今回ご紹介する「ちょっと変わった手相本」は
佐藤六龍著、ばん・やすき絵「絵入総合手相術」です。
佐藤六龍氏は、四柱推命・易・奇門遁甲・紫微斗数など本なども出版されており、中国五術の大家とも呼ばれております。
玉掌流手相術
佐藤六龍氏が伝える「玉掌流手相術」は非常に独特で、中国式の掌紋学と西洋手相術のリンクを図ろうとしている点が見られます。
例えば、手型の6タイプ分類は手の型を五行に当てはめたり、生命線=乙奇線、知能線=丙奇線、感情線=丁奇線と完全に中国式に呼びかえたり、丘の分類法が西洋手相術とは微妙に異なっております。
知能線を「財利」、運命線を「苦労」と捉えるあたりも、従来の西洋手相術とは表現が大きく異なっており、見慣れない聞き慣れない人にとっては新鮮に映るかもしれません。
玉掌流手相術では「左右どちらを見るか」について明確に言及しており、その見極め方として「乱れが少ない方(標準状態に近い方)を優先する」と述べております。
手相は「傾向」と「配向」による組み合わせだという主張もしており、感覚と数理的処理を内包していることを記述している本もあります。これは非常に同意できます。
また、西洋手相術における土星丘と太陽丘が正反対の意味をもつにも関わらず隣接して存在している点にも着眼しており「土星丘と太陽丘の間はどのような意味をもつのか西洋手相術では説明できない」と厳しい指摘もしております。
挿絵がいちいちシュール
本書はそんな佐藤六龍氏のコアな手相術を少しでも分かりやすくコミカルに表現しようとしたのか、ばんやすきという方が描いた挿絵がちょくちょく出てきます。
西洋手相術ベースに説明がされており、掌紋学を学ぶ上での入門書としては良かったのかもしれません。
まず、本を開くと付録が付いてきます。
付録として別枠が設けられている手相本は、僕が知る限り西谷泰人氏の流年手相術の袋とじぐらいかなと思います。
この手相本の面白いところはとにかく挿絵がシュールなところです。
この挿絵は僕が現在使っている名刺のデザインに通じるものがあります。
この本に出会う前に名刺デザインを思いついたので、決してパクりではありませんが、発想は近いものがあったようです。
こんな感じで、さりげなくも大胆に「手」が出てくる挿絵がとてもシュールで素敵です。
これは太陽線を説明しているところです。「人を照らす」という意味で電灯とかけたのかもしれません。
知能線が短い人を説明する文章の挿絵です。こんなインテリアがあったら欲しいなぁ…
極め付けはこれです。
貴婦人が優雅な佇まいで手を荷車のようなものに乗せて運んでいます。
「困難」やネガティブな意味をもつ特殊相の説明部分の挿絵です。
僕が将来「手相テーマパーク」ならぬ「手ー魔パーク」を作ったら
この手を運ぶ貴婦人ロボット1000台が来場者を追いかけまわすアトラクションを作り、島や障害線の意味を体験的に教えられたらなと思います。
まさに、手足重繭なテーマパークになりそうですね。
いくつかグッズ化したいぐらい素敵なイラストが多い「絵入総合手相術」を見つけた方は是非手にとって読んでみてください。
にしけい