にしけいVSシャーマン (モンゴル旅行記201905その8)

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モンゴルでの炎上と反響っぷり(モンゴル旅行記201905その7)

 

ウランバートルの郊外にいるシャーマンの小屋に到着しました。

 

 

ドーム型の小屋で中はちょっとした体育館みたいな感じで円形の空間に20人ぐらい入れるような感じです。

あたりは真っ暗で、入り口にある狛犬のような狼の白い像が恐怖感を煽ります。

部屋の中に入ると真っ暗で、円形の部屋の円周にそってポツポツと人が座っています。

「シャーマンには絶対セナカを向けてはダメデスヨ」

「コレ、シャーマンヘノお供えデス。牛乳とオサケとタバコ。これを終わったアトに渡してクダサイ」

部屋の中心にはシャーマンがいます。ローソク一本で照らし出されるシャーマンの姿はすごい存在感です。モンゴルの人たちが「怖い」と感じるのもわかるような気がしました。

ここも写真が撮れなかったのでにしけいのイメージイラストを交えながらお伝えしていきます。

シャーマンは黒いコートと黒い帽子のようなもので顔が全く見えません。

前髪たれぞうスタンプを出した僕よりも前髪?がたれていますし、警察に通報された僕よりも全身真っ黒でした。やるな、シャーマン。僕よりも黒いなんて。

箱状の太鼓のようなものをもって、ドンドンドンドン叩きながら、目の前にいる質問者に語りかけていきます。

僕が入った時は、女性がシャーマンの前に座り、黒いハタキのようなもので背中を叩かれ、頭にお酒と煙のようなものを吹きかけられていました。

どうもなんか悪い霊か何かに取り憑かれているのでは?というような質問だったらしく、かなり念入りに叩かれていました。

終わったあと女性は泣いているようにも見えました。お祓いが効いたのでしょうか。

その後も、何人かシャーマンの前に座り、質問や除霊?のようなことをされていました。人によって儀式の内容が異なる点もおもしろかったです。

通訳をしてくれるボスが「ニシさん、質問はいくつある?」とこそこそ声で聞いてきたので、そういえば質問考えておかなきゃなと気づいて、何も考えていませんでしたがとりあえず「ひとつです」と答えておきました。

いよいよ、僕の番がまわってきました。

ドンドンドンドン太鼓を叩き、おばあちゃんのような怪しい声で、トランス状態になっているシャーマンの前に正座しました。

近くで見るとすごい迫力です!

正座する僕にシャーマンはまず僕に

「その前髪をあげて、顔をよく見せてくれ」と言ってきました。

おいおい、このやりとりは警察でもう十分やったんだよ。まさか、マスクをはずしたら警察でしたなんてことないだろうな。

とりあえず言われるがままに前髪をあげて、顔を見せました。シャーマンの黒い顔が近づいてきます。近づいたところで年齢を聞かれました。

「31歳です」

すると、ドンドンドンドン太鼓を叩き始めるシャーマン。お酒も入っているせいか超ノリノリです。

年齢を聞いただけでそんなに盛り上がれるってすごいな。合コンでもそんなにノリノリになれません。

たぶんここで霊を降ろし始めるための儀式が始まったのだなとわかりました。

ドンドコしながら、おばあさんのような絡みつくような声で「何か聞きたいことはあるか?なんでも1つ答えてやろう」と言ってきました。

 

僕は通訳さんに「これからもっとおもしろい世界にしていきます」と答えました。

 

通訳さんは戸惑いながらも、その通りに伝えました…

すると、シャーマンの太鼓を叩く手が止まり、マスクで顔を隠しながらもシャーマンが「ん?」みたいな空気になっているのが伝わってきました。

「もう一度、ちゃんと質問してくれ!なんでもいいから、ひとつだけ質問しろ」とシャーマンが怒っているとガイドさんが言いました。

 

そうか、確かに「おもしろい世界にします」は質問ではなく、宣言だったな。

 

でも、正直聞きたいことはなかったので

「おもしろい世界にします、ね?」

と無理やり疑問文にしました。

 

通訳してくれるガイドさんが泣きそうな顔で睨みつけてきました。

ちゃんと質問して欲しいシャーマンとちゃんと質問をしない日本人のあいだの板挟み…上司と部下のコミュニケーションに悩む中間管理職的な苦しみがガイドさんの目に宿り

ガイドさんから「いいかげんにしてくれ」という雰囲気が伝わってきましたが

真面目なガイドさんはちゃんと「おもしろい世界にします、ね?」を伝えてくれたようでした。

またもや手が止まるシャーマン。

というか僕の番になってから全然太鼓を叩いていません。おかしいな。他の人のときはノリノリで太鼓を叩いていたのに。

すごい恐ろしい感じの雰囲気に見えたのに、中に人間が入っていることがありありと伝わってきて、僕は中の人がどんな人か気になり出しました。

 

すると、シャーマンは気を取り直して「にしけいを崩すルート」を模索し始めたようで、手法を変えた質問をしてきました。

 

 

「お前は、ひとりになると、寂しさを強く感じているだろう?」

 

