『財』を高める方法は『ないものねだり』をやめて『編集力』を鍛えることかも

少し前にこのような記事を書きました。

東洋系占術に出てくる「財」とは何なのか?
https://nishikei.jp/ekisen/51436/

この記事を読んでくださった方から、「財(前提活用)を高めるにはどうしたらいいのか?」というご質問をいただいたので、もう少し書いてみます。

まず、「財」と対極にある状態が「ないものねだり」「足りないものを求める」という状態です。これが一番「財」と対極にある状態です。与えられた条件を嘆くのではなく、それを素材として何かを創り出す行為が「財」だからです。

また、「財は直接的にお金にはならない」という風にも書きましたが、これは本当にその通りで、冷蔵庫にある限られた資源を使って美味しいものを作ったとしても、それがお金に変わることはありません。今もっている道具やツールをうまく駆使したり、今ある自分の資質を踏まえた上で新しいものを創出したとしても、お金に直接つながるとは限りません。

つまり、「財」は結果ではなく「プロセス」に重点を置いている行為とも言えます。なので、この何かの「道中(プロセス)」を楽しめる人は基本的に「財」が強いと言えますし、プロセスではなく結果や足りないものばかり求めてしまう状態は「財」が弱いと言えます。

少し前から読み始めた松岡正剛さんの『知の編集工学』には、「ラグビーは編集だ」「家事は編集だ」「遊びは編集だ」といった、「編集」の普遍性について語られています。

同書で語られている「編集」は、「断片化された情報や体験を自分のフィルターを通して再構成し、新たな文脈と意味を生成・創造する行為」と考えると、「編集」は「財」そのものと言えます。

同書では「遊びから編集が学べる」と書かれていますが、「財」が強い人も「遊び上手な人」と言えます。遊びは既存のルールや要素を自由に組み合わせて新しい楽しみを作り出すことであり、予期しない展開に楽しみを見出すことでもあります。

また、遊びはコミュニケーションとしての側面もあります。試合や対人ゲームでは、他者との関係性や反応を考えながら進める必要があり、相手やチームメイトがどのような人物なのか、どのような動きをするのか…などの前提を踏まえて対応していく必要があります。

そう考えると、僕にとっての「占い」はかなり「財」の材料であり、占いを通して「編集」作業をしていると言えます。既存のルールや法則を踏まえて新しい占いを作り出すことも僕にとっては遊びですし、観察や反応から得られた情報をもとにその人物の背景や性質を脳内で再構築し、その人が知らないその人物の情報を創造する行為は「編集」そのものだと言えます。

僕は「財」は究極のサバイバル能力だと考えています。今あるリソースを活用して新たな機能や価値を創生することは、何かを発明することにもつながりますし、楽しみを生み出すことにもつながります。無人島に送り込まれたときに「ないものねだり」をしている人は肉体的にも精神的にもすぐにダメになってしまいます。「財」はそのような環境でも生き残る術であり、植物の生存戦略法で言えば、雑草と同じ「攪乱依存戦略(R戦略)」と言えます。

どんなときでも「今あるものの可能性を最大化する」と考え、それを楽しむことができれば、「財」は強くなっていくと思いますし、そのためにはまず「自分がもっているもの」に目を向ける必要があります。もっていないものを追いかけるのも悪くないですけど、長く続かない場合が多いですし、あんまり楽しくないのでやめたほうがいいと思います。

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。著書は50冊以上。三児の父。詳しくはこちらから。

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