占い師の開業と確定申告に関する質問会まとめ

先日開催されました「占い師の開業と納税についてのオンラインお茶会」の内容をもとにまとめていきます。

(お茶会ご協力・監修 東條尚司 税理士)

 

Q.開業届を出すメリットは何でしょうか?

Q. どのタイミングで開業届を出せば良いのでしょうか?

Q.おすすめの会計ソフトはありますか?

Q. どこまで経費にしていいのか、勘定項目などがわかりません。

Q. 夫の扶養をはずれるとどうなるのでしょうか?

気持ち的な面から考えると…

 

Q.開業届を出すメリットは何でしょうか?

 

A. まず、「開業届」と「確定申告」は切り離して考えた方がわかりやすいかもしれません。

1年のあいだに利益が20万円を超える場合は、確定申告をする必要があります。

例えばメルカリで年間の利益が20万円を超えるとか、占いのイベントで年間20万円以上の利益が出る場合も「確定申告」が必要です。

確定申告が必要であるにもかかわらずそれを怠っている場合で、それが発覚した場合は、無申告加算税、延滞税が課されることになります。少なくとも通常支払う税金よりは多く支払うこととなります。

なので、まず何かしら利益を得たら「納めるべき税金が発生する」と思ってください。

 

この確定申告の際に「雑所得」として申告するのか、「事業所得」として申告するのかの違いがあります。

【雑所得】

ピンポイントで短期的に入ってくる所得。

雑所得として申請した場合は、青色申告などの控除が受けられないため、税制面でのメリットはありません。申告が簡単ということがメリットでしょうか。

【事業所得】

「開業届」を出すことで初めて「事業所得」として扱われます。

事業所得は青色申告などの控除があり、税制面でのメリットがあります。

なので「開業届のメリット」は税制面での控除や、近年だとコロナ関係の補助金・給付金をもらえるメリットがあります。

 

一言で言うと「ちゃんとしてる人にはそれなりにメリットがあるけど、なぁなぁにしてる人には何も助けないよ」という感じです。

 


 

Q. どのタイミングで開業届を出せばよいのでしょうか?

 

A. 開業届や青色申告は「今は」占いをして収入は得ていない人にもメリットが出てきます。

・副業で占い師をされている方
・今は趣味で占いで勉強しているけれどいずれ職業にしたい方
・夫の扶養に入っているけれど占い師として活動されている方
・本業は別にあるけれど、占いの本や趣味にかける費用が多い方

こういった方は「開業届+青色申告」で税制面の恩恵が得られる可能性があります。

例えば、今は占いの書籍や講座を受けてどちらかというと「出費が多い」という方も、赤字(経費)を3年分繰越せるので、3年後にもし占い師として活躍し始めた際に納める税金が少なくなります。

「今はその気がないけど、勉強はしているし、もっと学びたい」という人ほど、本当は開業届を出して青色申告をしておけばメリットは大きくなる可能性が高いです。

僕からすると「学ぶこと」が「節税」にもつながるので、ラッキーなことしかないと思っています。笑

開業届を出しておけば、知識や経験は増えるし、自分で使えるお金も増えるわけですから、申告する手間を天秤にかけても断然メリットのほうが大きいです。

青色申告も最近は便利な会計ソフトやアプリが出てきていますから、そこまで手間に感じることはないと思います。

 


 

Q.おすすめの会計ソフトはありますか?

 

A.どれでもいいけれど…

マニアックすぎるものは検索すると出てくる情報が少ないので微妙かもしれません。

簿記の資格をもっていたり会計知識があるなら弥生会計がおすすめ。

ネットの売上と連動させたいならfreeeやマネーフォワードがおすすめ。

 


 

Q. どこまで経費にしていいのか、勘定項目などがわかりません。

 

まず「経費」の定義は…

ビジネスをやっていく上で発生する費用、やっていなかったら発生しなかった費用

です。

 

