論理的思考と閃き(感覚)を融合させると新たなものが生まれる

 

2年前の東南アジア旅行中に体験的に気づいた「道と街のでき方」と、最近読んだ本や会った人の言葉たちが繋がり確信に変わってきたのでお話したいと思います。

僕はそれまで「街の大きくなり方」を下の絵のように認識していました。

人間の体が成長していくように、街がジワジワと少しずつ道や建物を増やし拡大していく。

僕はそんな風に認識していました。

しかし、東南アジアを旅して気づいたことは「点と点がつながるように街は大きくなるのではないか」ということでした。

 

点と点から道ができる

 

日本は道路が整備されており、どこにいても「道」という人工物を感じることができますから「人間の手が入っていない場所はほとんどない」と認識してしまいます。

しかし、カンボジアやベトナムにはところどころ「本当に何もない」ところがポツポツと見受けられました。

今考えると当たり前のことなのですが、このとき「街」というのは点で存在しているんだなぁという実感が湧きました。

そして、その点と点の間に道が出来て、家ができて、店ができて、そしてひとつの街ができる…という街が出来るまでのプロセスがあることに気がつきました。

 

1つの点を発展させるよりも、それとは異なる場所に点を生み出し、それをつなぐように発展させた方が結果的に大きなものが生まれる可能性があります。

こうして発展した街のひとつに「ベッドタウン」と呼ばれるものがあると思います。

田舎からでは職場がある街までは通勤に時間がかかる。しかし、街は家賃が高く騒がしくて住みにくい。じゃあ田舎と街の中間地点に住居すればよいのでは?ということで生まれたのがベッドタウンです。

これも結局のところ「田舎」と「街」という2点があって生まれてきます。

田舎の町がジワジワと拡大していくよりも、新たな点が生まれることでそのエリアが発展するスピードは格段に早くなるのです。

 

「点と点」理論を思考に応用する

 

例えば、あなたがラーメン屋さんを始めたとします。

お店のコンセプトやメニューを考え、ついに自分のお店をオープンさせます。

しかし、なかなかお店にお客さんが来ません…

 

ここで

「じゃあもっと美味しいものを作ろう!」

「ビラを配ってお客さんを集めよう」

「餃子を1個増やしてみよう」

というのが先ほどの街のでき方でいうと「ジワジワ伸びる方」のやり方です。

これは「ラーメン屋といえばおいしいラーメンを出す」「お店といえばビラを配る」といった論理的な考え方から生まれるアイディアです。

この考え方でうまくいけばそれはそれで良いと思いますが、行き詰まってしまったときに役に立つのが「新たな点」の存在です。

しかし、この「新たな点」は「論理的思考」では生まれてきません。

「直感」とか「ひらめき」とか「神からのお告げ」といったものから突拍子もなく生まれ、論理的には「え?そんなことありえるの?」と感じるものでなければいけません。

 

ラーメン×何か

 

例えば、先ほどのラーメン屋さんの例で考えると

ラーメンの具材も最高級のものにしたし、出汁も1週間かけてとるようにしているし、ビラも1日500枚配っているし、餃子も3個増やした…

なのに売り上げが上がらない…もう店をやめてしまおうか…

 

というときに、ふと散歩中の犬が目に止まります…

「犬の散歩中でも入ることができるラーメン屋にしてみたらどうだろうか!」とひらめきます。

「ラーメン」という点と「犬」という点の間に道が出来始めます…

最近は少しずつ増えて来てはいますが、飲食店にペットを連れて入るというのは基本的に禁止にしているお店が多いです。

論理的思考で考えると「他のお客さんに迷惑をかけるからラーメン屋に犬を連れて入るのはダメでしょ」という考えに至ります。

しかし、そんな考えのラーメン屋さんが多いからこそ逆に「犬同伴OKのラーメン屋さん」はオンリーワンでナンバーワンになれる可能性があるのです。

 

「ラーメン屋×犬」というアイディアから…

・ワンちゃん用に薄味のラーメンを作ってみる?

・散歩中にも手軽に食べられる手持ち餃子の開発?

・ドッグフードにかけると格段に食いつきがよくなる「鶏ガラスープ」を販売する?

・散歩は毎日するからラーメン屋にくることが日課になってリピーターが増える?

 

などなど、ドッグブリーダーの間で「聖地」と呼ばれ、いろんなメディアから取材がくるかもしれません。

このように一度論理性を捨て、ひらめきや直感から生まれた「点」から物事を掘り下げて行くと全く新しいものや革新的なものが生まれる可能性があるのです。

 

「イレギュラーのみ」だと理解を得にくい

 

理論的思考だけでは突破できなかった課題に対して、ポンっと論理性がないイレギュラーからヒントを得ると新しいものが生まれます。

だからといって「イレギュラー」のみで、行動したり説明したりすると、まわりから賛同を得ることは難しいかもしれません。

「神からの言葉」とか「ひらめき」とか「直観」といったものは非常にあいまいなので、人によっては「何言っているんだこいつ?」と思われる可能性があります。

しかし、この「イレギュラー」な答えに到達するまでの道筋を論理的に説明することが出来れば、一気に理解や賛同を得ることが出来ます。

「理論の街」とイレギュラーな「閃きの街」を2つ作ることで、その間に「道」が出来るのです。

 

男女が交わることで子どもが生まれるように、対になるものが合わさると新たなものが生まれる…。

 

マキャベリア著「君主論」でも

「王たる資質を養うためには、ケンタウロス(半人半獣)に弟子入りする」と書いております。

「人間(理性)」と「獣(野生)」という相反するものが組み合わさることで、大きな力が生まれるのは間違いなさそうですね。

 

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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