先生!「立場」からの逃亡を図っていましたが、逃げきれませんでした!

正直、ここ半年ぐらい「立場」というものを憎んでいたと思いますし、避けようとしていたと思います。「立場」なんかあるから対立が起こるし、いがみ合いが起きる。立場がなくなれば、世界が平和になるんじゃないか。本気でそう考えていたんですね。なので、自分が何者であるかとかどういう立場かということを主張することを恥ずかしいことだと思っていました。「自分は何者でもありません」と本気で思っていましたし、そうあろうとしました。とにかく「立場」というものが無くなればいいと思っていました。なので、だんだんと世捨て人というか浮世離れという方向性を目指していたんです。

とにかく僕は「立場」というものから逃げようとしていましたし、心の底から消えて欲しいと考えていました。「立場」という張り紙がしてある骨の形をしているおもちゃを口に咥えて、頭をブルブルと振り激昂する犬のように、他の人たちが無視するような「立場」というものをすごく嫌っていたと思います。立場を憎み、立場を避けようとする…裏を返せば、それぐらい「立場」というものに興味があったのだと思います。

たぶん「立場というものに縛られたくない」という気持ちが強かったのだと思います。しかし、意識すればするほどそれに縛られていくのは当然のことです。もしかすると「立場」というものに縛られて苦しんでいる人によく遭遇していたのかもしれません。それと当時に「立場があって羨ましいな」と思っていたのかもしれません。それが「立場を曖昧にする」「立場から逃げる」という考えにつながったのかもしれません。

しかし、地球上に存在している以上「立場」というものからは逃げられません。

自然界を生きるミツバチも「女王蜂」と「働きバチ」という立場があります。樹木が2本あったら、どちらか一方は「より東」で、もう一方は「より西」にあります。

存在しているだけで「立場」があるのです。寝ていても、座っていても、走り出しても、「立っている場」つまり「立場」があるのです。立場からの逃避行、鬼ごっこをしていても、逃げられなかったのです。悔しいね。立場から逃げるには死ぬしかないんですよ。生きている以上立場があるんですよ。何かが定まってしまうんです。地べたに大の字に寝そべり涙を流し悔しがるランナーのように、もう走れません。

それで、立場から逃げられないなら、もう向き合うしかないんですよ。ミツバチでさえ立場から逃げずに花の蜜を集めて日々懸命に生きている。僕は親から見たら子どもだし、子どもから見たら父親だし、妻から見たら夫だし、あなたから見たら「ブログ記事を書いている人」です。これを固定されるのが嫌だったし、固定するのも嫌だったんです。だから逃げていた。

けど、立場って相対的なんです。定まっているようで定まっていない。だから別に逃げなくても良かった。

立場を無理やり定めるのではなく、「分かる」という状態が大事なのです。

ポケモン対戦をしていても、ポケモンの役割や型が曖昧だとすごくやりにくいんですね。立場が曖昧だと何もできずにやられてしまいます。役割が決まっているほうが圧倒的に戦いやすい。社会の歯車の1つでいいんです。全体で勝てばいいんです。それなのに、僕はそこに抵抗しようとしていたのだと思います。全然溶け込めていなかったんですね。立場や役割を決められたくなかった。こだわっていたんですね。こだわりメガネをつけてたんです。

立場があるから対立も起きるけれど、立場があるからスムーズに生きられる部分もある。それを明らかにしておくことで、全体がより円滑に進むなら、それに越したことはないのに。立場の嫌なところばかりに目がいっていました。ある程度、立場を明確にしたほうがやりやすいんですね。何者なのかを明らかにしないで曖昧にしておくことを良いことだと思っていたんです。

今思うと「社会の歯車にはなりたくない!」と叫び散らすただの厨二病すぎて恥ずかしいのですが、ミツバチですら何も疑わず当たり前にやっていることを、ようやく出来るようになってきたのです。35年かけてようやくミツバチに追いついたのです。

でも、特定の立場に固定されることで苦しい思いをしている人もいることも事実です。だから、そういう人に「その立場、一度捨ててもいいのでは?」とお伝えするのはありだと思います。結局のところ自分の思い込みなんですけど、なかなか自分でって気づきにくいですからね。僕も半年ぐらいかかりました。草むらでボーッと寝転がってミツバチたちが飛ぶ様子を観察して良かったです。

歯車の歯がふにゃふにゃだったのですが、ちょっとカチッと何かをハマるように、固めてもいいかも。

「社会の歯車」を「社会のパズルピース」「社会の鍵」「社会の鍵盤」とか言い換えたら、もうちょっと自分の重要性を感じられるかも…。

君が「ド」という音を出すから、この音楽が完成するんだよ…って言われたら、ちょっと「おっ////」ってなりそ。笑

 

実は女子なのかもしれない にしけい

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書いている

西田 圭一郎

1987年富山市生まれ。工学修士。 商社の開発営業職を辞めて、占いや相術を生業にしています。本と旅とポケモンと文章を書くことが好きです。黒も好きです。どの国に行ってもスチューデント扱いされます。詳しくはこちらから。

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