その土地や場所との縁みたいなものがありまして。縁がある土地だといろんなことがすんなり決まっていくのですが、縁がない土地だと何をやってもダメになることがあるんですね。「ずっと合っている」という場合もあれば、途中から合わなくなることもよくあります。
例えば、セミの幼虫はずっと土の中で暮らしますが、成虫になると樹の上で過ごします。その時々で「縁のある場」は変化します(変化しにくい人もいます)。
その場には、その場に適した人たちが残り続けます。その場にローカライズされていて、もっとも少ないエネルギーで過ごすことができる人たちが残り続けます。無理なく暮らせるわけです。なので、特定の地域に住む人たちと合わないと感じたのであれば、高確率でその土地とも合わない・合わなくなってきている場合が多いです。
自分が今いる場がなんとなく合わなくなってきているなと感じるようになってきたら、上着を脱ぐようにサラッと場を変えることが大事です。もがいたり、粘ったり、理由をつけて居座ろうする…というのも悪くないのですが、あんまり根本的な問題解決にならないことのほうが多いです。特定の土地に対する執着が強くなりすぎて、地縛霊みたいになっている人もいます。
場を変えるのは確かにコストはかかりますし、今までと違った環境に身を置くのは勇気が必要かもしれません。しかし、特定の範囲に限定しようとすればするほど、「不快である確率」が高くなります。ちょっとした変化が許せなくなって、「反応」するようになります。「拒否反応」みたいなものが起き始めて、それは体にも影響を与え始めます。
大事なことは「何かうまくいかないな」と気づいたときに、さっとその場を離れたり、場を変えられる柔軟性です。その土地や場でうまくいかないなら、活動範囲を広げたり、活動範囲を変える…それだけなんですね。範囲を広げると選択肢が増えると同時に、イレギュラー要素も増えていきます。でも、そのイレギュラーを恐れているとだんだん選択肢が減っていきます。
「飽きる」という状態も、特定の範囲内が詰まっている状態を表します。自分の行動や活動範囲が固定されると、「飽きる(不快)」という状態になりやすくなります。飽きているのに、無理やり理由をつけて範囲を限定し続けようとすると、少しずつ「拒否反応」みたいなものにつながっていきます。「自分に言い聞かせようとしている」という状態はけっこう終わりの始まりなので、場を変えることをおすすめします。
自分の「快」や「不快」は、自分に合う場を模索する上で非常に役に立ちます。自分の思い通りになることばかりではありません。多少はしょうがないこともあります。しかし、それも思い込みかもしれません。意外と選択肢を広げることは簡単です。範囲を広げるだけです。
にしけい