20歳のころから手相を鑑定してきた実体験をもとに導き出した「手相鑑定のやり方」をご紹介していきます。
あくまで「にしけいなり」のやり方なのでこれが正解ではないと思いますが、今後占い師を目指されている方のご参考になればと思います。
この記事を読めば手相鑑定をする上で「必要なスキル」が自ずと見えてくると思います。
カメラPCプリンタ理論
手相鑑定の一連の流れを僕は「カメラPCプリンタ理論」と名付けています。手相鑑定の一連の動作がカメラで写真を撮りそれをプリンタで印刷するという動作に非常に似ているからです。
いきなり何を言っているんだ?と思われるかもしれませんが、これさえ理解しておけば自分が占い師を目指すにあたり何が足りないか、何をすべきかが明確になると思います。
ひとりでも多くの人に「手相の楽しさ、面白さ」を知ってもらえたらなと思います。
カメラで撮影する=線を読み取る
まず、手を観ます。あなたの両眼はカメラのレンズです。情報を読み取ります。
ここでポイントになるのが「読み取る力」です。
生命線・知能線・感情線・運命線…どれを観るべきか、はたまた他の線はどうなっているのか。その1本1本はどのような状態なのか?線を読み取ります。
「この手はどういう形で、どういう線をもっている手なのか」を意識して1つでも多くの情報を読み取ってください。
この「カメラで撮影する操作」が出来ない人は、そのあとのPC内でのデータ照合や加工が出来ないので高確率で言葉に詰まります。
逆にここが出来てしまえば、PCでのデータ処理やアウトプットの部分が多少荒くても言葉に詰まることはありません。
この「読み取り」「撮影」の部分が苦手な人はとにかく最初はたくさんの手を見比べて「その手がどういう手なのか」を意識してみてください。30人〜50人ぐらいの手を比較するとわかってくるはずです。
どこを撮影するかを絞るのも効率的
また、お客さんや依頼者様から具体的に悩みや聞きたいことを伺ってから同じ作業をすることでグッと効率的になります。なぜかというとその悩みに対して具体的に「どの線を観るべきか」が絞られるので全部を観なくてもサッと判断できるようになるからです。
ただ、長年やっていると「私は知能線しか観ない」といった偏り(カメラのクセ)が出てしまうこともありますから、気をつけてください。
マクロで観て、ミクロで観て、もう一度マクロで観るような気持ちでとにかく全体の情報を詳細に集めるように観てみてください。
この「カメラで撮影する操作」は非常に感覚的です。
なので、ここばかりは本を読んでも、誰かに教わっても体得出来ません。とにかくたくさんの手を集中して眺めてください。
ポイント1:どういう手なのかを意識して細かく読み取る(感覚を磨く)
PCへ取り込みデータベースと照合=知識経験との照合
読み取った手相を脳内のPCに蓄積されているデータと照合します。
「この長い知能線は◯◯だという意味だったなぁ」「この線とこの線があるから29歳は結婚の線だ!」などなど。
撮った写真をPCに取り込んでモニタに映し出している様子をイメージしてみてください。
このときせっかく取り込んだ情報を照合するにあたり、照合できるデータが少なかったらどうなるでしょうか。
脳内PCにAとBという2つの情報しかなかった場合、鑑定結果はどんな線を観ても、どの人を占ってもAかBという回答しか出てきません。
照合する「知識」「経験」が少なすぎるため、照合して出てくる情報が非常に荒いのです。
この「脳内照合データ」を増やすために一番手っ取り早い方法は「手相の本を読む」ことです。単純にこれまで手相を研究してきた人たちの経験則データを脳内にインストールします…。
本を読む以外にも、手相教室に行ってみたり、占い師さんに実際に占ってもらって質問したり、とにかくデータベースは多い方がいいです。
柔軟で「より最適な答え」を論理的に導き出すためにはこの知識を蓄積するという作業は非常に大事です。
頭デッカチになる人が多い
しかし、ここで注意していただきたいことが「頭デッカチ」にならないことです。
最初の「カメラで撮影する」という部分を怠ってレンズがしょぼいと、せっかくたくさんの知識を詰め込んでいても何が何だかさっぱり分からないものがモニタに写り込んでしまいます。
ガラケーのカメラで撮った写真を高性能なパソコンに取り込むのと同じで、ショボいレンズで撮った写真はどう画像処理してもショボいのです。
「手相を習得します!」と意気込んで、大量に本や書籍を買い込んで読み漁ったり、たくさん教室やセミナーを受講することは悪くないのですが、頭デッカチになって結局何も出来なかったりします。
ポイント2:照合するためのデータベースを蓄積する(理論を学ぶ)
プリントアウト=アウトプット
