ザリガニ占い配信をするにあたり、少しだけザリガニについて調べたので後学のためにまとめておきます。
ザーッと調べてまとめただけなので、追記や修正があれば、その都度更新していきます。
【逆行】後ろ向きに飛ぶことが縁起が悪い?
日本ではエビは長寿や縁起物の象徴ですが、ザリガニは世界的にややネガティブなイメージをもつ文化圏が多いようです。
その理由のひとつに「ザリガニは後ろ向きにジャンプする」というものがあるようです。
ザリガニのサインが出ているときに結婚してはならない。
結婚に対して後ろ向きになる。(ノースカロライナ州)SUPERSTITION AND EDUCATION /BYFLETCHER BASCOM DRESSLAR/BERKELEY THE UNIVERSITY PRESS
カール公が行った残虐行為や暴虐な行為についての長い説明の後に、現在進行中の簒奪は「天と星の動きと影響によって」いずれは破綻するという宣言が書かれている。この主張の根拠を、匿名の著者は「ある年鑑」で見つけた。
(中略)カール政権の終わりが近づいていることを示すもう一つの根拠を、著者は次のように見つけている。
月がかにの中にあった」ときである。これは、「すべての邪悪で背信的な計画」が「ザリガニのように逆行する」ことを意味する。ザリガニのように。
たびたびSNSなどでは「○○逆行だから悪いことが起きた!」といった投稿が見られますが、ザリガニは逆行の象徴だと考える人が多かったようです。
月とザリガニ
タロットカードの月(moon)にもザリガニが描かれていますが、これの元ネタも占星術っぽいです。
占星術で月と🦀の間に関連がたまたまあって、それに倣って水中蟹もどきを描いたみたいな感じですね。
ざっくりいうと、大昔に十二宮に順番に惑星を割り当てた奴がいて、それがめっちゃ流行ったんですけど、その時たまたま🦀に🌕が割り当てられました。 @AyabaneK さん
調べていたら出てきました。この論文にも書かれているっぽいですね…
The cultural history of crayfish
概要だけ読めたので翻訳したものをメモしておきます…。
古典ギリシア・ローマ時代、「ガン」という言葉は多くの種類の貝について使われていた。がんは、インド・ヨーロッパ語族に由来する堂々たる古語である。サンスクリット語でもギリシア語でも、中世のヨーロッパの多くの言語で使われていた「ザリガニ」と同じような二重の意味、つまり、一方では「貝」、他方では「cuirasse」または「鎧」を意味していた。おそらく動物学的な意味が本来の意味なのだろう。
しかし、なぜガンという言葉を使うのだろうか?紀元2世紀、ギリシャ・ローマ時代の医師ガレノスによってすでに説明されていることだが、乳がんは、乳房の表在静脈が腫れて赤くなり、ザリガニの棘のような模様が見えるようになる病気である。
また、ギリシャ人はザリガニを意味する「karkinos」(「carcinoma」参照)をこの病気に使っていた。さらに、ザリガニの「癌」と星座のひとつである黄道十二宮との間には、微妙なつながりがある。メソポタミア文化圏ではすでに、天空を12個のケーキで分割し、それぞれに動物にちなんだ名前をつけていた。なぜ12なのか?なぜなら、これらの文化は12進法を持っていたからであり、12ヶ月、12使徒、1日24時間があるのはそのためである。
エジプト人、ギリシャ人、ローマ人はこの考えを引き継ぎ、後のヨーロッパ人もそうした。星座のひとつは「蟹座」だったが、ローマ人は「蟹座」で多くの種類の甲殻類を意味したし、ローマ人もギリシャ人もアスタカスを珍味として天空に置くほど高く評価していなかったので、古い天空図では夏の月のひとつを支配し象徴するものとして蟹が置かれていた。
十二宮に惑星当てはめようぜブーム
↓
蟹には月じゃね?(たまたま)
↓
蟹とザリガニ似てるから、月のカードにザリガニ描いとこ
という流れのようです。
また、同論文には…
その代わりに、ザリガニは「スカベンジャー」として、古今東西、ほとんどの文化圏で否定される部類の動物として位置づけられていた。
という記述もあり、食欲旺盛で共食いもすることから腐肉食者(スカベンジャー)として扱ったようです。
宗教的にも食べることを禁止していた
ザリガニのあまりよろしくないイメージのベースは宗教観由来かもしれません。
旧約聖書のレビ記には下記の記述があり、ザリガニは食べてはいけないものとなっているようです。
9 水の中、海の中、川の中に、ひれとうろこのあるものは、すべてあなたがたは食べなければならない。
10 海にあるもの、川にあるもの、水の中を動くすべてのもの、水の中にあるすべての生き物のうち、ひれとうろこのないものは、すべてあなたがたには忌むべきものとなる:
11 あなたがたはその肉を食べてはならない。
