「わかったつもり」でいいの?周易を実践の占術として使いこなすために

占い(易)に関するご質問を頂いたので、お答えしていきます。

 

鑑定士(占い)をしています。易の手法の1つに周易がありますが、お客様のイエスかノーのご質問に答えることが出来ない事、読み取りが複雑で私自身がわからなく曖昧な答えを出してしまう事に落ち込みます。どうしたらよいでしょうか?

 

真面目に占いのお仕事に向き合われている方だからこそ出てくるめちゃくちゃ良い質問です。背筋が伸びる思いです。僕も易を始めたころ周易(易経)の理解が浅く、実践で使いこなすことができず、「周易って全然実践向きじゃない😭」と考えていた時期がありました。

しかし、今では普通に実践で頼りになる占術のひとつですし、よく使っています。もちろん2択の質問やイエスかノーかのご質問にも周易を使えるようになりました。

当時の僕と今の僕は何が違うのかを自分なりに分析してみたところ、2つの違いがあると考えています。

 

1.お客様(質問者)の話をきちんと聞いて背景を理解できていない
2.六十四卦の意味をきちんと理解できていない

 

特に2です。六十四卦の意味を何度も何度も理解しようと試みると、毎回大きな発見があります。理解を深めた上で過去の鑑定結果を再度分析すると、「これってそういうことだったのか…」と合点と発見があります。

例えば、「雷沢帰妹」という卦について易を勉強し始めたころは「結婚して出戻ってくる女性の物語」ぐらいの認識でしたが、この状態で占ってみると無理やりこじつけるか、意味がわからずどう答えればいいのかわからない状態が続きました。

しかし、雷沢帰妹は古代中国の「親しい士族同士間の政略的結婚観が背景にある」という事実を知った上で、「限定された特定範囲の中でぐるぐる回っている状態」という意味として理解できたときに、一気に実践の場で使える卦へと昇華したのです。

どうしても卦辞や爻辞の理解が不十分で、自分の中で腹落ち出来ていないと、実践で使えません。易経や周易の解説本は無数にありますが、正直「本当に実践で使うことを想定して構成されている本」はほとんどありません。易の大家とされる方の本でも、「本当にこれで実践ができていたのだろうか?」と疑ってしまう内容のものがたくさんあります。

僕のような若輩者がこのようなことを書くと、「先人たちに失礼だ!生意気だ!」とお怒りになる方もいらっしゃるかもしれませんが、では逆に質問します。その大家とされる方々の本や理論を読んで本当に卦辞や爻辞について理解できましたか?実際に占ってみてスムーズに占えましたか?胸を張ってそれに「イエス」と答えることが出来ますか?

質問者の方もそうだと思いますが、僕も最初はそういった「大家とされる方々の本」を読んで周易を勉強してきましたし、それを実践に落とし込もうと試みたわけです。しかし、それらでは不十分で不完全だったのです。だからこうして悩んでいろいろ試行錯誤しているわけです。多くの人たちが「わかったつもり」「使いこなせているつもり」になってごまかしたり、スルーしている中で、こうして質問をしてくださった方に敬意を表します。

ということで、最初の質問にお答えするとしたら、周易の卦辞や爻辞を誰かに簡単に説明できるぐらいまで理解を深めること…が遠回りのようで近道だと思います。

道のりはまだまだ遠いかもしれませんが、こうして一緒に周易や易経を探求してくださる方がいる限り、僕も学び続けることができます。お互いに切磋琢磨しながら、実践で本当に使える占術を磨いていきましょう。真摯な姿勢は必ず実を結びます。焦らず、一卦一卦丁寧に向き合っていっていきましょう。心より応援しています。

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山生まれ。19歳から手相占いを独学で始める。化学系工学修士。商社での開発営業職を経て占いを生業に独立。専門分野は手相・易・気学・家相・風水・墓相など。著書50冊以上、世界15カ国での実占経験。三児の父。

感謝の気持ちを込めて全国47都道府県で無料鑑定会を行います。ささやかながらお店や施設の宣伝もさせていただきます。

よくご質問をいただくので、手相占いの記事・書籍・講座などについてまとめました。

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