「手相鑑定をするには」という趣旨でこの記事を書いている以上、相手に自分の鑑定を「伝えて」はじめて「鑑定」は完了します。
そうなんです、最後の「伝える」というこのステップがもっとも重要になってきます。
カメラで撮影して、PCに取り込んで処理して、それをプリントアウトする。いくら高性能なカメラで撮影して、高性能なPCで高度な画像処理を行ってもプリンタがショボいと最後にプリントアウトされる写真はショボくなります。
手相鑑定における鑑定結果を「伝える」という作業はこれまでの作業の集大成でもあり、これをひとつ間違えると相手を激怒させたり、悲しませたり、ただただ暗い気持ちにさせたりしてしまいます。
もちろんそれが「狙い通り」なら良いのですが、狙わずしてそうなってしまったのであれば完全にアウトプットの方法を間違ったと言えます。
相手の手相を観て、脳内演算の結果導き出された「イメージ」や「情報」をどのような方法で伝えるのか…これはずっと本当に頭を抱える課題だと思います。
言葉で伝えるためには「語彙」や「表現力」が必要になります。話すときの「間」や「表情」も大事になってきますし「雰囲気」も相手に伝わるひとつの情報になってしまいます。
僕はこの技術を磨くためにも喋りの学校に通ったり、海外に行ったりしています。
その甲斐あってか、自分が占った結果が相手の心に突き刺さり、相手の行動を変えることが出来たとき…ピシャーンと頭に雷が落ちたような何とも言えない快感があります。本当にこの仕事をしていてよかったな…と思える瞬間があります。
実際、カメラで撮影しなくても、PCで処理しなくても、このアウトプットが上手に出来れば
僕は極論占いなんて必要なくて、別に他の方法でも何でもいいと思います。(ただ、相手を知る手がかりを得るために「手相占い」は非常に有効です)
とにかくこのアウトプットという作業は非常に重要なポイントになります。この部分に関してはいくらロボットやコンピュータの性能がアップしても人間にしか出来ない部分だと思います。
占い師は「個」を生かせる職業
この「伝える」技術を磨くためにはいろんなジャンルの本を読んだり、映画を観たりと他者の「表現」に触れることはもちろんですが、自分の経験が非常に重要になってきます。
なぜなら、このアウトプットはもっとも占い師の「個性」が表れるからです。
その占い師さんがこれまでの人生で何をして何を考え何を大事に生きてきたかが丸裸にされる部分でもあり、だからこそ占い師さん(アドバイザー)はたくさんいてもいいと思うのです。
例えば、野球好きのお客さんにとって「野球好きで手相が占える」という占い師さんがいたら、とても気になると思います。
鑑定結果も「手相鑑定の結果、あなたの働き方はジャイアンツの高橋タイプですね」と野球選手で例えてあげるとより伝わるかもしれませんし、喜ばれるかもしれません。
より良い言葉を探すことも大事ですし、ボキャブラリーを蓄積することも非常に大事ですが、意外と占い師さんの素直な言葉の方が伝わったりします。
背伸びせず、怠けずに表現力を磨くことが肝要だと思います。
ポイント3:表現力を養うと同時に「素の自分」を生かすのも手
「カメラPCプリンタ理論」の技術を一気に磨く方法
手相占いによる鑑定の流れを3つのパートに分けてポイントをご紹介しましたが、これら全てを一気に磨く方法があります。
それはとにかく「手相鑑定をすること」です。実践あるのみです。
メールでも対面でも何でもいいです。「相手がいる」ことで飛躍的に集中します。
カメラ撮影の「感覚」も追い込まれることで研ぎ澄まされますし、獲得できる「新たなデータ」も本を読むよりも格段に増えます。相手の状況によって表現を千変万化させる必要があるため、バリエーションに富んだ表現力が身につきます。
失敗は怖いと思いますが、鑑定して失敗したときの学習効果は非常に高いのです。
失敗に勝る成功はないかもしれない
僕が手相を勉強し始めたのは20歳の学生時代でした。手相の本を1、2冊しか読まずロクに線も覚えてもいないのに大学の掲示板に「手相を鑑定します」と貼り紙をしました。
勝手に貼ったので2回ぐらい学務課の職員に剥がされましたが、結果的にたくさんの手相を観ることが出来ました。最初に買った本に書かれていたことが「全て当たらないこと」が分かったことが一番の収穫でした。
それからとにかく学園祭や路上や居酒屋などいろんなところで手相占いをしました。
たくさんハズしましたし、たくさん謝って「本当の結果」を聞いて、メモを取りました。とにかく勝負しては失敗してを繰り返してきました。
しかし、それでも手相が面白くて続けていたところ…「お仕事」として成立するようになりました。
手相占い以外でもそうですが、失敗に勝る成功はないと思います。
この記事が、手相占いで食べていきたい人のお役に立てれば幸いです。
にしけい