いやぁ…むしろずっとひとりでも楽しいですし、もっとひとりの時間が欲しい派です。

どうしよう、これたぶんシャーマン的には「当てようとしてる」感じの質問だぞ…

部屋には15人ぐらいのお客さんがきていて、みんなこの会話を聞いています。

僕よりも先に占って?もらった人たちも聞き耳を立ててこの会話を聞いているわけです。さっきシャーマンに払ってもらって涙ぐんでいた女性もいます。

 

どうしよう…

シャーマンの威厳を保つためにも、ここは「当たったこと」にしてあげた方が良いのか…

 

そんな気遣いをしながら僕は

 

「いえ、特にそれはありません」と答えました。

 

通訳さんがまたもや「空気読めよ」というような顔で僕を睨みつけながら「いいえ」と伝えました。

シャーマンの焦る雰囲気が、マスク越しに伝わってきました。

 

ごめん。でも、本当に寂しさは特に感じなくて、今もこうして一人になって隙あらばブログ書いてるし、寂しくなるときは1秒もないのです…。

 

すると、またもやシャーマンは諦めずに何かにしけいを掴もうと手法を変えてきました。

 

「お前は山の神の霊がついていて、守ってくれているんだ」

 

へぇーそうなんだ。富山出身だからかな。山の神か。それはありがたいね。

僕は「へぇーそうなんですねー」と答えると、通訳さんもそれを伝えてくれて、また妙な間ができてしまいました。

いや、だって「山の神の霊がついてる」って言われてもどうリアクションしていいかわからなくないですか?

ついている実感もないですし、そんなこと言われたのはじめてだったので、僕のリアクションは正解だったと思います。なんかもう「見てもらう」というよりも「クイズ」みたいな状況になっています。にしけいのコミュ力を問われているような気がします。

すると、シャーマンは「もう聞きたいこともないようだし、次の人に代われ!」ということで、いちおうお辞儀をして僕はシャーマンの前をあとにしました。

そのあと3人ぐらいが同じようにお祓いなどをされて、全員終了。

会場に照明が照らし出されます。

そしてシャーマンはマスクをはずしました。

中かからは普通の坊主あたまのおじさんが出てきました。意外とかわいい顔をしています。

おじさんはタバコを吸いながらスマホをいじり始めます。

確かに手相教室終わったあとはちょっと気が抜けてこんな感じになるよね…って妙な共感を覚えつつ、いやいや、そのミッキーが着ぐるみを脱ぐみたいな夢を壊すようなことしないでよとツッコミを入れつつ

とりあえずお供えを渡すタイミングを伺っていました。

すると、休憩中のシャーマンおじさんと僕が目が合いました。

そして、指で「こっちこい」と僕を呼んでいます。

ガイドさんに目配せすると「はい、シャーマンがヨンデイマス」と。

 

警察、入管から呼び出され、しまいにはシャーマンからも呼び出しを食らう…なんなんだ今回のモンゴル旅行は。

うわ、どうしよ、さっきの質問力の低さ、リアクションの薄さ、怒ったかな…

まだまわりに信者?の方々がいたので、失礼にならないように、いちおうちょこんと正座しました。

すると、シャーマンおじさんは手を出してきて

「君は手相を見れるようだな。俺の手相を見てくれないか?」と言いました。

 

まさかの逆鑑定!!!

 

ええんか!!まわりに信者おるけど、ええんか!!大丈夫なんか!?

めっちゃ気ぃ遣ったのに!そんなんでいいの?!

 

「(霊視のとき)君の手に触れたとき、専門知識があるというか、霊視とか幽霊を呼べる能力があるということがわかったんだ」

って言ってたけど、やはりどうも例のテレビを見ていたらしくて、自分の手相が気になっていたそうなのです…

 

シャーマンに占ってもらうつもりで行ったのに、まさかシャーマンを占うことになるとは…

さっきはシャーマンから「ひとつ聞きたいことを教えてやろう」と言われたので

僕も同じように「では、ひとつだけ聞きたいことがあればお答えします」と言いました。

 

すると

「まず、私の寿命を教えて欲しいのと、医者に行っても原因がわからないと言われた心臓の病気をどうにかする方法を教えてくれないか?」

 

って、質問2つ!!!!

しかも、医者に行ってもどうにもならないことをどうにかするのがシャーマンの仕事じゃないの!?大丈夫なん!?

おじさんシャーマンに向いてるの?手相習ったほうがいいんじゃないの?

いろいろツッコミたくなることをおさえて、サラッと2つの質問に答えました。

シャーマンは弟子のような人に「おい!今の言葉、メモをとってくれ!」と頼んでいました。

 

それから「にしけい、君のビジネスカード(名刺)はあるか?」と聞かれたので、名刺を渡したところ

「日本へ行ったときは必ず訪れる」と言い、最後に一緒に写真も撮ってと頼まれたのでツーショットで写真も撮り、お布施で渡した1000円を返して欲しいと思いながら、帰ってきました。

そして、帰りの道中ガイドさんにシャーマンから電話がかかってきて

「俺の顔はブログやSNSにアップしないでくれ、と日本人に伝えてくれ」と言われたそうで、しょうがないのでイラストにしてお伝えさせていただきました。

いろんなシャーマンがいるということはシャーマン協会会長から聞いていましたが

おそらく僕が会ったシャーマンは…てんてんてん…

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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