お部屋にお邪魔したとき、車に乗せてもらったときなど、「その人が作り出した空間」にお邪魔することがあります。その人が作り出した空間は、その人の人柄がよく表れます。
例えば、飲みかけの缶コーヒーや捨てられていないティッシュなどが転がっていたとしたら、それは「詰めが甘い人」ということが分かってきます。
お茶やコーヒーなどを飲みかけのまま最後まで放置しておく人は、「最後は自分で決められない」という性質がある場合が多く、重要な場面で自分大きな決断を躊躇することがよくあります。
中学生や高校生だと、「お弁当箱を出さない子」はこれに近い傾向があります。最後の最後を自分で決めきれない子が多いんですね。途中までは頑張れるんだけど、大事な試合や試験でコケてしまう…という子が多いんですね。
片付ける・最後まで飲み切るというのは「起承転結」の「結」です。詰めや結びの部分が弱いと、漏れが生まれて、何かあった時に他人に主導権を握られることになりがちです。
僕が観察している限りだと、この最後まで片付けられない人の傾向として、「強がる」「作り笑顔で誤魔化す」「大事な結論を避けようとする」という傾向があったりします。内気で弱々しい感じではなくて、意外と勝ち気というか負けず嫌いっぽい人が多いんですね。でも、最終局面では重要なところを逃してしまうんですね。
これは僕の予想なんですけど、勝ち気というか負けず嫌いな人って「完璧じゃないと意味がない」みたいな考えが根底にあると思うんですよね。最後の一歩に踏み出せないのは、その結果がわかったときに「完璧じゃなかったらどうしよう」という恐怖心が働いて、結果を見ることを先延ばしにする傾向があるのかなと考えています。
「終わらせたくない」ではなく、「終わらせられない」のは、「今のままがいい」という気持ちの表れでもあるので、飲みかけのコーヒーなどが放置されている場合は、言葉や態度は強気でも、「守り」に入っている可能性が高いですし、本当は根底には大きな不安を抱えていて、今の自分のセルフイメージを守ろうとしている場合が多いんですね。
特に「食べ物=財産」であり、「お弁当箱=財産を入れる箱」という風に捉えると、その人のお仕事の仕方やお金の使い方のようなものも見えてきます。「食べ残し」や「飲み残し」というのは、「摂取し損ねた漏れ」なので、浪費傾向もあります。
でも、まずは自分の傾向に気づくことが大事です。どんな小さなことでも「最後まで使い切る」「終わらせる」ということを意識するだけで、少しずつ変化していくはずです。
飲みかけのコーヒーを最後まで飲み切る、使ったものをきちんと片付ける、お弁当箱を洗う(洗ってくれる人に渡す)…こうした小さな行動の積み重ねが、やがて重要な場面での決断力や実行力につながっていきます。
僕を家に招いたり、車に乗せたりする場合は、いろんなところをジロジロ観察していますので、お気をつけください。笑
にしけい