【手相】太陽線は”対外的なアプローチの仕方”を見抜くための線です。

太陽線という線がありまして。

手相占い業界(?)では「太陽線があればカリスマで人気者で人徳者でサイコーにハッピーなんですよー!」という太陽線信仰的な風潮があってですね。

やっぱりこういうハッピー&キャッチーな情報を鵜呑みにして占いをしていると痛い目を見ます。見てきました。この説に疑問が湧いてきて現実情報にこじつけるにも限界がくるときがあるんですね。

学生時代、歌舞伎町で酔いつぶれて路上で寝っ転がってホームレスのおじさんの手をチラっと見たときに太陽線がガッツリあって「え?カリスマで人気者?」という疑問が湧き

逆に人気者の代名詞ともいえる芸能人の手ならみんなあるのかと思い、雑誌「ザ・テレビジョン」で芸能人たちの手相をガン見したのですが、やっぱり芸能人全員にあるわけではなかったのです。

これは手相占いを勉強し始めて3ヶ月目ぐらいに気づいて、じゃあこの薬指にできる縦線は何なのか?ということをずっと考えてきたわけです。

これを読んでいるあなたも、胸に手を当てて考えてみてください。

「太陽線ってなんか当たんないな」って感じたこと人生で1回はあるはずです。

そういう違和感を「あ、当たらないこともあるか」と放置しないでください。

僕はその違和感を段ボールに入れられ捨てられた仔猫を拾い上げるがごとく、無視しないで育ててきたんですね。よーしよし、もうだいじょうぶだよー、あったかい毛布も用意したからねーと猫なで声ではぐくんできたのです。

で、僕が出した結論としては「この線は他者をどのように惹きつけるか」とか「他者へのアプローチの仕方の癖」を見る線なのではないかということなのです。

すごくざっくり言うと「他者との付き合い方・アプローチの仕方」をより細かく見ていくための線なのです。

 

太陽線ってそもそも何なの?

まず、太陽線とは何か?と聞かれて「薬指の下にある線です」と普通の手相本には書いてありますが

「薬指の下」といっても親指寄りなのか小指寄りなのか、それともど真ん中なのかで意味は同じなのかという疑問にぶち当たりました。

小指は「水星丘」という「コミュニケーションや商売の場所」と言われているのに

薬指をはさんで反対側の中指は「精神世界・哲学・内向の場所」として惑星の「土星」が当てはめられています。

同じ太陽丘という部位にあるにも関わらず、ど真ん中に綺麗に太陽線が入っている人ってけっこう少なくて、大抵の場合が小指寄りか中指寄りかに偏っているわけです。

じゃあ、中指と薬指のちょうど間に縦の線が入った場合どうなるのか?

君は太陽線なのかい?土星線なのかい?カリスマなのかい?それとも内向的なのかい?

と矛盾が生じるわけです。ここに手相の「ボーダー問題」が出てくるわけです。

 

西洋手相術が抱えるボーダー問題のパラドックス

県境、国境のように「ここを越えれば○○県」とか「ここからはカンボジア」みたいな、ボーダーというのは人間が勝手に決めたものであって、そこを1歩でも超えた瞬間環境がガラっと変わることはなく、やっぱり「地面」は続いているわけです。

手相も同じで「薬指」と「中指」の間を超えた瞬間意味がガラっと変わるってありえるのか?という疑問が発生するわけです。

西洋占星術ベースの手相術が定めた「丘理論」を使うと、このような「境界線上にある線」をどう解釈したらいいのかわからなくなってきます。

つまり、この疑問やモヤモヤを解決するためには西洋占星術ベースの手相術では限界があったのです。

で、いきついたのが中国式の掌紋学だったり、日本式の観相術なんです。

そもそも人間の手、肉体というのは既に「物体化」していて、非対称性が崩れ螺旋性(黄金長方形の渦の方向性)をもっているため

どうしても無形の「天の気」をつかさどる四元素をベースにした西洋占星術の星を当てはめようとすると歪みが生じます。

例えるとしたら、学校の体育の授業の野球にプロ野球のルールや基準を強引に導入しようとするような感じです。

ピッチャーからバッターボックスまでの距離を18メートルにすると女子の下投げでは届かないしなかなかストライクに入りません。

そんな状況で「18メートルが公式ルールだから!」と言ってずっとストライクが入らず「ボール」が出続ける体育の授業の野球なんておもしろくもなんともありません。

つまり、何が言いたいかというと西洋占星術ベースの手相術には「柔軟性」が必要なわけです。これを導入するには新しい物差し、概念が必要なわけです。

 

