自分に価値とか使命があると思いたくなったときはよく寝た方がいい

自分には何かしらの価値や使命や秀でた部分がある…と思いたくなるときは、早く寝た方がいいです。とにかく寝ましょう。寝具をふわふわにして、触り心地の良いぬいぐるみを抱っこして寝ましょう。

まず、個々に固定された価値があるというのは幻想です。

価値があるかどうかを判断するのは自分ではなくて、誰かです。それも状況によって変化しますし相対的です。

道端に落ちている石が「自分、すごい価値がありますよ!」「みんなから価値があるって言われるんです!」と主張してきたとしても、その石に価値を感じるかどうかはあなた次第ですし、状況次第です。

価値を主張しなくても、必要な人や場面に居合わせれば自然と価値を感じる人が手にとって、契約やつながりが生まれます。

「使命」というのも「自分が最大限に役に立てること」のことを指しているのだと思いますが、役に立つかどうかも相対的です。役に立つと感じる人や場面に居合わせて初めて「役に立つ」と判断されるので、これも固定的なものではありません。

広告とか営業メールで「役立つ資料をお送りします!」という文言を見ると、その時点で「え?その資料が役に立つっていう前提がおかしくない?」と思ってしまいます。役に立つと思い込んでいるのは送り主側のみであって、受け取り手が役に立つと感じるかどうかは分かりません。

単純に「実績の資料をお送りします」とか「採用事例です」と表現すれば、それは嘘ではないのですが、「役に立つものです」と押し付けられると、なんか違うよなぁとなります。

お土産とか渡すときも「これ、つまらないものですが」という定番の謙遜ワードがありますけど、あれも結構失礼ですよね。つまらないものだと思っているものを渡すのも失礼ですし、つまらないと判断してしまっているのもモノに対して失礼です。人によってはつまるものかもしれません。

ふかしたての焼き芋とか蒟蒻ゼリーだと喉に詰まるかもしれませんし、「つまらないものです」と言ってしまうと事故が起きるかもしれません。そんなくだらないことを考えるのは僕ぐらいかもしれませんが、いかんせん「つまらないもの」とか「役に立つもの」といった前置きって不要だと思うんですね。

なんか疲れてきたり、うまくいっていないと「自分は価値があるんだ」「自分は使命があるんだ」と思いたくなるのかもしれませんが、そう決めつけている時点で視野が狭くなっているわけですね。視野が狭くなっているということは、目を閉じようとしているわけですから、そのまま目を閉じて寝てください。それが一番なんです。視野が狭まってきたときはつべこべグダグダ言わず、もう寝るに限るんです。

何度も言いますが、価値や役に立つかどうかは人や場面によって決まりますから「自分は役に立つ」「あの人は価値がない」と固定してしまうのは危険なんです。全てがケースバイケースなんです。もしそういった実感を感じたいのであれば、いろんな種類の「人」や「場面」に自分を置いて試せばいいだけなんです。

99人に「役に立たない」と言われたとしても、100人目はめちゃくちゃあなたを必要とするかもしれません。女性には全然だめでも男性にはめちゃくちゃ感謝されるかもしれません。冬から春にかけてはだめでも、夏には重宝されるかもしれません。2023年はだめでも2040年の人たちには「価値あるわぁ」と評価されるかもしれません。

今日までは「役に立つね」と言われていたものも、明日には「ごみだな」というものもあります。価値と評価は常に変化します。だから、そういったものを求めてしまっているときは、単純に元気がないときなので、寝た方がいいです。それで元気が出たら「いろんな場」を試していきましょう。視野を狭めて限定すればするほど価値を感じてくれる人に出会える確率は減っちゃいますからね。

あなたが毎日食べてる・選んでいる・買っているものを提供している人にいちいち「この商品価値があります!」と言わないのと同じで、価値があるかどうかって言葉ではなく「事実」で決まるはずなんですね。「価値がある」と言ってもらえるのはおそらくかなりラッキーなことですし、それを言ってもらえないからといってあなたに価値を感じていない人ばかりかというと、そうではありません。

なので、簡単にテキトーな言葉で「自分に価値がある」と思い込もうとするのってあんまり意味がないんですね。しかも甘い言葉や優しい言葉って一時的なので、砂糖みたいなもので、依存しちゃうんですね。それを求めるために少ないエネルギーを使うなら寝た方いいです。

そりゃあ、褒められたり、認められたら、嬉しいですけどね。それが目的になっちゃうのは危険かもねってお話です。同じ溺れるなら誰かの言葉よりも、ふかふかのベッドと深い眠りに溺れましょう。

にしけい

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書いている

西田 圭一郎

1987年富山市生まれ。工学修士。
商社の開発営業職を辞めて、占いや相術を生業にしています。本と旅とポケモンと文章を書くことが好きです。黒も好きです。どの国に行ってもスチューデント扱いされます。

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