インド旅行記2−9 なんなん?ツッコミ小噺3選

 

なんやかんや言ってもやっぱり旅しているとちょいちょい「なんなん?(何なの?)」とツッコミたくなる場面に出くわします。

というか、ツッコんでます。

 

運命の出会い

 

やや星が多めのホテルのスタッフさんたちはとにかくテキパキと働く人たちが多いです。

動きも機敏で非常に気が利きます。

朝のビュッフェでは、皿があいたのを見つけると凄まじい速さで近寄ってきて「皿下げていい?」と聞いてきます。

というか質問する前に既に皿に手をかけています。もう「下げていい」前提の速さです。

ジュースを汲みに行くために席を立って、20秒ぐらいのあいだに食べている途中の皿が片付けられていたこともありました。

料理教室では「インドでは食べ物は無駄にしないんだ」と教わったのに、そこそこパンやサラダが残っているのに、片付けられてしまいました。

そういった背景から、なるべく食べ物が並べてあるエリアの近くに席を取るようになったのですが…

とあるホテルの朝食時、お気に入りの豆をたくさん盛りつけて、お気に入りのフムスもたっぷり乗せて席に座りました。

「あ、コーヒーも取りに行こう」と席を立とうとしました。

これまでの失敗から僕は学びました。

コーヒーマシーンまでの距離は5メートルほど。歩けば、3秒ほどの距離です。これならスタッフが下げようとしても見張れる距離です。

アメリカン、エスプレッソ、モカ…いくつか選択肢がある中で「アメリカン」を押して後ろを振り向いた次の瞬間…

もうスタッフが僕のサラダが入った皿を下げようと手をかけていました…!!

思わず僕はなぜか「危ない!」と叫びました!

すごい速さでテーブルに戻り、「ナウ!イーティング!!!」と叫びました!!

まだサラダ残ってるやろーーーー!!!

僕も慌ててサラダの皿に手をかけたところ、スタッフはハッと驚き…

僕と彼の手が重なる形になりました…

「Oh!sorry・・・///」

なんなん…

なんでインド人のおじさんと少女漫画みたいな展開になってるんや…

さらに、彼のほうが先に皿に手をかけて、他のお客さんの皿と重ねてしまったのでサラダはもっていかれました…

なんなん…

sorryって言いながら、ちゃんとビュッフェ百人一首制してるじゃん…

なぜかフラれた感じになりつつ、試合も負けた感じになる朝でした…

 

グレードアップ

 

とあるホテルでのチェックイン…

フロントはメガネをかけてやや訛りが強くて早口の小柄な男性です。

「喫煙の部屋と禁煙の部屋、どっちにします?」

「禁煙でお願いします」

「ベッドはセパレートのシングルベッド2つと、キングベッド1つの部屋がありますが、どちらでしょう?」

「大きいベッド1つのほうでお願いします」

カタカタ…(部屋を検索する…)

「禁煙だとキングベッドの部屋が空いていないですね…喫煙でキングベッドにします?」

「あ、じゃあ禁煙でシングル2つの部屋で」

「かしこまりました…」

カタカタ…(部屋を手配する…)

「お客様、シングル2つの部屋、グレードアップしておきましたよ」

「え?いいの?」

「はい。グレードアップしたのでプールが見える景色の良いお部屋ですよ」

「あ、それはありがとうございます」

チェックイン完了…

「こちらルームキーになります。プールが見えるグレードアップされたお部屋の景色をお楽しみください…」

「ありがとうございます」

おお、ラッキー!

まだ肌寒い季節とはいえ、プールが眺められる部屋ってなんかいいかもな…

昼間は25度ぐらいまで上がるし、僕は入らないけど、プール好きな人なら泳いでるかもな…

(ガチャ)部屋に入室…

ほぉ結構広いなぁ…確かに悪くないかも…

あれだけプールを推してたし、早速カーテンを開けて景色を見てみるか…

カーテンオープン!

 

 

 

 

…なんなん?

おじさん3人がプールのペンキ塗り直してるだけじゃん!!

