嫉妬や羨望をやめる方法

「○○ちゃんのおうちはハムスターとウサギを飼っているんだって、いいなあ」

「じゃあ○○ちゃんのおうちの子になればいいじゃん」

このような言葉は子供だけではなく何歳になっても出てしまう人は出てしまうようです。

 

「△△ちゃんは成績優秀なのに、あなたはなんでできないの」

「○○大学は女子がいっぱいいるのに、うちの大学は…」

「A社は残業なしで、有給も使えるのにうちの会社は…」

「隣町だと△△が施行されているのに、この町はまだ全然目処も立っていない…」

「欧米では福利厚生が○○なのに、日本はまだ△△だ」

 

方向性やスケールは違えど、基本的に他者や他のグループを羨むという行為には変わりありません。

この「羨む」という行為は、基本的に何かと何かの「比較」によって生まれます。

「嫉妬」も同じように「比較」から生まれます。

 

「なんであいつだけ社長に可愛がってもらえるんだ」

「あの人は生まれつき顔が可愛いからズルい」

「私のほうが彼のことを愛しているのに、彼は振り向いてくれない」

「あいつは自由で楽なことばっかりやってそうでいいよな」

「あの芸能人はズルいことをしてのし上がったんだ」

 

「羨望」や「嫉妬」は他者との比較によって生じるわけですが、このとき「何」と「何」を比較しているかというと「部分」と「部分」を比較しています。

「全体的にズルい」と言いながらも、実際は特定の部分に着目して比較しているはずです。

例えば「ヨーロッパに比べて日本は教育制度が遅れている」と発言する際もかなり情報を切り取って部分的にしないと比較できません。

「良し悪し」を論じるには軸を定める必要があり、そのためには「部分的」に情報を切り取り編集する必要があります。比較している時点で「部分」に切り取られているのです。

そしてこの「切り取る情報」の多くは「自分にとって都合のいい部分」である場合が多いです。

何でもそうですが「良いと感じる部分」もあれば「悪いと感じる部分」もあります。良いことばかりではありません。

楽しそうにしているあの人も、業績を伸ばしているように見えるあの会社も、そこには「見えない部分」があります。見えないところですごく苦労しているかもしれませんし、総合的に比較すると今の自分の立場のほうが全然楽かもしれません。

では、なぜわざわざ「自分にとっての都合の良い他者の一部分」を切り取り、それを持ち出して自分と比較して「嫉妬」や「羨望」といった行為をするのでしょうか。それはおそらく自己存在正当性を得るためだと思います。自分を可哀想な存在、不足した存在として認識・周知させることで、簡単に「自分は悪いことをしていない」という主張が出来ます。もっというと「自分はこんなに頑張っているのに不当な環境にいる」というような自己正当性を主張できます。

現状を変えず、特に労力もかけず、自分の立場の正当性を主張できる上に、場合によっては賛同や共感も得られます。自分に注目を集めたり、同情してもらうためには非常にコスパがいいんですね。

嫉妬や羨望のために切り出された部分に執着していれば、特に努力する必要もなく、自分は何も変わる必要がないので非常に楽なんですね。「部分」にとらわれることを意図的に選択しているんですね。どんな人にも見えない部分があります。全部は見えません。嫉妬や羨望による比較自体「妄想」に近いんですね。

嫉妬や羨望を続けていてもいいのですが、それは「比較対象の一部分」という宇宙全体の中でも究極的に小さな部分にとらわれて生き続けることになります。他人の時間を生きることになります。それを続けていることで自分の現状が変わるなら良いかもしれませんが、多くは変わりません。

そう考えると羨望や嫉妬といった状態を続けている時間はもったいないと思いませんか?

いいなと思う部分を「模倣」することは大事です。しかし、模倣と執着は違います。羨望も嫉妬も執着を生みますが模倣自体はそれらを生みません。ミジンコが口をパクパクさせて外部からより小さな微生物を取り入れるように淡々と行われます。

羨望や嫉妬が起きやすい人は「部分」ではなく「全体」を見るように意識すると、変わるはずです。そもそもあまりにも忙しかったり、ハードな状況だと他人を羨む時間も嫉妬する余裕もなくなるので、暇なのかもしれません。

 

にしけい

 

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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