中日劇場「南の島に雪が降る」
ひょんなことから招待券を頂いて、観に行ってきました。
先週は六本木歌舞伎地球投五郎宇宙荒事を観て、今週またもや中日劇場に。
前回の六本木歌舞伎と同じ中日劇場を、違う内容の演劇が使ったらどう変わるんだろうか。
「1つしか知らぬは、1つをも知らぬ」という新渡戸稲造の言葉が胸にヒュッと横切る。よし、観に行こうと、チケットを握りしめる。
「南の島に雪が降る」
内容は正直、全く知らなかった。予習していかなかった。知らない方が素直な気持ちで見られるかなと思って、本当にスッと劇場へ。どうやら戦争モノらしい…。
全体的に内容は、ちょっと真面目な印象。
ざっくり、あらすじを説明すると
太平洋戦争でニューギニアを攻略しようと、オランダ・イギリス・アメリカ連合軍と戦っていた日本軍は、現地の熱帯気候やマラリアをはじめとした伝染病や飢餓に苦戦していた。
そんな過酷な戦況で、日本軍を活気付けようと元々役者だった加東大介が指揮を執り演劇慰問部隊を結成し、現地で舞台を立て様々な公演をするという話。実話らしいです。詳しくはwikiで。
序盤から「いい声してるな~」と耳を引く人が1人いたけど、後で調べてみたらスクールウォーズで大木役を演じていた松村雄基さんでした。
中3の頃、受験勉強そっちのけで再放送のスクールウォーズをずっと見ていたので、すごい印象に残っています。いやー、ちゃんと調べていけばよかった。
場面の変わり目で、暗転して、出演者の方々とスタッフの方々が舞台を動かすときに「よいしょ~!」とか「うぇい!」みたいな掛け声をかけているのが印象的だった。
暗闇で何かがゴソゴソと動いて、男たちが蠢く雰囲気が、勇ましくて、どこか悲しげで良かった。舞台の場面の切替って工夫次第ではロスではなく、雰囲気を盛り立てる材料になり得るなって思いました。
女形を演じ上司に気に入られて激戦地に連れていかれた前川っていう兵隊が、なんかかわいそうだった。気に入られなければ連れて行かれなかったかもしれないのに…。人に好かれるのもあの時代は冷や冷やしたんだろうなあ。
映画「少年H」に出てきた”オトコお姉ちゃん”を思い出した。オトコお姉ちゃんは女形旅芸人で、戦時中に出兵命令が出され、戦地へ行く前に脱走兵となり、最終的に自殺したという話だった。(記憶がうろ覚えですが…)
僕も肉体労働が苦手で、ヒトとしゃべったり本を読んだりしている方が好きな、いわゆる草食系なので、戦争に行けと言われたら彼らと同じようなポジションで、環境に堪えられなくなって逃げ出しそうです…。
劇を観た後に「ニューギニアの戦い」についていろいろ調べてみたけど、率直な感想としては「本当にやる必要があった戦いなのか?」ということ。
そもそも戦争自体やる必要があるか疑問だけど、現地住民を巻き込んでただただ傷つけ合うって、本当に何のためにやっているんだろうなあ。何か他に方法は思いつかなかったのかなあ。
少し話がソレちゃいましたが、どんな形であれこうして戦争の悲惨さ・無意味さを伝えるモノが残っていって欲しいですね。