僕の名前は祖母が執心していたらしい四柱推命の占い師兼寿司屋のおじさんが付けた…とだけ、亡くなった祖母から聞かされているのですが、不思議なことに今は自分が名付けの相談を受ける側になっています。
【あとで読んで欲しい短い記事】祖母の自分勝手な「あきおちゃんの話」
名付けのご相談は基本的にご両親の意見を尊重するような形で進めることが多いのですが、本当に親御さんのセンスというか性格が出ます。
いわゆる「キラキラネーム」みたいなお名前って、えりあしが長いブルドックのスウェットを着てハローキティの健康サンダルを履くようなやんちゃな感じのご夫婦がつけがち…と思われているのですが、実際はちょっと違っていて。
30代後半〜40代ぐらいの落ち着いた雰囲気のご夫婦がキラキラネームを付けられることが多いです。むしろ、意外とそういった落ち着いて見える方のほうが難読な凝った名前をつけられる方が多い気がします。
「凝った名前」ということで言えば、「占い師としての活動する名前」のご相談も受けることもけっこうあります。これがみなさん凝った名前をつけられる場合が多いです。初見では何と読むのかわからず、ヤンキーの夜露死苦(よろしく)みたいなゴテゴテのパラリラパラリラした感じのお名前を希望される方も多くて、キラキラネームを付けたりパラリラパラリラした名前をつけてしまう人たちの共通点は何なのかを考えてみたとき、やっぱり「自分を特別な存在」としてアピールしたいという気持ちがあるのかなと考えています。
難読ネーミングの利点
・なんて読むんですか?などの会話が生まれる
・印象に残る
・方向性を示すことができる
・特別な人感が出せる(差別化)
難読ネーミングの難点
・読めない
・親しみが湧きにくい
・入力しにくい
難読ネーミングをつけたくなるときって「差別化」をはかりたいとか「自分を特別な存在として認識したい」というときなので、ちょっと心が弱っているときや、自信がないときにつけがちなようです。暴走族が「愚霊夢凛(ぐれむりん)」と名乗るのと、占い師さんが「鳳仙艮明(ほうせんごみょう)」といった名前をつけるのも、根本的には同じで、気合が入っているんですね。
何人かの占い師さん・占い師を目指す方からご相談頂いた際にお答えしたのですが、最初は「占い師として育ててもらう」という気持ちでやったほうがいいのかもしれませんね。どうしても「完璧に答えなきゃ」「役に立たなきゃ」と思うかもしれませんが、気合入れると結果的に長続きしにくいんですね…
— にしけい (@nishikei_) September 4, 2021
稼がなきゃ、一番にならなきゃ、売れっ子にならなきゃというのが先に来ちゃうと、純度が下がっちゃうというか、続かなくなっちゃうんですね。最初は目標とかロールモデルとか方向性とかそこまで明確にしなくてもいい気がするんですよね。気合入れてうまくいかないタイプの人もいますからね。
— にしけい (@nishikei_) September 4, 2021
「名は体をあらわす」と言いますが、その裏に隠された無意識の意図みたいなものを読み取ると人柄がわかってくるわけですね。そりゃ自分は特別な存在で、他の人とは違う、うちの子は他の子とは違う…という風に思いたい気持ちはよくわかります。でもその戦略がうまくいく人(子)もいれば、親やすい方がうまくいきやすい人もいます。
虚を求めるか、実を求めるか。
占い師で言えば、お客さんに夢を見せたいとか・別世界の自分を演出したいというのであれば難読ネーミングのほうが良いかもしれません。違う自分を演じたほうが上手くいく人も難読ネーミングのほうが合っているかもしれません。
逆に「実際性」や「親しみやすさ」を優先するのであれば、読みやすい名前のほうが良いかもしれません。「地に足がついたアドバイスをします」とプロフィール文に書かれていても名前が「浮頼人(ふらいと)」とかだと、本当に地に足がついているのか疑問に感じてしまいます。
けっこう名前で寄ってくる客層とか変わってきますし、それはお子さんの名付けでも同じことが言えます。画数や音よりも先に自分(子)が虚か実どちらを優先するか考えた方が良いかもしれませんね。名前、けっこう大事っス。
煮指頸(にしけい)