本能的に、無意識的に「今の場所に居られない」という状態が続くと、反応が出てきます。拒否反応です。軽いものだと手が震えたり、貧乏ゆすりをしたり、重いものだと原因不明の体調不良に陥ったり、居心地が悪くなるような現象が現れてきます。そういったシグナルは、誤魔化しながらそこに居続けようとするとより強くなってきます。「なんかこの場所は違う」という感覚に素直になれれば良いのですが、「いや、自分にはここしかないはずだ」と誤魔化すと段々苦しくなってきます。その状況を続けていると体調不良以外にも「なんだかスムーズにいかない」ということが起きてきます。
僕は自分が生まれた場所(地元)や家族が合わなかったのだと思います。離れて少しうまくいくようになったのですが、次は会社や組織といったものがダメになって会社を離れました。全くうまくいかないわけではないのですが、やっぱりどこかに「ここで暮らしていくのか…」という感覚が募るのです。そういったものに素直に向き合って、常に自分に合う場所や地域はどこなんだろうと模索している最中のような気がします。
「もうこの場所を離れたほうがいいよ」「この場所はあなたがいても大丈夫ですよ」というサインはお墓や家や親戚との関係にも表れます。体調不良になる前に「あ、この家はこの人に合っていないな」ということがわかってきます。たぶん僕自身「なんかここは違うよな」というものに敏感なのだと思います。それなりにはうまくいくので全然合っていないというわけではないと思うのですが、やっぱりしっくりこない度合いが30%ぐらいだったとしても、それが蓄積されると「ここじゃない」という感覚が強くなり、それが現象に表れます。むしろ現象からそういったことに気づかされます。
社会不適合者という言葉がありますが、それに気づいたのであれば、もう場を変えたほうがいいんです。「社会」は場が違えば変わります。また、しばらくは合っていても途中で合わなくなる場合もあります。そういったシグナルが現象に現れ始めたら、なるべく早く動いたほうがいいと思います。「そう簡単には動けない」「○○の問題があるから難しい」ということもあると思います。だけど、変えることを諦めないほうがいいと思います。合わないまま続けるほうが長い目でみたら大きな損失だと思います。
僕は全国いろいろまわっていますが、最近「もしかすると僕の居場所は日本じゃないのかもしれない」とよく思うようになりました。自分にとって「しっくりくる場所」が日本国内にないのではないかと考えています。もちろん、これは僕自身が変化していることもあると思いますが、素直に「居心地の悪さ」と向き合って、いろんな土地に行ってみた結果、日本は悪くないけれど、なんか日本じゃない気がするという…状態なのです。
赤ちゃんが大きくなってくると、今まで着ていた服が小さくなってしまい着れなくなります。ザリガニが脱皮するように、「自分に合うもの」は常に変化します。夏と冬でも「最適な服」は違いますし、あなたも僕も日々は変化します。もちろん変化の度合いが少ないのであれば、急いで新しい服を探す必要はありません。しかし、あなたも僕も必ず変化が起きます。その変化に敏感に素直に向き合ったほうが全体にとってプラスになると思うのです。
「あなた」という存在が、最大限にのびのびと活動・活躍できる場が見つかるほうが、社会や世界全体にとって大きなプラスになるはずです。
仕事、会社、人、家、土地、地域、国…一人でも多くの人が「自分に合った場」に適合できれば、すごいことが起きると思います。僕は「場を作ること」や「場にとどめること」は下手ですが、場を見つけるときのお手伝いはできると思いますし、それが今の僕の生業になっている気がします。
「おかしいな」「なんでこんなことが起こるんだろう」「場違いな気がする」という出来事が起きたら、そこに理由をつけて納得しようとするのではなく、「この場所にいていいのかな」と模索したほうが建設的だと思います。
「自分はここしかだめなんだ」と自分に言い聞かせながら生きることが一番きついはずです。
あと、「自分は弱いからだ」「自分の努力が足りないからだ」という言い聞かせもきついと思います。それは「弱い」のではなく「合わない」だけなんです。相性が悪かったら合わなくなるのは当たり前です。いくらミュウツーが強いと言われていても、弱点を突かれて悪タイプの物理アタッカーとかにぶったたかれると、弱いんです。
だから、「自分が弱い」「自分がだめだ」と考える癖がある人は、「(環境や相手が)今の自分に合っていない」という言葉に変換してみてください。そのほうが圧倒的に建設的になるはずです。
もちろん、今いる場所は「次の居場所」を知るための大きなヒントにもなるので、よく分析してみてくださいね。
Have a nice place!
にしけい