なので「売上を上げるために必要」だということが証明できれば「これはダメだ!」というものはありません。

例えば、先日「餅で未来を占います」という会を行いましたが、仕事のために餅が必要だったのであれば、餅も立派な経費になります。

もちろん餅を買ったレシートや領収書の裏にきちんと「餅占い用」といったメモを残したり、その証拠を残しておくことが大事が大事です。

とにかく突っ込まれたときに「これはビジネスをやっていく上で必要な費用」だと認められれば経費に計上することができます。

Wi-fiを利用するために喫茶店でコーヒーを飲んだり、家で仕事ができないからファミレスで仕事をした…でも経費扱いになります。

しかし、何度も言いますが「事業とは関係ないことにも使った余地」があれば、やはりそれは経費扱いにはなりませんので、もし不安であれば税理士さんや税務署にお問合せしておくと良いでしょう。

 

占い師さんが経費として計上するとしたら…

・本 →新聞図書費
・講座や教室 →研修費
・占いのため電車や飛行機に乗ったとき →交通費
・喫茶店で打ち合わせをしたとき →交際費/会議費
・占ってもらったとき →研修費・相談料
・家でお仕事をしているとき →地代(按分になる可能性が高いです)
・出店料 →雑費
・noteやネット販売の会員費 →手数料
・ネット代 →通信費
・zoomやskypeなどの会費 →通信費

あたりが経費としてよく出るのではないでしょうか。

勘定項目は自分が使った経費を整理する上でも重要で、自分の事業を見直したり方針を改める際に「自分にとってわかりやすい勘定項目」を作って分けておくのも良いでしょう。

ちなみに税理士さん曰く「業績を伸ばしている企業や個人事業者は新聞図書費の割合が高い傾向がある」とのことです。いつまでも学び続けることが大事だということでしょうか。

 


 

Q. 夫の扶養をはずれた場合どのなるのでしょうか?

 

扶養に入っている方の年収が

103万円を超えた場合、所得税や住民税の負担が増えます。
130万円を超えた場合、社会保険に自分で加入する必要があります。

130万円を少し過ぎるぐらいの年収だった場合、税金や保険料で年間20数万円の負担になります。なので、年収が160万円ぐらいを超えればプラスになっていきます。

年収160万円というと月13万円ぐらいです。1週間だと3万円ぐらいです。

単純に、鑑定料が5000円で6人占えば3万円です。
月〜金まで6時間、時給1000円でアルバイトをしても3万円です。

これをどう捉えるかは人によって違いますが、目安として記載しておきます。

細かいことは自分で調べるor税理士さんに相談してくださいね!

 

 

気持ち的な面から考えると…

 

「開業届」を出すことで、自分がやっていることが「社会の中で認められたんだな」という喜びにつながったりもします。紙切れ1枚出すだけなんですけど、それを出した瞬間から自分は「事業主」なんです。「主(ぬし)」なんです。

どんなに小さくても、マイナスでも、その事業の「主(あるじ)」はあなたで、あなたがその事業の主人公なんです。

開業届を出して、確定申告をして…とめんどくさいことも確かにあります。でも、何よりも「自分の力で生きてるぞ」「自分の人生をやってるぞ」という感覚も強くなると思います。

また、占い師を続けていると同じように「開業しようか」「事業をどうしようか」といったご相談もよく受けるようになります。そんなときに自分も一度経験しておけば、何かしらお客様と共感するポイントが増えたり、提供できる情報が増えたりするでしょう。

占う上で「具象へ置き換える連想力」も大事ですから、なんでも経験しておいて損はないと思います。そもそもマイナスでもメリットが出る可能性が高いわけですから、やってみてプラスしかないのかなと思います。

といった偏った見方での締めとなりましたが、あなたの生活や人生が少しでも豊かになれば幸いです。

にしけい

にしけい (西田圭一郎)

1987年富山生。工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いや相術を生業にしています。三児の父。本と旅とポケモンと文章を書くことが好きです。学生気分が抜けません。詳細はこちらから

にしけい (西田圭一郎)

1987年富山生。工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いや相術を生業にしています。三児の父。本と旅とポケモンと文章を書くことが好きです。学生気分が抜けません。詳細はこちらから

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