占いは思考を停止させるためのツールである

 

究理占術研究家のにしけいです。

占いって何のためにあるのでしょうか。

占いには「言い訳・理由を作り出す」という機能があります。

言い訳は何のためにするか。なぜ理由を作り出す必要があるのか。

それは「思考を停止させるため」です。

 

占い・宗教…もしかすると教育や常識なんかも思考停止ツールです。

「思考停止なんて失礼な!」とご立腹なさるかもしれません。

 

しかし、冒頭にも述べたように僕は究理占術研究家です。占いが大好きです。

好きだからこそ占いというものをきちんと捉えたいのです。

 

占いは何のために生まれたのか

 

たとえば飛行機事故で家族の一人が死んだ場合、

事故調査委員会によって事故の原因が特定されたとしても、それだけでは納得できない。

たしかに、エンジンが止まってしまえば、物理的に機体は墜落し、乗客の死も科学的には説明される。

しかし、遺族はなおも考えるだろう。

世界中で、一日に飛んでいる飛行機はとてつもない数に上る。

一便早いか遅いかでこんな悲劇は起きなかった。

その日に飛行機に乗ることになった理由も、少し何か違えば、なかったかもしれないー

(中略)

それらに対して、科学は無力である。

宗教を信じている人たちは、そういうときも納得できるかもしれない。

(占いにはまる女性と若者/板橋作美)

 

人生は偶然の連続で。

僕らが生まれた確率は宝くじに当たる確率よりもうんとうんと偶然に近いのだけれど

ちょっとした偶然にはすぐに心が揺らいでしまう。

 

自分の想像を超えた、カテゴライズできない事象を「偶然」として処理しようとする。

偶然は根も葉もない。突然ポンと現れるように見える。

誰もいない体育館の真ん中に突然バスケットボールが落ちてくるような、奇妙さがある。

そんな想像を超えた「奇妙な存在」を放置しておくと、恐怖や不思議さで頭がおかしくなってしまう。

突然降って湧いた体育館のバスケットボールのことばかり考えて、夜も眠れなくなってしまう。

受け入れられない、受け入れたくない想像を超える「偶然」の出来事たち。

足の無い人間、根のないチューリップ、彼らに「根拠」を与えることで納得することができる。

 

納得できれば、それ以上考えなくていい。

だから、占いや宗教は思考を停止させるツールなのです。

占いは数学や科学と同じで「効率よく生きるために」生み出されたテクニックなのです。

 

思考停止ツールを停止させるな

 

「思考停止」は時には役に立つかもしれない。

でも、ぬくぬくの居心地のいいコタツと同じで、人間を自堕落なものへと変えてしまう危険性も孕んでいる。

 

あなたは三碧木星だから持続力がない。

彼女は丙丑五黄土星だから出世する。

アイツはB型だから自己中心的なんだ。

 

使い古されて手垢がついた言葉たちは「常識」という名の最高の思考停止ツールに変化しつつある。

 

僕が好きな手相でも同じような「思考停止ルール」が結構ある。

この場合、思考停止しているのは「占う側」だったりする。

 

・左手は先天的、右手は後天的

・結婚線が上の方にあれば晩婚

・生命線と知能線の付け根が離れていれば空気が読めない

 

右手が後天的要素なら生まれた瞬間の赤ん坊は右手はツルツルなはずだし、先天的なら左手の手相は全く変化しないはず。

結婚線の位置に関してはどうして未だに信じられているのかよくわからない。

「KY線」という言葉は真剣に手相を研究する身としては公害でしかない。

 

「アドバイス」というものは

想像力がより豊かな者から与えられて初めて成立します。

 

お米を食べたらどうなるか想像できるから、初めてお米を食べる赤子の口へ離乳食を運ぶことができます。

つまり、アドバイスをする側は常に「想像力」を養うために、思考を停止させていてはいけないのです。

いくら占いが「思考を停止させる」という機能があるからといって、それ自体を停止させていては退歩しかありません。

 

むしろ「思考停止ツール」であるからこそ、より先へ先へと想像しなくてはいけないのです。

 

常識に捉われていると、それ以上想像することができなくなります。

想像できなくなると創造ができなくなります。

創造できなくなると「納得できる理由」を創ることができません。

音も立てず突然現れる「偶然」に対応するためには既存の設計図では通用しないことの方が多いはずです。

通用しないから「偶然」とされるわけですから。

 

好きだからこそ疑う

 

中学の頃、モーニング娘のブロマイドカードが流行ってて、僕の机に中澤裕子さんの同じカードが何枚も突っ込まれていたときがありました。

みんな自分が好きなメンバーのカードを集めるのです。

そしてその中でも「レアカード」と呼ばれるものがあります。

誰も手に入れていない自分だけの、とっておきの、好きなあの子を独り占めできる1枚。

それを求めてカードを買い漁るのです。

 

僕は誰も知らない「占いのテクニック」を知りたい。占いの意外な一面を見たい。

そのためには使い古されたテクニックを疑わないとダメなのです。

中澤さんの同じカードを100枚集めても、レアカードにはなり得ないのです。

 

三十路を過ぎた今となっては中澤さんの良さが、しみじみと分かりますけどね。

中澤さんのカードで溢れかえった机を見て失望していたあの頃の僕はまだまだ想像力が乏しかったようですね。

 

にしけい

 

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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