12 水の中に、ひれもうろこもないものは、あなたがたには忌むべきものとなる。
水中に棲む、ヒレと鱗を持たない生物は不浄扱いなので、ザリガニや貝類はアウトっぽいです。
イスラム教でも食べてはいけないという見解が主流?っぽいです。エビはオッケーだけど、ザリガニはだめ。
魚介類に関しては、ウロコのある魚やエビを食べることは許されています。それ以外の海の生き物は食べられません。ザリガニは甲殻類であり、エビのように免除されていないので、食べることはできません。そして、アッラーが一番よく知っている。
調べていると「ザリガニは食べちゃだめ」みたいな迷信がちょくちょく出てくるのですが、寄生虫がいてお腹を壊してしまうことが度々あったので食べないことを推奨したのかもしれません。
ユダヤ教でもザリガニは不意打ち、共食い、怠惰といったネガティブなイメージが結び付けられているようです。
薬として服用されていた
ザリガニは寄生虫もすり潰したり、煮炊きすればオッケーだったようで、民間療法や迷信では「薬」として服用される場面が度々あったようです。
媚薬や百日咳の薬などの材料に使われていた地域や時期もあったようです。
薬草学に大きく焦点を当てた著作であるが、ある点では、占星術的に重要な瞬間に材料を集めることを強調している。
例えば、ザリガニは戌の星が昇り、太陽が戌の星に入った後に服用する。The intellectual and social declines of alchemy and astrology, circa 1650-1720
ザリガニの胃石は日本でも漢方薬として使われていたみたいですね…
183年ほど昔の1826年2月23日、シーボルトが長崎から江戸へ参府の途中の下関で蝦夷地産のザリガニの標本を手に入れました。当時、このザリガニの胃石が高価な漢方薬として売買されていたんですね。1841年にハーンによりCambaroides Japonicusと命名され世界に発表されたわけですが、これがニホンザリガニが世界に知られる初めであったのです。
ただただ悪いイメージ…というわけではなく、付き合い方が分かってくるとそれなりに良いイメージもついてきたようです…。
魔術の生贄として
ザリガニは魔術の生贄としても度々使われていたようです。
馬や人間の保水にプラバー。父と子と聖霊の名において。ヨルダン川のほとりに3人の角が銅の腸を持って立っていた。一人は結び、もう一人は解き、三人目は主に祈っていた!あなたの栄光で天と地を満たしてください!
同じように祈る。父と子と聖霊の御名によって。私は燃える野原に出て、燃える湖を見つけた。三人の姉妹がその中に座り、ザリガニの腸でいっぱいの皿を三つ持っていた。
一番上の子は結び、真ん中の子はほどき、一番下の子は神に祈っていた: 主よ、どうか父なる神の御名において、この人(人の名前)に水を通らせてください。[父と子と聖霊の御名によって、前右脚にチグリス、左後脚にフィソン、前左脚にユーフラテス、左後脚にギョンと書きなさい。地上の至る所に、父と子の名によって。それぞれを4回読みなさい。そうすれば安心する..!
ザリガニの腸を集めて、祈って、めんどくさい呪文を唱えた効用が「安心する」という、衝撃の結果…!!! (翻訳間違ってる?)
といった具合に、ザリガニたちは比較的ネガティブなイメージと扱いを受けているようですが…
ザリガニにも感情、情動がある?
可哀想な扱いを受けるザリガニたちですが、2018年の研究によると他の哺乳類の動物たちと同じように、いわゆる「気持ち」があることがわかっています。
ハエに関するGuら(2019)の研究、マルハナバチに関するPerryら(2016)の研究、そしてザリガニに関するvan Staadenら(2018)の研究は、最低限、以下のことを解明している。
情動、感情、快楽に関連する神経現象や行動現象を利用することができる。
全体として、ザリガニにおける薬物報酬感受性の知見は、哺乳類で示された同等の現象と驚くほど類似している。このように、実験的に扱いやすい無脊椎動物のモデルは、中毒性薬物に対する反応を媒介するホモおよびパラロガスのメカニズムに関する基本的な洞察を提供すると同時に、このような対照の限界を明らかにするかもしれない。
あれ?ザリガニの占いって意外とない?
ということで、ザリガニ占いをするにあたりそれっぽい論文をザーッと読み漁ったのですが、比較的身近な生き物なのですが、神聖視・神秘性を感じられなかったのか、占いとしての文献は残っていなさそうです…
民間信仰や論文や書籍になっていない情報があれば、ぜひ教えてください🙇
うちで飼育しているザリガニちゃんたちにも「気持ち」や感じ取る能力があるなら、何かしら触覚で察知して意思表示や行動が見られるかもしれません。
ザリガニ占い、引き続き研究を続けてみます…!
にしけい