何かあったはずの更地を見て、何があったか思い出せないことありませんか?
もともとドラッグストアがあった、うどん屋があった、何かがあった。だけど、思い出せない。更地になった土地に新しい建物ができる。しばらくすると、その建物の前に何があったのか思い出せなくなる。昔の写真や映像を見て、「そうそう、ここラーメン屋だったよね」と思い出す。結びついていた場所と建物のイメージはいとも簡単に変わる。忘れる。
誰かに抱いていたイメージも、商品に抱いていたイメージも、結構ちょっとしたことで変わったりする。そして、今までのイメージを忘れる。イメージの書き換えはちょっとしたきっかけでも起きる。それは自分自身に対するイメージも。本当はすんなり変わる。今までの自分ってどんな顔をしていたか、どんなことをやっていたか。セルフイメージも本当はすんなり変えることができる。最初は「今までの自分」がまだ頭のどこかに残っているかもしれないけれど、案外すぐに変わってしまう。過去の自分と今の自分の間で整合性を取ろうとする必要はなくていい。辻褄を合わせなくていい。本当は一秒一秒別人になる可能性があるはず。
そのちょっとしたきっかけ、分岐点みたいなものをどうやって作るかな気がします。
にしけい