承認欲求は食欲や性欲よりも根本的な欲求になりつつあるのかもしれない。

 

読んでいる本に気になった言葉が。

確かにこれは一理あるかもしれません。

人間に限らずほぼ全ての生命が各々が個の性質を生かしたスタイルで生きています。

魚は魚の得意な環境。モグラはモグラの得意な環境。

あなたも「今の」あなたが最大に生かされる環境で生きています。

これはヘンリー・ジョージの言う「最小の努力」に値します。

 

すごいでしょアピールする人は「せっかちさん」

 

さて、この欲求ですが…。

リアル/バーチャル問わずいろんな人たちと接する機会がありますが

中には強烈な「承認欲求」をもっている人に出くわすこともあります。

 

 

 

「すごいでしょアピール」というものを受ける側としては、その不自然さからエネルギーロスが大きいように感じてしまいます。

逆に「すごいでしょアピールする側」の人間は「最小の努力」で欲求を満たそうとしているわけです。非常に効率的です。

つまり「すごいでしょアピールする人」というのは効率よく結果を得ようとするセッカチで短絡的な性質をもっていると言えます。

セッカチなので早く答えや結果を出したがります。

それゆえ「ノウハウ」とか「メソッド」とか「正解」をすぐに知りたがります。

意外かと思われるかもしれませんが、スピ系や宗教にハマる人・ハマる時期もおそらく「早くを結果を出したいセッカチな状態」だと言えます。

 

○○セミナーとか宗教の集会に参加する人たちも、この考えからいくと「せっかちさん」が多いのではないでしょうか。

「早く楽になれる方法を知りたい」

「早く安心したい」

このような気持ちは確かに自然なことですし、悪いことではないのですが、やはり「掘り下げ方」が浅くなってしまいます。

 

深く潜ってゲットしたお宝は自然と承認される

 

これは海に潜ることと非常によく似ています。

呼吸を止めて海に潜ります。苦しいです。早く呼吸したくてしょうがないです。

しかし、深く潜った先にはレアな財宝や珍しい魚介類がいるかもしれません。

深く潜れば潜るほど「もぐっていない人たち」が知らない世界が広がっているのです。

苦しいけれど、その世界が見たくてみんな海に入ります。

 

しかし、せっかちな人たちはその苦しさに堪えられずすぐに陸に上がってしまいます。

「苦しいのは嫌だから手っ取り早く財宝とお魚ゲットしたいよ」

そんな風に考えた人たちが向かう先がセミナーや宗教なのです。

「セミナーや宗教で答えを乞う」という行為は、苦しい海の中から水面に上がり呼吸することと同義です。

浅くしか潜っていないのでちょっとしたワカメとかクラゲぐらいしかゲットしていないのですが、苦しさから逃れるためとりあえず丘に上がってお金を引き換えに魚や石ころを手に入れます。

これは決して悪いことではありません。人間誰しも苦しいのは嫌ですから。画家のゴッホのように潜りに潜りまくった挙句に死んだあとに絵が評価されることもあるでしょうけれども、死んでしまっては元も子もありません。

適当なところで丘に上がってヒントを教えてもらうのも大いにアリだと思います。苦しいときは逃げてください。これは当然の行動原理です。

しかし、丘に上がって購入した魚や貝殻を見せびらかして「すごいでしょ!これあなたもってる?」とアピールすると先述したような不自然さが生まれます。

逆に深く潜り自らの手でゲットしたお宝は、アピールしなくてもそれだけで魅力的に見えます。

深く潜り自分しか知り得ないレアなお宝は、それだけで自然と承認されるのです。

この海のたとえで「酸素ボンベ」に値するが「好き」とか「興味がある」とかになります。

これがあると全く苦しまずに潜ることができます。

 

平和ゆえの”マズローの欲求ピラミッド”に対する違和感

この少々厄介ながら誰もがもっている「承認欲求」ですが。

アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱する欲求のピラミッドについてご存知の方も多いのではないでしょうか。

平和ボケしているからなのか、社会的所属欲求までが当然のように満たされているからなのかもしれませんが、このピラミッドにおける「承認欲求」の位置に違和感があるんですよね。

 

今後、テクノロジーの発達に伴い本当に幽霊のように「肉体を感じなくなる」「肉体が必要なくなる」時代がくるかもしれません。

そうなった場合このピラミッドの承認欲求よりも下の欲求は忘れ去られるのではないでしょうか。

これまでは生理的欲求・安全欲求・社会所属欲求を満たそうとする「洗脳」「戦争」という手法で経済をまわしてきた人類ですが、今後はもっと大きく変わっていくのかもしれませんね。

2018年現在でさえ「承認欲求が根源的なのでは?」と考えてしまうぐらい平和で当然のように何かの組織に属しているわけですから

承認欲求は食欲や性欲よりも根本的な欲求になりつつあるのかもしれません。

そして、もうしばらくすると欲求は自己実現欲求のみになるかもしれません。

現在その辺をウロウロしている幽霊や地縛霊たちは肉体を必要としなくなった未来の人類が「自己実現欲求だけの存在」となって、タイムマシンにのって未来からやってきた姿なのかもしれません。

幽霊や地縛霊たちは実は

「2239年のポケモンGOではキャタピーが出現しないから、コンプリートするためにタイムスリップしてやってきたよ〜やっと自己実現(成仏)できる〜」

という理由で存在しているのかもしれません。

幽霊に出会うチャンスがあったら「タイムマシンはどうやって作るのか」ぜひ聞いてみたいと思います。

だって僕もせっかちですから。

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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