手相占いでは当然のように出てくる生命線や知能線といった基本線。
この名称や由来について疑っている書籍はほとんど見受けられず「どう使うか」の応用ばかりが書かれています。
確かに占いは「使ってナンボ」なのですが、一人ぐらい根本を疑う研究者がいてもいいのではないかという考えのもと研究してきました。
その中で「こういうことかも」というひとつの答えにたどり着いたものをまとめたのが陰陽エントロピー手相術です。
で、今回は個人的に大好きな「感情線」について紐解いてみます。
感情線=他者との交わり方
陰陽エントロピー手相術では指先側が陽で手首寄りが陰になります。
それゆえ感情線はもっとも「陽寄りに位置する太い線」と言えます。感情線は濃薄に個人差はあるものの「ない人」はほとんどいません。
マスカケの場合も感情線と知能線が1本に交わっている(通常の感情線の位置よりも手首側に存在する)ため、感情線が全くないという人はいないと考えていいと思います。
基本線の中でももっとも陽寄りに位置するところに存在しているため、まず感情線は「外に向ける」という要素があります。
対外的な部分、西洋占星術では太陽星座(もしくはMC)、四柱推命では月柱のような位置付けといったところでしょうか。対外的な自分、ユング心理学でいうところのペルソナの部分が表れると考えています。
外との交わりという点では情報の収集の仕方など、他者から影響の受けやすさ、感度なども出ます。人体ではもっとも外側という点でいうと皮膚、それに併せて「コミュニケーション」という点では気管支や肺が出ます。
外からの受信という点では「目」も感情線に表れます。場所によっては「交わる」ということで性器が出ます。(結婚線と呼ばれている線が指先側に出るのは、他者と交わることが関係しているからです。これについては別の機会に解説します)
それゆえ、まず「感情線とは何か?」と聞かれた場合、その人間の対外的・外交的な要素が表れると考えてくださって間違いないと思います。
感情線=反抗力
次に線の流れ方から見ます。
感情線は小指方向から親指方向に向かって細くなり、方向性としては小指側→親指側ということになります。これが非常に人間的というか、感情線を「反抗線そのもの」と称してもよいのではないかと思うぐらい「逆行する流れ」なのです。
これはまず「手の形成の仕方」から考察します。浅野八郎氏の手相学大鑑には「胎児の手ができる仕組み」を解説しています。(この本は翻訳されていろんな国で読まれており個人的には名著だと思います)
あとで読んでおきたい記事:
【おすすめ手相占い書籍紹介】浅野八郎「手相学大鑑−古今東西のしあわせの知恵」
これによると「手は親指から生えてきて、小指が最後に生える」という流れだと書いてあります。
これがもし真実なら「親指は最初の指であり古い指」であるし「小指は最後の指であり新しい指」ということになります。
つまり親指→小指という時間の流れ方で指が形成されるわけで、手の中に時間軸(クロノス時間)が存在するとしたら親指から小指に向かって流れる時間軸ということになります。
僕はこの横軸を熱力学用語の「エントロピー」という言葉を使って表現しています。
エントロピーは乱雑さを意味するのですが、この乱雑さは時間の経過と共に大きくなっていきます。
例えば「おにぎり」を作った場合、そのまま放置しておくと形が崩れ、ご飯の水分が飛び、カチカチになったコメになり、さらに放置しておくとパラパラとコメ自体が崩壊していきます。
時間と共に「乱雑に」なっていくのがエントロピーの基本概念です。
ここで感情線の話に戻します。感情線はこのエントロピー(時間)軸とは逆行する小指→親指の方向性をもっています。他の知能線や生命線は、時間軸が流れる方向と逆に向いているのですが、感情線だけは逆なのです。
時間の流れに逆らっているのです。これが「感情線=反抗線としてもいいのでは?」と考えてしまう所以なのです。バラバラになっていくものを、まとめて束ねていく。これは非常にエネルギーがかかります。
つまり感情線が長い人というのは「バラバラになるもの、自然の流れを制御したりまとめようとする力が強い人」という捉え方ができます。
また先ほど説明した陰陽のパラメータで見た際「陽寄り」ということも加味すると、感情線は「他者に働きかける力や意欲」を表すと言っていいでしょう。
木星丘の意味として「支配・リーダー・カリスマ性」といった表現をなされている書籍が見受けられ、ここに感情線が到達している場合この要素が強いと紹介されているのは、ここに通じてきます。
つまり感情線が長いと必ずしもリーダーやカリスマになるわけではなく、反抗するエネルギー、能動的に変化を起そうとする意欲が強いだけなので、人がついてこない場合も多々あります。
関連記事:長い感情線を持つ人が注意すべき5つのこと
感情線とは何か?
ということで僕なりの見解ですが…
1.他者との関わり方(発信・受信)に関するの要素(精神・肉体)を表す線
2.長さは他者を制御する、抗う意欲に比例する。
以上の観点をもって他の手相本を読んでいかれると「ああ、どれも同じこと言ってるな」と思えてくるはずです。
そして実際データを集めてみると「やっぱりそうか」という傾向が見えてくるはずです。一度お試しあれ。
にしけい