【占い】特別な奥義や秘儀があると思ってるの?大事なことは『基礎』です。

東洋系をメインにこれまでに数多くの本を読んできました。二束三文で売られているもの、1冊数十万円するもの、店主が薦めるもの、専門家が薦めるもの。逆に薦められないもの、評判や評価が悪いもの、全く聞いたことのない著者名のもの。いろいろ読んできました。本にはその著者が「大事だと思うもの」を書いていることが多く、師匠や先生から聞いた講義をそのままメモのように書き殴った書物もけっこうあります。読みにくいところもありますが、そのときの「残しておきたい」という気持ちがよく伝わってくる本を手に取ると、感慨深いものを感じることもあります。

それだけ「残したい」と強く願われる本は自然と本の値段が上がります。特定の流派や思想において弟子が何千人、何万人といたであろう人物の本などはやはり非常に高値で取引されていたり、なかなか手に入らないこともあります。正直、運です。

僕も何人か「この人はすごいな」と思う占いの先輩がいますが、著書や流通量がほとんどありません。占い業界は本当に独特で実力があればあるほど無名になっていきます。ある一線を越えると一切表に出てきません。芸能やスポーツや科学技術などの現場では優秀な成績や功績を残した人は「著名」になり「残っている情報が多い」ことが一般的です。しかし、占い業界は逆なのです。表に出ている人が大したことがないと言っているわけではなく、ある一線を超えると情報や存在が表に出てこなくなるのです。なので、どうしても占い師として著名・有名になることにあまり意味がないと思ってしまいます。

僕が「この人の本もっと読みたい…でもどこにも流通していない…」という人物は、占い師としてかなり力があるのだと思いますが、それでも情報がギリギリ残っている時点で一線を超えたかどうかはなんともいえない人物となります。それでもやはり「読みたいと思わせる人物」はその域に近い人が多いのも事実です。そういった人物たちが書いた本を開くと、とことん基本的な部分を追求しています。どうしてもそれだけすごい人たちのことですから「秘儀」「奥義」「すごい術」があるのではないかと期待、錯覚してしまう方が多いと思います。しかし、結局のところ「本当に基礎的なこと」を書いている本がほとんどです。極端なことを言うと、Amazonで買えるような1500円の入門本に書いてある内容と一緒だったりするものもあります。

結局ですね、答えや材料はもうオープンになっているんですね。五行や循環といった基礎的な概念はちょっと検索すればすぐに出てきます。しかし、その「基礎」をいかに忠実に叩き込み「いかに活用するか」を貪欲に追い求めるかなんですね。でも、入門段階では「何か特別なことをやっている」ように見えるんですね。「不思議な知識がある」とか「この人しか知らない奥義がある」と思い込んでいる人が多いんですね。でも、違います。やっぱり基礎なんです。基礎をいかに理解して、自分なりにゲシュタルトさせたり、アナロジーさせたり、哲学するかなんです。高額な本であればあるほど「基礎的なこと」を書いてあることが多いのはそれを物語っているのではないかと思います。「見せたくない」「隠したい」「秘密にしたい」という気持ちもあるかもしれません。しかし、それを導き出すためにはやっぱり基礎的な概念をどれだけ理解するかなんです。

 

結局、実践、現場

 

「占いをできるようになるにはどの講座を受けたらいいですか?」という質問をよく頂きますが、正直講座を受けなくてもいいとお答えしています。とりあえず現場に出て「困ったらきてください」というスタンスです。最初から手取り足取り教えてもらいたいというスタンスだと一生かかっても何も得られないと思います。それは占い以外もです。

何度も言うように「知識」や「情報」としては「やっぱり基礎的なこと」が大事なんです。基礎的なことってめちゃくちゃシンプルなので、逆にごちゃごちゃそれっぽい理論を並べる本って大したことないんですね。そういう理論や論争みたいなことをやりたい人はそういう本を読んだり、Twitterとかで議論すればいいかもしれませんけど、正直占いを上達する上では全く意味がないんですね。先述したように「基礎的なこと」を理解、哲学、アナロジー、ゲシュタルトする上で一番役に立つのは「実践」なんですね。現場に出ると、カチカチの基礎を引き伸ばしたり、丸めたり、ふくらましたり、いろいろあれやこれやする必要性が出てくるんです。場合によっては「そのままの基礎」を出すことが正解だったりすることもあります。「買ってきたままのネギ」を出すことが正解で、レシピとかアレンジって何だったんだと思うこともあります。

とにかく、やればやるほどシンプルになっていきますし、基礎の重要性を理解するようになりますし、「細かい部分」はどうでもよくなってきます。「大事なことはなんですか?」と聞かれると、抽象的で基礎的なことが大事ですとしか言いようがないんですね。で、それを伝えると「はぁ、そんなもんなんですか」とがっかりする人や「何か隠してますよね?」と疑う人もいるんですけど、ひとつひとつやっていくしかない…という感想です。

でも、何かちょっとでも始めて、感覚を掴み始めている人にとっては、いろいろお伝えできるものが多いと思います。というか「言葉」が通じるので、お伝えできる言葉が増えてきて、曖昧なものを確定させ、それを土台に次の発想を生み出せるお手伝いはできると思います。基礎のありがたみ、凄さを改めて伝えたい記事でした。

いってきます!

にしけい

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書いている

西田 圭一郎

1987年富山市生まれ。工学修士。
商社の開発営業職を辞めて、占いや相術を生業にしています。本と旅とポケモンと文章を書くことが好きです。黒も好きです。どの国に行ってもスチューデント扱いされます。

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