太陽丘の再定義

太陽丘の話にもどしますと

陰陽エントロピー手相術に書いていますが、改めて書かせていただくと

手の指先側は「陽」で、手首側が「陰」なんですね。

太陽丘は陰陽エントロピー手相術では「陽側」に位置します。

陽は、超ざっくりいうと「外界と接する時の自分」が出てきます。

この陽側の中でも中指よりも小指側、この概念で言うところの「高エントロピー側」に位置します。

小指側へ行けば行くほど「発散」の意味合いが強くなります。このあたりは本を読んでみてください。

つまり太陽丘は手の中で「外界と接する上での発散(放出)する際の癖」がわかります。

つまり、自分以外の人たちに対して自分はどの様なアプローチをするかがわかるわけです。

なのでこのエリアに縦線がクッキリと入っている場合は、それが「顕在化」しているため、ある意味その素質を周囲および自分が「認知」していることになります。

(なので出ていなくても”潜在的にはあるかもしれない”ということです)

 

太陽線であなたの「押し」と「引き」がわかる

ごめんなさいね、前置きが長くなっちゃいまして。

まず、小指の下に出る水星線と呼ばれている線ですが、これは「陽側・めっちゃ高エントロピー側」という水星丘の意味が顕在化しているよ、ということになります。

 

このエントロピー軸をまた別の言葉で言い換えると「押し」と「引き」です。

 

小指よりの太陽線

小指寄りの太陽線(上の図では3のあたり)

高エントロピー側は「押し」の要素が強いので、自分から発信したり、自分から話しかけることが上手な人にまっすぐとした水星線が表れます。自己表現・自己開示が得意というか。

悪くいえば「俺が俺が」「私が私が」になりやすかったりします。音楽で例えると宣伝費用をバンバン使って曲が売れるように仕掛けるアイドルグループや大手プロダクションのやり方と似ています。ちょっとゴリ押し感が出たりします。

ただ、やっぱりコミュ力、というかいざというときに「話しかける」ことができるし、心を開くことがうまいので環境が変化してもたくましくやっていくことができます。

 

中指寄りの太陽線

今度は反対に中指寄りにある場合です。この位置は「外に向けて発信するエリア」の中でも「引き」の要素が強いのです。(図中1のエリア)

つまり対外的には少々「受け身気味」に見えたりしますが、引き込む力が強いので「引く」がそのまま「惹く」になります。

ここに縦線がクッキリある場合は万人受けはしないものの、ごく少数の人が熱狂的なファンになります。玄人受けするというか、マニアックというか。「わかる人にはわかるよさ」があります。

音楽でいうとインディーズ演歌歌手といったところでしょうか。そんなのあるんかいって感じで全然誰も知らない歌手だけど、ライブをやると必ず5人ぐらいは全国からかけつけるようなタイプです。

「パっとしないけれど、何か気になる存在」という引きつけ方をするので、割と変な人が寄ってきやすかったりします。でも、少数だけど超熱狂的な理解者がいるのはある意味幸せなことかもしれません。

このタイプはあまり「相手のニーズ」に答えようとしなくていいです。大衆受けを狙うと途端に魅力が半減してしまいます。

なので、自分がやりたいように、ありのままの自分を発信し続けた方が、好き嫌いは分かれますが確実にファンが増えていきます。

 

薬指の正中線にある太陽線

で、一般的に「太陽線」と呼ばれる、ちょうど太陽丘の中心に伸びる縦線(図中2のエリア)は、この「押し」と「引き」のバランスがちょうどいいのです。

自分を押し売りすぎず、でも求められたら適度に応えられるし、相手とちょうどいい距離感を保てるのです。

悪くいえばどっちつかずなのですが、ジェネラリスト的なチャンネルの幅の広さをもっています。

で、これがあくまで「対人面」で表れますので、それ以外の相と複合してみると、このど真ん中太陽線はある意味「腹黒さ」を含んでいたりします。

「バランスがいい」ということはうまくやれるということでもありますが、表面上はうまくやれるもののやはりストレスが溜まる人も多いようです。

なので、太陽線があるからといって必ずしも「すごい人」かと言われるとそうでもなくて、太陽線は他者へのアプローチの仕方と、その強度を見るものです。

そして、その素質と環境がマッチしていないとやっぱり社会的成功は得られにくいのです。

芸能人でも太陽線がない人がたくさんいるところを鑑みると、人を惹きつける魅力やカリスマ性というものは環境的要因だったり後天的な要素が多いのかもしれません。あとは運です。

すごい美少年で人を惹きつける魅力があっても、彼が生まれた国や時代が戦争中だった…とか。

美醜の評価は時代や国によって変わりますし、「スターになれるか」という要因は他の要素が十二分に絡んでくると思います。

なので、薬指下にある縦線1本で「人気がある」とか「すごい人」という判断は早計なのです。

 

結論

 

メディアや手相本は、太陽線もてはやしすぎ。

確かに夢があるし、わかりやすいからキャッチーでエンタメ的・商業的にはいいんでしょうけれど

もうちょっと客観的にデータ集めていきませんか?

「当たらないこと」を「当たらない」と認めることも愛なんですよ。

 

にしけい

 

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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