水着の美女が…とか、楽しそうに泳ぐ家族連れとか妄想してしまった自分がバカだった…

泳ぐどころか、水すら張ってないじゃん!!

この状況でよく良い景色をお楽しみくださいって言えたな…なんなんや…

 

 

音楽性

 

インドの移動はとにかくUberが便利です。

どこへ行くのもUber、Uberです。

コンノードプレイスからホテルへ向かうときもUberで配車を依頼。

マッチングして、すぐに乗車…

ちょっと無口で神経質そうな感じのドライバーさんでしたが、乗ってすぐに

「いつも話してる言語は何?」と聞いてきたので「ジャパニーズ」と答えると…

手なれた手つきで、カーナビのタッチパネルを操作します…

カーナビがネットにつながっているらしく、iTunesか何かで日本の曲を検索してくれたのです…

後部座席から爆音でYOASOBIの「夜に駆ける」が鳴り響きます。

「おお!!すげー音!!」

まさか、インドでYOASOBIを聴けるとは思っていませんでした…

ニューデリーの街をYOASOBI爆音カーが駆け回ります…

普段運転する時は窓全開でこんな爆音で音楽を聞かないので、たまにはこういう疾走感もいいかもな!

久しぶりの日本語の曲にも気持ちが高揚していました…!!

彼が再生したのは「日本語のヒットチャート上位の曲」のようなものだったらしく、YOASOBIが何曲か流れたあとは、RAD WINPSの「君の名は」で使われた曲が流れ始めました…

「スパークル」という曲の前奏のピアノが流れた時、ちょっとなんだかウルッときてしまいました。

「君の名は」を観ると毎回泣いてしまうんですけど、すごく盛り上がるシーンでこの曲が流れるんですね…

ピアノの音と、映画の場面と、旅と、窓から入る風と、インドの景色がいろいろ重なり、なんとも言えない爽やかな雰囲気になりました。

旅のエピローグのような雰囲気が漂い、エンドロールが流れているような気がしました。

「もう、この旅も終わりか…」

いや〜音楽ひとつでここまで気持ちが高揚するなんて…わざわざ日本語の曲を検索してかけてくれたドライバーの彼には感謝です…

あとで星5をつけて、チップも渡そう…うん、そうしよう…

夕方に差し掛かり、道が渋滞し始めました…

「スパークル」が映画の挿入歌バージョンだったらしく、ピアノの間奏が続きます…

渋滞もあり、ややイライラし始める彼…

「Play any song you like!」と「あなたが好きな曲をかけていいよ!」と提案しました。

日本語の歌詞わからないだろうし、そりゃイライラするからなぁ…気を遣ってくれてありがとね。

彼はまたもや手なれた操作で曲を選び始めました…

スパークルのピアノがプツッと切れ

ドゥン!ドゥン!ドゥン!ドゥン!

という、ノリノリの重低音が大音量で鳴り響きます…

トランス系でしょうか?めっちゃノリノリです…

彼は相変わらず小難しい顔をしながら渋滞をどう抜けるか試行錯誤しています…

彼がかけた曲も前奏がけっこう長いトランス曲でした…

ドゥンッ!ドゥンッ!ドゥンッ!ドゥンッ!

トゥールールルーチャラリラルールー♪

ドゥンッ!ドゥンッ!ドゥンッ!ドゥンッ!

トゥールールルーチャラリラルールー♪

トランス特有の耳に残るエレクトリカルなメロディと重低音が爆音で鳴り響きます…

おお、君はこういう曲が好きなのか…

前奏がだんだんと盛り上がり、いよいよ曲が始まります…!!

ドゥンッ!ドゥンッ!ドゥンッ!ドゥンッ! 

 

ドゥンッ!ドゥンッ!ドゥンッ!ドゥンッ! 

 

Oh!Sexy Bitch!

Come on Sexy Bitch!

 

 

なんなん!!

ずっとセクシービッチって言ってる歌やん!

あの感動タイムを返してくれ!!

渋滞をジワジワと進む爆音セクシービッチカー…

いや、まぁ君の車だし、好きな曲かけていいよって言ったのも僕だけど…

セクシービッチて…

なんなん…

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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