先日、とある地方都市へ出張へ行った時のことです。
家を見させていただいたのですが、間取りが何かおかしいんですね。あんまり普通の建て方じゃなくて、ちょっと独特だったんです。
その家では、40~50代の男性が膵臓や肝臓やガンを患って亡くなっていました。かなり現象がはっきりと出ていました。その家の周辺を地図で眺めていたんですが、同じような傾向の家の間取りが多いんですね。
「このあたりって、同じようなこと(男性が比較的早死にすること)が起きてます?」
「はい。お隣の家も、そのお隣の家も起きてます。この土地を離れた人は長生きしてますけど」
「なるほど。このあたり一帯は昔、何があったんですか?」
「このあたりは昔、大きな炭鉱がありました」と、地図に指で円を描きながら答えてくれました。
「あー…なるほど」
「炭鉱町があった場所は住んじゃだめなんですか?もう閉じてますけど?」
というやりとりがありました。
風水や家相は神秘的なものと思われるかもしれませんが、科学的な視点を持ち合わせている部分もあって、科学的に見て危ないことを経験則的に気づいて占いの法則として組み込んでいるパターンもあります。
炭鉱はメタンガスや二酸化炭素など有毒な硫化水素などが長期間にわたって地表に漏れ出すことがありますし、気づかないうちに健康被害をもたらすことがあります。地下水の汚染や地盤沈下の恐れもあって、長期的に住み続けるには適した環境ではないんですね。それは炭鉱が閉じたあとも出てくる可能性が高いですし、遺伝するケースもあります。
家相は明治から昭和初期にかけて科学的なメスが入りましたし、建築学や環境学の視点から家相や風水を再考するという研究者も増えてきて、「現代家相」と称して本も書かれています。
炭鉱、港町、工場、病院などがあった場所で、特定の傾向が出る場合は「土地そのもの」が強く影響していたりします。なので、住む前にその地域に住む人たちにどんな傾向があるかを知っておくだけでも、占い云々はさておき回避できることもあります。
いきなり神秘的でふわふわした世界に思考をめぐらせるのではなく、まずは高い確率で起きそうなことを詰めて、それでも予測できないところを占いに頼る…というスタンスが健全なのではないかなと考えています(もちろん神秘的なところも魅力的ではあるんですけど)。
にしけい