【甲羅から顔を出す勇気】「対話」のおかげで得られるものがたくさんある

難しいことや微妙なニュアンスを簡単に説明することは、すごく難しいことです。何かひとつのことを突き詰めていくと、油断するとカメが甲羅のなかに引っ込むように閉じていきます。甲羅の中にこもって、黙々と思案することも大事なのですが、だんだん独りよがりになっていくんですね。

独りよがりになると、自分しかわからない暗号のようなものを使い始めます。はい。僕のことです。ただ、ブログは自分が書きたいことを思いっきり書く場にしていますが、実際に誰かと話すときは相手に伝わるように話すようにしています。自分が考えていること。自分がやっていること。よりわかりやすく伝えるにはどうしたらよいか。

誰もわからないような専門用語を使って、相手をまくし立てるように一方的にしゃべり続ける占い師の方もいるのですが、そういう姿をみると、甲羅の中にいるよなぁ…閉じているなぁ…と感じて、自分の反省材料にしています。

やっぱり「初めての人と会う」という経験はすごく大事だと思います。僕はお酒が少し飲める体質なので、飲みに出かけたりしますが、そういった場で初対面の人に会っていろいろ話をする機会はすごく大事だと思います。

あとは子どもたちの存在も結構大きいです。子どもたちに何かを伝えるときも、なるべく具体的でイメージしやすいように考えて伝える必要があります。子どもは素直なので、話がつまらないとすぐに興味のない態度を示してくれるので、ありがたいです。

こうして考えると、「相手」の存在はすごく大きいと思います。「相手」が具体化したほうが伝えやすいです。その相手が普段どのようなことを考えて、どのようなことを見ているのか。相手がみている「世界」の中にある言葉を使ったり、具体的なイメージを使ったりできるほうが、より伝えやすくなります。

誰かと対話することで、誰かとの間に「中心」が生まれます。点と点のあいだに発生する直線の中点は、点が2つそろって初めて発生します。中心は「核心」とも言えます。この中心や核心をとらえるためには、相手と自分の立ち位置がどのようなところにあるのかを考える必要があります。

立ち位置を考えるということは、自分と相手の「距離感」を測ることでもあります。物理的な距離ではなく、心の距離、理解の距離、関心の距離。相手がどこにいて、自分がどこにいるのか。その間にある空間を意識することで、どんな橋を架ければいいのかが見えてきます。

時々、相手との距離を測り間違えることもあります。相手が基礎的なことを知りたがっているのに、いきなり応用編の話をしてしまったり。逆に、相手がもう十分理解しているのに、延々と基本的な説明を続けてしまったり。そんなときは大抵、相手の表情や反応を見れば気づけるのですが、一人で文章を書いているときは、そのフィードバックがありません。

僕は手相占いを始めたとき、ミクシィというネット空間上で知り合った人に文章で手相占いをしていました。しかし、対面で相手のリアクションが見えるようになってからのほうが格段にうまくなりましたし、たくさんのデータを集めることができるようになりました。

先日書いた紀貫之の家がボロボロになっていた記事でも書いていますが…

【紀貫之ハウスを見たかった】五年で千年が過ぎたかのような家が生まれる閉鎖系のメカニズム
https://nishikei.jp/kigaku/51439/

外の世界と自分の世界を遮断した「閉鎖系」という状態になると、その内部で乱雑さ(エントロピー)が高まってカオスになっていきます。亀の甲羅にこもって黙々と考える時間も大事ですが、外の世界とのつながりや流出入がほどほどにあったほうが健全に持続できると思います。近年、日本では独居老人や孤独死が増えている…というニュースを耳にしますが、やはりこれも「閉鎖系」を作ってしまったがゆえに起きていることだと思います。

「相手」を意識することは、自分自身の成長や発展にもつながりますし、自分自身を助けることにもつながるのかもしれません。

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。著書は50冊以上。三児の父。詳しくはこちらから。

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