【岡崎市 大樹園】盆栽教室に行ってきました!

 

【注意】

まず、盆栽教室に行ったと言いながらも、僕はどの鉢がいいか選んだだけです。

剪定や手入れは大樹園の鈴木さんに全て行って頂きました。僕は鈴木さんが作業をする横でいろいろ質問したり、あれこれ聞いて「ふむふむ」とやっていただけなので、すみません、「教室」といっても僕は手を動かしていません。

 

 

また、僕は盆栽については本当に何も知らない素人の赤ちゃんの卵の幼虫なので、今回の記事を盆栽の巧者の方々が読まれると不快に思われる点があるかもしれません🙇

自分なりの視点で見て、捉えて、考えたことを書いていきます。

 

 

良いところを探す

 

まず、盆栽の鉢植えや剪定を行うときに、どういう方針で行うのかを質問してみました。

 

「まず、その樹の良いところ、かっこいいところを探していきます

 

…なるほど。

その樹がどの角度から見たら一番かっこよく見えるのか。その樹の長所を探す。そして、それが「前」に来るように定める。

「前」という概念は我々生物が「動く」ということを始めたときに生まれています。「前」というのはとても大事な概念で、例えば、家や建物でも「向き」は「前」があるから決まります。まずはその樹が一番かっこ良く見える「面」を鉢を動かしたり回転させながら探していきます。

こればかりは、その樹がもつ先天的な部分が大きく関与します。根っこの部分はなかなか変えられないわけです。固定された性質です。人間も生まれた時にたまたまもっていた性質や才能があります。その人間の骨格(ベース)となるようなものがあって、それは樹も同じです。

その樹の良いところを探すために鉢をクルクル回転させてああでもないこうでもないと吟味したように、その人の持ち味を見つける際も多角的に観察する必要があります。

自分の良いところを探すには、いろんな角度から自分を見る必要があるわけですが、様々な場に自分を置いてみて初めて多角的に見られるようになります。

 

こちらの面がかっこよさそう…

 

反対側から見ると印象が全然違う…

 

 

この「鉢クルクル多角的観察フェーズ」をサボると、良さが見えてきません。あなたが「自分はダメだな」「自分はクソだな」と思っているときの多くが「ひとつの面のみから自分を見ているとき」です。

この「前」と「面」を決めるのは「方向性」を決めることにつながります。その樹をどういう方向性で育てていくのか。盆栽も人間や建物と同じように「前」を決めることが大事なようです。

 

全体を見ていく

 

「どこを剪定するかを決めるには、全体を見てその方向性に沿わないものを消去法で切っていくような感じかな」

これは相術の講座などでも口酸っぱく言っていますが、盆栽もまず「全体」を見ていくようです。

占いでも、どうしても最初は「部分」を見たくなるんです。なぜかというと「部分」を見た方が情報量が少ないですし、分かりやすくて、楽だからです。

でも、それをやっていると最初のうちは「それっぽく」うまくいくんですけど、最終的にはうまくいかなくなるんです。手相も家相も易も何でもそうですが「引き」で見ないとだめなんですね。

 

剪定後に切り口にクリームを塗る…

 

「分かろうとする(分けようとする)」と、視界が狭くなるわけです。ミクロになっていくのです。

しかし、それはただただナイフで対象を細かく切り刻んでいるだけで、不自然で非日常的な姿を観察することになり、余計に何なのか分からなくなってきます。ハイデガーの言葉を借りるなら、意図的に分化を行おうとする行為は「非本来性」が強くなります。

「分かる」ためには、視野を広くする必要があり、マクロで「引き」に見ていく必要があります。「分かる」と「分かろうとする」というのは全然真逆の行為で、「理解される」と「理解して欲しい」も同じように対極の関係になります。

 

無意識な最適化

 

「どの芽を切って、どの芽を残すのか」

おそらくこれは、盆栽だけではなくありとあらゆる人間にとって普遍的なテーマだと思います。私たちは日々選択しながら生きています。無数にある可能性(芽)の中から、あなたは「今の自分」になるように日々剪定してきたわけです。

そして、それは意識的ではなく、無意識的にしているはずですし、今もこの瞬間も淡々と取捨選択は行われています。あなたも自分という樹の芽や枝の剪定を行っているわけです。

あなたも僕もおそらく無意識のうちに「最適化」を行っているはずです。そして、その最適化という作業は「全体を見てその方向性に沿わないものを消去法で切っていく」ということなのだと思います。

「どの位置にある芽を切ったのか」が分かれば、逆説的に自分の全体の方向性が見えてきます。「あなたが捨てたもの」でさえもあなたを作り出す要因になっているわけです。

自分がどこに向かっているかを考えるときに「ゴミ」を観察するのもおもしろいかもしれません。

 

 

 

微調整で「良さ」を際立たせる

 

「大まかなその樹の方向性は変えられないけれど、枝を曲げたり、剪定することで”見え方”が変わります」

これは人間でいうと、「後天的な要素」だったり「努力」だったりします。

全体の方向性に沿うように微調整を行う。

こういった「微調整」って、あくまで「微」なんですよね。努力を否定するわけではないのですが、やはり「全体の方向性」に沿わない努力は結果につながりません。

「頑張る」というのは不自然で、どちらかと言えば「頑張れるもの」を探す方が「全体の方向性」に沿っている可能性が高いです。

 

剪定後…剪定前と全然違う…

 

「針金を使って枝の向きを変えるのってどれぐらいで定着するんですか?」

「これぐらいの小さな枝でも1年半〜2年ぐらいかかりますかね」

「盆栽では樹齢50年以下の鉢は赤ちゃんみたいなものですね」

 

これは占いをやっていても感じることなのですが、本気で流れを変えるにはやっぱり時間やエネルギーを使います。素直な人なら比較的すぐに形は変わりますが、やはり固くなってくるとなかなか「微調整」すら出来ません。それでも盆栽と同じように「年単位」で状況改善に取り組む必要がある場合がほとんどです。

「これをやったらすぐに最高の状態になる」という思い込みパワーを使う術もあるのですが、やっぱりそれは一時的なものなので、やっぱり「ゆがみ」が出てきますし、どこかで無理が出てきます。それっぽくは見えるんですけどね。このあたりは墓相や地相に通じるものがあります。

 

 

どう見ても沼

 

本当にほんの少し盆栽についてふれただけですが、完全にやり込み要素が無限にある「沼」ですね、これは。

人間以上に寿命がありますし、世代や時代を超えて人々に楽しまれる作品もあるでしょうし、盆栽は時空間超越タイプの沼ですよね…危険すぎる…危険すぎるけれど、気になる…

 

 

とりあえず、今回剪定していただいた黒松を枯らさないように毎日水やりを頑張りたいと思います。

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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