科学雑誌Newtonから気になるトピックをピックアップしてご紹介します。
今回はこれ!
Newton 電子書籍版「なぜ宇宙は人間に都合が良いのか?」
奇跡の星☆地球
そもそも人間が生まれる前に、地球が生まれていること自体が奇跡なのです。
あなたの体にも存在している「水」ですが、これが存在できるのは太陽系でも地球と火星のみ。
それ以外は太陽と近すぎたり、遠すぎたりで「水」が存在できません。
水があってはじめて微生物が誕生し、様々な生命体が生まれました。
このように宇宙の中の「生命居住可能領域」をハビタブルゾーン(Habitable Zone)と呼びます。
基本的には「水」があればハビタブルゾーンと言えます。
太陽系のハビタブルゾーンにうまく入れたことがまず奇跡中の奇跡なわけです。
冬場に温泉なんかに浸かると「あ”あ”~」なんていう言葉にならない言葉が出ますが、あの瞬間すごいハビタブルを感じますよね。
お母さんのお腹の中もうまくハビタブル設計されていますから、なんだか自分が生まれてきたというだけでミラクルを感じざるをえません。
「一生、あなたのハビタブル・ゾーンになります!」
誰かプロポーズで使っていいっすよ。
地球の大きさもちょうどよかった
誰かのプロポーズ成功確率を大幅にアップさせたところで、次は地球の大きさについてです。
重力は大きさに比例します。
もし、地球は今のサイズの半分だった場合、重力が弱くなり地球上に水が存在していられなくなります。
すごいです。大きさまで「ちょうどいい」なんて。
なんか準備良すぎじゃありませんか。ちょっと誰かの策略めいたものを感じます。
ちなみに「質量」は「動きにくさ」の度合いです。
この動きにくさを作っているのが「ヒッグス粒子」です。聞いたことがある方も多いんじゃないでしょうか。
ヒッグス粒子がある物質に寄ってたかることで、寄ってたかられた物質は動きにくくなります。
つまり「質量が大きい人」はヒッグス粒子にモテる人というわけです。
「痩せればモテる」と言ってダイエットに励む人は、人間にモテないだけで粒子には既にモテモテだったわけです。ヒッグスハーレム学園なのです。
何十億年も水を引き寄せてやまない地球さんのカリスマ性、ハンパないっス!
炭素が生まれている奇跡
水の次に奇跡的な存在「炭素」
あなたの体も僕の体も、地球上の生物のほとんどが炭素で出来ています。
しかし、この炭素が生まれたのも奇跡と言えます。
炭素は2個の陽子と中性子をもつヘリウムが同時に3つ衝突し合体することで出来上がります。
物理学者の須藤靖博士が言うには
「人混みの中を歩いていて、3人同時にぶつかることがほとんどないのと同じように3個のヘリウム原子核が衝突する確率は非常に低いのです」
と、炭素が存在することの不思議さを説明しています。
天文学者・物理学者のフレッド・ホイルが見つけた「炭素同士の共鳴反応」をもとに発見された
「トリプルアルファ反応」が起き、絶妙な力加減でヘリウムの原子核同士を結びつけているため炭素が存在できる。これがとてつもなく奇跡なのです。
これはすごく自己主張の強いワガママな男3人が街で衝突しケンカをはじめてしまったのに
3人がすごく仲良くなってしまうというBL小説でも新しいパターンの方の現象です。
廊景谷シイチさんには是非「トリプルアルファ反応」をモチーフにしたタチヘリウムとネコヘリウムの核融合系BL小説を書いて欲しいものです。
なぜ宇宙に人間が存在しているのか?
私たちの宇宙は現に人間が存在する宇宙なのだから
人間が存在するのに都合の良い偶然や幸運があるのは当然である
「人間原理派」の主張
人間が存在する理由。
それは人間が生まれるために都合の良い環境があったから。
これを人間原理と呼んでいます。
人間が存在するために最適化されすぎているこの宇宙空間には
「我々以外に人間はいない」というのが人間原理肯定派の主張です。
少し哲学的ですが、宇宙を観測していった結果たどり着いた答えなので、非常に科学的です。
といっても、科学もコペルニクス的に主説がガラっと180度変わることもありますから何とも言えません。そして、何とも言えないからおもしろいのです。
それにしても
この人間原理が正しいとすれば…
人間が生まれてきたのは「めっっちゃ準備してくれた」人がいることになります。
あなたを生み出し生存させるために、誰か(何か)たちがすごい長い時間ととてつもないエネルギーをかけてるわけだから
ちょっとでも楽しく生きた方が、彼らの苦労が報われるのかもしれませんね。
にしけい
より詳しく知りたい人は読んでみてね。