意外と少ない!「小さく始められる人」ほど成長スピードが早い説

 

小さく始めなければならない。

大がかりな万能薬的取り組みはうまくいかない。

P・F・ドラッガー/「ネクスト・ソサエティ」より

 

コツコツとやることを美徳としてきたはずの日本人なのですが

意外と「小さく始めること」ができない人が多いです。

 

赤ん坊の脳と頭がまだ比較的小さく柔軟な、早い段階で出産した女性のほうが、無事に生き長らえてさらに子供を産む率が高かった。

(中略)

他の動物と比べて人間は、生命の維持に必要なシステムの多くが未発達な、未熟な段階で生まれる。

ホモ・サピエンス全史

 

僕らは未熟なままこの世に生を受けます。歩くこともできなければ、自分で食事をすることもできません。ただ泣くことしかできない小さくて弱い存在です。

それが大人になるにつれてそんな「最初は小さかった」ということを忘れてしまうのでしょうか。

「最初から優れたもの」を求めてしまう人が意外と多いです。

その結果、理想のみが高くなり途中で挫折してしまうか、あるいは全く行動せずに終わってしまう場合があります。

前者の場合は「行動した」という結果はある程度残りますが、短期間すぎてその要素がうまくいくのかいかないのかすら判断できない場合があります。

後者の「全く行動しない」のは得るモノはゼロです。考えただけでは「検証」できないからです。実験結果が得られない研究と同じで妄想と試薬(時間)の無駄遣いを生むだけなのです。

 

跨ぐものは行かず

(大またで歩くものは遠くまで歩き続けられない)

易の言葉

 

 

最初からうまくいく=低イノベーション

 

イノベーションを成功するためには、小さくスタートしなければならない。

大がかりであってはならない。

具体的なことだけに絞らなければならない。

P・F・ドラッガー

 

「最初からうまくいく」というものは、おそらく新規性が弱いです。先述したように「最初から優れているもの」はほとんどありません。

「最初からうまくいくもの」というものは「最初ではない」可能性が高いです。

世間一般でも「古いもの」もしくは、自分の中でも「既知のもの」である可能性が高いです。

何度も言いますが、最初からうまくいくほうがおかしいです。

そして何よりもおかしなものは「失敗しないようにやること」です。それは挑戦の放棄を意味します。

そもそも「失敗」というものはなくて、見方によっては全て成功です。一番の失敗は「何もしないこと」です。

 

僕も手相教室を3年前に始めたころは、「友だち2人に教えること」からスタートしました。1回4000円でスタートしたこの手相教室ですが…。

1回目の授業が終わったあと妻から「あの内容で4000円も取るの?」というキツいダメ出しを受けましたが、回を重ねるごとに教科書の内容もブラッシュアップされ、あれよあれよと東京と大阪でも開催するようになりました。

最初から「東京でやるぞ!」と意気込んでいたら、おそらく続いていなかったと思います。とにかく自分の半径1メートルぐらいの身近なことから始めてみることが大事です。

次は海外で手相教室をやろうと画策中です。過去に行ったあの国々で現地のお友達を作ってきたので、その人たちづてにやろうと考えています。これもまずは「小さく」スタートする予定です。

あとは暗黒魔界図書館に向けても動いていきます。

 

夢は大きく、行動は小さく具体的に

実は僕の中で何かを始めようと思ったとき「1万円・1週間ルール」というものがありまして。

1万円・1週間ルール

・初動のためには1万円しか使えない

・初動のために考える時間(タイムリミット)は1週間

 

例えば、「社会人バトミントン部」を始めたかったとします。

「初動のためには1万円までしか使えない」わけですから

「バトミントンをしたいから東京ドーム貸し切ってやるぞ!東京ドームを借りるには○百万円かかる!だめだ!バトミントン部やめよう!」という考えには至らないはずですから

1万円以内でおさまる、小さな市営の体育館やちょっとした広場を確保します。

場所を確保したら次は「バトミントン部」を成立させるための「人」を集めなくてはなりません。このときもまず自分の身近なところから声をかけます。

身近な人たちでは集まらなかった場合、FBやSNSといった無料のツールで告知をかけます。

この「場所をおさえる」「告知をする」という二つがバトミントン部成立のための最低限の「初動」です。

この最低限の初動を行うにあたり、1週間以上かかる人はその分野に関して「やる気がない」「興味がない」ということですから、次の新しいものを見つけて動いてください。

(おそらく1日あればできるはずですけどね)

このルールは自分の行動を促す狙いもあるのですが、「1万円以内」と設定することで初動に何をすべきか具体性をもたせるという狙いもあります。

いかに「生みやすく」するか。これがポイントです。

 

とにかく始めてみること

 

行動できない人は、頭でっかちで「いい子ちゃん」でいようとする傾向があります。

「失敗」に慣れないと、成功はありません。

「うんこ・チンチン」だけで爆笑できる小学生の男の子たちのように「もっとバカでいいのにな〜」と思うことがよくあります。

タカオの好奇心に富んだ、少し茶色みがかった瞳がまっすぐ僕の両目をとらえた。

僕にはすぐに分かった。タカオが言おうとしていることを。タカオのアイコンタクトに僕も頷いた。

「やってみるか…」

二人の学童の間には、何の疑念もなかった。自分たちがこれからとる行動が「一般的かどうか」を推し量るにはあまりにも知識が欠乏していた。

廊景谷シイチ/既婚アラサー♂が男色に味をしめたわけだが

 

とにかく小さく始めること。

最初から最高に優れたものを目指さないこと。

それが最高に優れたものを生み出すための第一歩になるのではないでしょうか。

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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