【水占い】熱田神宮「世様神事(よだめししんじ)」を見てきました。

近年は「早く簡単にたくさんの情報が得られる占い」が求められがちですが、僕は最近逆に「ゆっくりめんどくさい占い」に興味が湧いております。ゆっくり答えを出す占いの中に水占いの一種でもある「水を寝かせる占い」があります。

水試し(みずだめし)・合水試(ごうのみずためし)といった名称で行われている「水を寝かせる占い」は、主にその年の農耕・干ばつなどの天候を占うために全国各地の神社で行われてきましたし、今も各地で行われています。

 

↓壺に餅とお酒と鯛を詰め込んで、1年熟成(?)させて出てきた水の量を測るパターン。

 

山口県周南市・房路大番社(水ためしの神事)

祭には神饌として小餅十二個(閏年十三個)それに酒一合と小鯛二匹を神殿に供えて祭典が行われる。祭典が終れば水ためし神事がはじまる。
境内の樫の木の下に素焼の壺が埋めてあって先ず祭の世話役である当屋の主が壺を開けて水の量を測る。測る方法として木片を壺の中に差し入れて何合あったと測定して公表する。大体六合あれば来年の稲田は干ばつにならないと言われている。測り終れば神饌を壺に入れて蓋をして神事が終わる。 (参照画像)

都濃観光協会 戻路自治会 中須をよりよくする会

 

 

↓御神水と呼ばれるお酒を作って味見して占うパターン

 

広島県三次市十日市町・鷺神社「世量り神事」

酒にまつわる奇習は各地に多いが,ここ広島県三次市の鷺(サギ)神社では,毎年正月松の内に「世量り酒」の神事が行われる。鷺神社は,銅銭の「和同開宝」を初めて鋳造した天武天皇(西暦705年)によって建立された。この祭りは,18Lのツボに造った酒を,境内の地中に埋め,一年後のお祭り時にそのツボを掘り出して神前に供え,その中の酒量等で,その年の豊凶を占う農民祭である。地元の古老の話によると,背はツボの蓋を開ける専門の陰陽師がいて,酒の表面に現われたカビの模様や清澄,濁り具合等を総合し,風水害,病虫害の発生等を予言していたという。非科学的と思われるこのような占いでも,的中率は案外高いという。

世量り酒の神事より

 

 

↓シンプルに水量の計測で占うパターン

 

愛知県熱田神宮・世様神事

境内末社の大幸田神社(おおさきだじんじゃ)の社頭で行われる農業神事です。年の初めに農作物の豊凶を占っております。

前年の一月十二日の「封水世様神事(ふうすいよだめししんじ)」で、斎甕(いみがめ)に清水を入れて封をします。その甕を、大幸田神社(おおさきだじんじゃ)のご神前に据え、神職二員により斎甕の封を解き、ご神水の減水量を計り、その年の雨量の多小、旱魃の有無を占っております。

一月十二日に行われます。この五日前、一月七日に行われた「世様神事(よだめししんじ)」でご神水の減水量を計った斎甕(いみがめ)を神楽殿(かぐらでん)に据え、毎年同量の清水を計り入れたのち甕の封をとじます。

この甕は翌年の世様神事まで、ご本殿東側の東宝殿(とうほうでん)床下に納められます。

熱田神宮ホームページより

 

 

世様神事

 

見学できるということだったので、2023年1月7日に熱田神宮で行われた「水試し」を見学してきました。

 

入場

 

新人2名・中堅1名・ベテラン1名というバランスの取れた(雰囲気の)チームで入場です。

若手2名が甕を運び入れます。

 

 

 

スーパー挨拶タイム

 

入場後、4名は神様と甕に挨拶をします。

「これから開けますよ」という雰囲気が醸成されます。

僕が新しく買ったMac bookを開けるときもたまにこういう雰囲気になります。

 

 

 

開封の儀

 

ベテランの方が見守る中、中堅の方が甕を開封します。

なんでもそうですが、蓋を開けてみないと分からないですからね。

積極的に開けていこうという心情が伝わってきます…がんばれ…!

 

 

 

丁寧な梱包 星5

 

甕は非常に丁寧な梱包がされており、開けるまでの結構手間取っていました…

これだけ丁寧な梱包なら出品者としての評価も高そうです…

 

 

 

開封!

 

甕の前で中堅さんがゴソゴソし始めてから3分ほど…ついに蓋が開きました!

ベテラン上司も少しホッとした表情を浮かべています…!

僕だったらハサミを使って紐を切って開けているところを、彼は丁寧に紐を解いていました…偉すぎる…!

 

 

 

計測タイム

 

おもむろにポケットから木の枝を取り出して水甕に入れて測量をします…

 

 

 

 

上司に報告確認タイム

 

社会人は「報・連・相」が大事ですからね…

測った水の量を上司に報告します。「うんうん」と頷く上司…。

エクセルのデータシートを上司に見せる若手営業マンたちと何ら変わらない様子がそこにはありました…。

 

 

 

蓋閉めタイム

 

丁寧な梱包に定評のある水甕を、また丁寧に梱包していきます…

儀式自体はだいたい8~9分ほどで終了しました…

 

 

本殿へ…

 

若手の男性が甕を担ぎ、本殿へ…

「来年は俺か…あとで先輩にやりかた聞いておこう…」という心の声が聞こえてきそうです…

 

 

 

特記事項

 

・甕の中の水は4リットルぐらい
・1年で2~4cmほど減っている
・水量は公開されないが、毎年記録をつけて占いに使われている
・当たりすぎることはないが、高確率で当たっているらしい

近くにいた熱田神宮好きのおじいさんの話

 

現場からの報告は以上です!

 

にしけい

 

▶︎水占い関連記事:
【水占い1】原初の占い:2種類のアプローチ方法

にしけい (西田圭一郎)

1987年富山生。工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いや相術を生業にしています。三児の父。本と旅とポケモンと文章を書くことが好きです。学生気分が抜けません。詳細はこちらから

にしけい (西田圭一郎)

1987年富山生。工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いや相術を生業にしています。三児の父。本と旅とポケモンと文章を書くことが好きです。学生気分が抜けません。詳細はこちらから

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