ったりもしました。

もしかすると「それは洗脳だ」と気づかれると困る人たちがいるのかもしれません。

おもしろくないと思う人たちがいるのかもしれません。儲からない人たちがいるのかもしれません。

宗教の「オモテと裏」「勧誘する側とされる側」の両方を見れた気がして、この経験は大きな収穫となりました。

つづく…

【最終話・ソイジョイについて】オウム真理教(アレフ)という宗教団体に触れて感じたこと。

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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