にしけい ポン

「種まきフェーズ」と「簡単に高く売れる野菜だけを収穫したい」

とにかく「収穫だけしたい」という人が多いんです。もっと言うと、「簡単に高く売れる野菜だけを収穫したい」という人が多いんです。収穫のことだけ考えているんです。でも、何かを得るには「種まき」が必要です。

どの種が芽が出るかわからない、どの野菜がうまく育つかわからない、どの野菜が高く売れるかわからない。とにかくいろんな種をまいてみる必要があるんです。でも、「収穫だけしたい」という人は、ここで「高く売れる品種だけ種をまこう」とか「簡単に芽が出そうな種だけまこう」という風に選別してしまうんですね。選択肢を減らしていくんです。「打算」や「効率」というのは選択肢を減らすことにつながります。

でも、本当にうまくいかないときって、それじゃあダメなんです。選択肢を増やさなければいけないんです。どの種が芽が出るかわからないんです。選択肢を絞って、厳選している場合じゃないんです。なりふりかまわず、自分がもっている全部の種をばらまいてみる必要があるんです。やれることを全部やってみる。他にやれないことはないかを考える。

選択肢を増やすために誰かにアドバイスを求める場合と、選択肢を減らすために誰かにアドバイスを求める場合があります。発展や成長のためには前者の「選択肢を増やすためのアドバイス」を求める必要があって、正しさや正解といった特定の範囲内に制限するような、種の種類を減らしてしまうような行動って逆方向なんですね。

心が弱ると、「収穫だけしたい」という考えになってきます。「簡単に高く売れる野菜だけを収穫だけしたい」という考えに至る気持ちもわかります。そりゃ誰だって楽したいです。選択肢を絞りたいです。その種をまけば、絶対高く売れるって信じたいです。でも、それをやり続けても、収穫は減っていきます。心がボロボロになるんですね。だって、まいている種の種類が少ないから、災害があって収穫できなかったり、何らかの理由で安く取引されてしまったりしたら、何も残らないんですから。

多くの人が「収穫」に憧れます。あの人はいいな。たくさん収穫できて。誰かの収穫しているところだけ見ているんですね。でも、その人がいろんな種をまいて、いろいろ試行錯誤していたところには目を向けないんですね。いろんな種をまいてみて、あれこれ試してみてようやく芽が出たものを、大事に育てて初めて収穫できるわけです。

この種まきフェーズって、当たり前なんですけど、きついんですね。結果が出るかわからない。うまくいくかわからないからです。それで、この結果が出ない状態に耐えられなくなると、ついつい「簡単に芽が出そうなもの」「誰かがうまくいった品種」に目がいっちゃうんですね。種まきフェーズは、収穫だけを考えている人にとっては「バカなことをやっているな」「無駄なことをやっているな」という風に見えますし、「もっと器用にやればいいのに」と心の中で笑ったり、アドバイスしたくなります。

収穫フェーズに入るとたくさん人が寄ってきます。何もしなくてもゾロゾロと。どこからともなく集まってきます。でも、種まきフェーズは誰も集まってきません。むしろ、人が離れていきます。「なんだこの畑には何もないじゃないか」と。だから、本当は種まきフェーズでもそばにいてくれる人こそ大事な人なんです。どの種が芽を出すかわからない。そんな状態でも応援してくれる人。適度な距離をとって見守ってくれる人。

収穫好きな人はついつい「効率の良い」アドバイスをするんですね。でも、種まきフェーズに効率はいらないんです。正解はいらないんです。可能性を減らすからです。どれか1つでも芽が出て欲しい。ただ、一心不乱に種をまいて、水や肥料を与えて、ああでもないこうでもないと動いてみるしかないんです。そんなときに、「ここに出ている芽は育っても高く売れないからやる意味がない」と言われると、ガッカリするわけです。

種まきをしなかったら、だんだん収穫できる量は減っていきます。ジリ貧になっていきます。そこで「そうか、新しい種まきしてないからそりゃ収穫できないよな」と気づければ良いのですが、それでも種まきをしたくない人はそのうち他人の収穫物を奪うようになります。泥棒をするんですね。そりゃ簡単にうまくいったら楽ですよ。誰かの真似をしてうまくいったら苦労しないですよ。でも、土地や畑の質がそれぞれ違うんです。うまく収穫できた人と同じ種を自分の土地にまいても、同じように育つかどうかわからないわけです。だから、とりあえず自分の土地にはいろんな種類の種をまいてみるんです。

それで、この「種をまき続けて、芽が出て育つまでの過程を楽しめる人」が、最終的に一番強い気がします。芽が出ないときでも歌って踊って楽しめるような。まぁお茶でも飲んで散歩でもしようか。散歩してたらまた新しい種が拾えるかもしれない。そう考えられる人が最終的にはたくさん収穫し続けるのではないかなと思います。うまくいかないときほど、とにかくいろんな種をまいてみる。

にしけい

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西田 圭一郎

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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