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2014年9月15日 カンボジア 世界遺産アンコール・ワット
バギーを乗り回した次の日は朝3時に起きて、世界遺産めぐり。
シェムリープは元々ジメジメしているけど、この日は朝から土砂降りの雨だった。
一緒に旅しているイギリス人のエマちゃんも、ドイツ人のハイコーくんもカッパを着用。
絶賛荷物極少旅行中の僕は、雨具は持ち合わせていなかったので近くにいる傘売りから折りたたみ傘を購入。
イタリアのローマもそうだったけれど、天候が変わりやすい観光地では傘売りたちが雨とともにどこからともなく現れる。
日の出と遺跡がコラボした美しい景色を観るために早起きしたのに、この日はあいにくの雨模様。
でも、これはこれでありかもしれない。
ビショビショになりながらもジョジョ立ちを決める…
基本的に僕は1〜2部のポージングが好きです。
アンコール・ワット、西側の正門から入ります。
何度も修復されていますが、最初に建てられたのは12世紀前半。日本では平安〜鎌倉時代。
入り口から振り返ってみた景色。
西側を入り口にしており、最初は風水的に「おやおや」と思ったのですが
四方に堀を施し水路に囲まれているため、日本の皇居と同じように結界の役割を果たしているようですね。
第一回廊の壁画です。
古代インドの長編物語マハーバラタ、ラーナーヤマに出てくるヒンドゥー教の創生神話が描かれています。
神様、月、太陽、天体…などが出来た経緯を誇張しながら表現したお話です。
どこの地域にも神話があって、神々の系譜から人間の王族が誕生したという流れのお話が多い気がします。
科学雑誌とか論文も同じ手法を使っていて、荘厳なバックグラウンド(序論)を述べることでいかに自分の研究結果が凄いかをアピールすることが出来ます。
人間の本質はそんなに変わっていないのかもしれませんね。
素人がスマホを使って撮っただけでも絵になるから不思議です。
やはり30年かけて建てただけあって、900年以上経っていても美しいです。
美人薄命なんて言葉がありますが、こういった歴史的建築物の構造を観察していますと
その環境に適したフォームをしているいわゆる「自然体」なものほど美しく、長持ちするように思えてきます。風水や気学の根本も「自然」にあるように思います。
第三回廊には舞姫を模した女神たちが彫られています。
当時のカンボジアではこのような女性が「美しい」とされていたのでしょうか。
ローマの彫刻に見られるようなふくよかな体型ではなく華奢で乳房も控えめです。ウエストが締まっているあたりは逆に「今風」に近い美しさかもしれません。
アンコール・ワットの「ワット」はクメール語で「寺院」を意味します。
そのため、いたるところに仏像が見受けられます。
破損が激しいものが多く、手足や首が無いものも多く存在します。
この仏像は手相が描かれていたのでしょうか。
水星線に見えるようなシワも見られますが、ひび割れのようにも見えます。
この仏像は手がきちんと残っています。
小指が異様に長いですね…見ようによっては「雑」な手の作りと言えるかもしれません。
近くで見てみても、関節のシワや知能線、感情線など…手相の線は初めから描かれていなかったようにも見えます。
損傷が激しい仏像が本当に多いですが、全体的に円錐型の手型と長い小指の仏像が多いです。
うーん…日本の仏像と違ってちょっと作りが雑な気もします。
しかし、一部の仏像の手には花のような印章が彫られていたり…
この仏像に至っては、渦巻き模様です…
確かにブッダの手足には「輝かしい未来」と「宇宙創生の原理」が描かれていたとされる講話集もあるそうですが、花と渦巻きはどうなんだろう…
仏教から派生したジャイナ教のシンボルにも似ているけど、12世紀のカンボジアにもジャイナ教は広まっていたのでしょうか。
手のひら渦巻きの仏像に関しては、正面から見ると異様にニヤニヤしているので誰かが真似て適当に作ったものなのかもしれません。
バラモン教・ヒンドゥー教の神ヴィシュヌ(別名:ナーラーヤナ)と思われる仏像です。
この仏像の手には車輪のようなものが描かれていました。
ヴィシュヌはアバターラ(化身)が得意な神で
魚、イノシシ、人間、時には「時間」という概念にも化けたと言われています。
ヴィシュヌをナーラーヤナとして崇める宗派もあるらしいのですが、サイババいわく同一人物らしいです。
しかし、「ナーラーヤナ」名義で描かれているときのみ7つ首の蛇を背に携えています。芸能人が芸名を変えて活動するように、キャラを使い分けていたのかもしれません。
水のように柔軟性に富む神と称されることもあり、車輪のような紋章がある水星丘(交渉術,話術)・太陽丘(心理術)の発達を意味しているのかもしれません。
にしけい