盆栽好きな方々におすすめされていた、大宮にある「さいたま市大宮盆栽美術館」に行ってきました。
さいたま市大宮盆栽美術館
https://www.bonsai-art-museum.jp/
樹齢10年ほどの黒松を1鉢しかもっていないスーパーにわか盆栽ファンですが、とりあえず入ってみます!

入場料は大人300円!こんなに安くていいの?
室内に展示してある盆栽は撮影NGだったのですが、6軒の盆栽園の貴重な鉢と解説が展示されていました。
警備員のおじさんが、警備員のコスプレをしたただの盆栽好きのおじさんで、いろいろ盆栽について解説してくれました。床の間での盆栽の飾り方は墓相に通じるものがあり、決められた枠の中での余白が重要だと改めて思いました。

室内展示のクライマックスには樹齢450年を誇る「日暮し」が展示されており、入場料300円は安すぎると思いました。
「日暮し」は日が暮れるほど、ずっと眺めていられる…という意味でその名がつけられているそうですが、次のスケジュールも迫っていたので、泣く泣く10分ほど眺めて次の展示に行きました😭
樹齢100~300年の鉢がゴロゴロと…
外にもたくさんの鉢が展示してあり、そのほとんどが樹齢100年以上でした。

庭園の中をまわっていると樹齢200年を越す鉢もたくさん展示されており、感覚がおかしくなって樹齢100年でも「けっこう若いな」という感じになってしまうぐらい素晴らしい鉢ばかりでした。
個人的にはこの樹齢300年の五葉松「双鶴」がお気に入りでした…

これ、中心で半分に裂けているのですが、それでもひとつに鉢におさまって、なおかつ今も力強く生き生きと葉を生い茂らせている…という、幾重もの矛盾を抱えながらも存在しているような鉢で、ついつい何度も見直してしまいました。
盆栽を何も知らない状態だったら「ほぉーなんかすごいんだね〜」ぐらいで終わりだったかもしれませんが、少しかじった状態でみると、到底真似出来ないことを思い知らされるというか、歳月や継承の重みのようなものを感じることが出来ました。実際に自分がやってみて初めてわかる「すごさ」ってありますよね。
真柏の実物を初めてみたのですが、真柏がこんなにかっこいいとは…

この白骨化した部分(シャリ)の迫力と躍動感…樹齢が800年って頭がおかしくなりそうな凄さです。800年前に存在していた一個体が今もこうして鉢に入って、この状態で生きているってもうほぼ奇跡じゃないですか?
このひとつの鉢に何十人、何百人もの人たちが関わるドラマがあるわけですよね…重すぎる…
海外の方もチラホラ
平日にお邪魔しましたが、この日は半分ぐらいが海外の方が来ていました。日本人の若者の盆栽人口は減っており、素晴らしい作品が海外へ流出しているという話も耳にしています。
日本に歴史ある貴重な盆栽が残らないことは悲しいことですが、価値が分かる方の手に渡ることで、その鉢が生き残る確率が上がるのであれば、それはそれで良いのかもしれません。
そう考えると、ここにある作品たちはめちゃくちゃ運がいいと言えますし、それをこうして手軽に眺められることは非常に贅沢な時間だなぁと素直に思いました。
にしけい




