個人的に非常に興味深いモンゴルの占い事情をちょっとご報告。
陰陽思想が非常に根深いけれど
こちらの記事でも書きましたけれども
モンゴルには陰陽思想が非常に根深く残っています。
街のいたるところに太極図が見受けられますし
お墓とかゲルの建て方でも「風水知ってるなあ」と思わざるをえないものが出てきます。
現地の人たちは気づいているか分かりませんが、このテントの模様は気学でよく使われる後天定位盤と驚くほど酷似しています。
四正位(東西南北)に玉が3つ配されていますが、四正位の象意が強く出ることを表しているのかもしれません。
書店に行くと、十二支占いの本が結構多くありました。
天干地支の「地」の気を司る十二支は、大地を尊重するモンゴルの思想とマッチするため重要視されてきたのかもしれません。
上の写真の後天定位盤も「地」の気を非常によく反映します。
モンゴルでは陰陽思想から生まれた後天定位や十二支を特に意識せず自然に使いこなしているように見えました。
手相占いは少ないらしい
モロッコで聞いた「モンゴルの手相術は変わっている」という情報から
モンゴルでは手相術がメジャーなのかなと思いきや、ガイドさんいわくそこまで使う人はいないとのこと。
しかし、モンゴルの書店の占いコーナーには手相の本もありましたから、認知はされているみたいです。
これはもっと調べる必要がありそうですし
本も購入したので、頑張って翻訳する価値はありそうです。
骨占い「シャガイ占い」
モンゴルでは今でも羊の右肩甲骨を焼いてその焼き加減?を見て占う「骨占い」が残っています。
それと同じなのか分かりませんが、僕がウランバートルに入ったレストランにはシャガイ(骨)占いのセットが置いてありました。
家畜のくるぶしの骨を4つ転がして、どのような立ち方をするかで占う立派な卜術(ぼくじゅつ)です。
■骨の立ち方の組み合わせによる一覧表
年末年始に占う家庭も多いらしく、娯楽と占いの間といった位置づけでしょうか。
全部違う面が出ると「Best」なようで、お土産やさんでも売っていたりするそうです。
次回訪問時には入手したいと思います。
シャーマンの立ち位置
シャーマンは自然の精霊や死霊を自分の体に憑依させ、アドバイスするサービス業です。
日本で言うところのイタコです。死んだ人を呼び出すお仕事なので個人事業主ならぬ故人事業主って感じかな。
といってもお金を取らないシャーマンもいれば、ビジネスライクなシャーマンもいたりするそうです。
ビジネスライクなシャーマンはとにかく、お客さんを依存させて薬草とかいろいろ売りつけて何度も通わせるそうです。
ブラックシャーマンとホワイトシャーマンがいるらしく
噂によるとブラックシャーマンは結構キツイアドバイスをして、ホワイトシャーマンは非常に穏やかで心優しいそうです。
僕が占った30代のモンゴル人女性から
「シャーマンは手厳しいし、仏教はやさしすぎる。にしけいの占いはその間でちょうどいい」という感想をいただきました。
厳しくもなく、優しくもないちょうどいい占いを求めているモンゴル人はけっこういるそうなので
日本でダメだったらモンゴルでがんばっていこうと思います。
シャーマンは
「家族が亡くなったらどこにお墓を立てるか」とか「結婚相手は誰がいいか」とか
いろんなことを相談するそうで
あのチンギスハンもシャーマンの助言をもらっていたそうです。
シャーマンだけが住む村がウランバートルから北の方にあるらしく
今回の旅でお友達ができたので次回はきちんとシャーマンにアポをとって占ってもらおうと思います。
馬の感覚を信じる人も
モンゴルではシャーマン以外にも、馬の感覚を信じている人たちがいるそうです。
馬が行きたがらない、怯えて後ずさりするところは必ず「悪霊」「悪い気」があるらしく
馬の様子を見て目に見えない存在を察知する遊牧民も多いらしいです。
独特の占い文化をもつモンゴル
陰陽五行、骨占い、シャーマン、チベット仏教…
他国にはない独特の占い文化が融合するモンゴルはまだまだディープな世界を秘めていそうです。
ちなみに全くの余談ですが
ゲルに泊まった初日に夢に堀江貴文さんが出てきて
「陰陽五行は大事だ」と真剣な面持ちで教えてくれたので、もう一度初心に戻り陰陽五行を学び直そうと心に決めたのでした。
(絶対堀江さんが言わないであろうセリフすぎて笑っちゃいました)
にしけい