唐突ですが、近いうちにまた大きな戦争が起こるかもしれません。
戦争はたくさんのものを奪いますが、中でも大事なものは「命」だと思います。
しかし、その命たちが長い時間をかけてつなぎ紡いできた「歴史」「文化」「文明」…つまり「情報」も命と同じぐらいに大事なのではないかと思います。
設計図がなければ、武器は作れない
例えば、5000万年前に「人間とカエルのハーフであるカエル人間がたくさんいた」という事実があったとします。
しかし、カエル人間たちは滅び絶え、その存在すら誰にも語り継がれなかったとします。
そうなると「カエル人間は存在しなかった」という認識で歴史や科学は語り継がれます。つまり「情報」がないものは「存在しない」というわけなのです。
今あなたがこの文章を読んでいるのも、ネットが普及したからです。情報はどこからともなくやってきて、どこかへ消えていきます。
現在、クラウド(雲)と呼ばれる情報保管システムがありますが、ここに保管されている情報は5000年後まで残すことは出来るのでしょうか。名前の通りどこかへ流れて雲散霧消してしまうかもしれません。
僕がもし誰かか「あの先進国をやっつけてほしい」と命令されたら、インターネットやコンピュータのシステムを破壊すると思います。人々はこれらに強く依存しているからです。
「クラウドに預けておけば安心」
「LINEでやりとりすればいい」
「大事な気持ちはブログやツイッターで」
「貴重なワンシーンはInstagramに」
もし、インターネットが何等かの理由で消滅してしまったら…
大事な武器を作る為の設計図が消えてしまったら…
もしくは自国防衛策としてインターネットを自発的にストップさせてしまったら…
パソコンやスマホや便利なシステムが普及すればするほど、それがなくなったときのダメージは大きくなります。
2062年からの使者
未来から来た人が2ちゃんねるに書き込んだものをまとめたものがあります。
自称”未来人”が書きこんでいるものはけっこうあってガセ情報も多い中2062年から来たと名乗る人物の予言はとても興味深いです。
書物の保管を推奨する未来人
2062年から来た未来人は現代を生きる僕らに「書物の保管」を勧めている書き込みが見受けられます。
もちろん彼が現代のパソコンから文字を書き込んでいるのであれば、47年後にもパソコンに近い形をした機器がある可能性は高いです(現代に来て使い方を学んだ可能性もありますが)
しかし、紙による情報の保管を促すということは何等かの形でインターネットのシステムが崩壊し、膨大な情報が失われる可能性が高いというわけです。つまり、歴史・文化・文明の損失が起こりうるのです。
未来人の存在や証言はオカルトチックで眉唾な点もありますが、これまでにたくさんの戦争を起こし、自分たちの手で消し去った「情報」の量は文字通り計り知れません。
「壁画」たちが物語っている便利グッズの消失
「オーパーツ」といったものが世界各地で見つかっています。その時代に存在しえなかったであろう高度な技術や文明が生み出した遺物のことを指します。
今現在、僕たちが把握している正史よりも前に、より高度な技術が存在したことは誰も否定できません。
今から2500年以上前に、上空から見なければ絵として認識できない幾何学図形が描かれました。それがナスカの地上絵です。
その絵の中には、現在砂漠となっているペルーには存在せず、遠く離れたアマゾンの森林の中にしか存在しない生物の絵があります。
しかも、顕微鏡で観察しないと確認できないクモの生殖器の位置も正確に描かれていて、何をもってこれらの絵をナスカの地に残したのかは、未だ解明されていません。
しかし、おそらく我々と同等(もしくはそれ以上)の文明があったにも関わらず、人々は情報を「地面」に残しました。
それ以外にも世界各国で「壁画」として様々な「情報」が残されています。
なぜわざわざ岩盤を削る必要があったのでしょうか?
大事なファイルだからクラウドに保管しておく?
現代人の我々でさえ、大事なデータや画像は「モノ」として保管します。
例えば、自分がこの地域で生きて子孫を残したという証拠を「お墓」として残します。こんなに文明社会は発達しているのに、わざわざ石に名前を刻むのです。
電子書籍が普及しているにもかかわらず、私たちは本屋や図書館へ足を運んで情報を物色します。もし、これを読んでいるあなたが、どうしても死ぬまでに残したい情報があったとします。
より長く、より多くの人たちに認知してもらうにはどうしますか?
どうやってあなたが生きた「証」を残しますか?
文字?絵?日にちはどうやって表しますか?
1000年後の人(もしくは知的生命体)に、あなたの考えや想いを正しく理解してもらうにはどうしたらよいでしょうか?
“この土地には日本という国があって、きゃりーぱみゅぱみゅという女性が歌う音楽を聴きながらブログを書いていた男がいて、あと100年以内には記録用の石や紙が売れるだろうと予言している”
ことを1000年後の人たちに伝えるにはどうしたらよいでしょうか?
残したがり・伝えたがりの私たちが次に求めるもの
これらのことを総合すると
我々の先輩たちも、後輩(未来人)も「情報を残す工夫をしろ」と警鐘を鳴らしているように思えるのです。
つまり、僕たちが今後必要となるものは…
3000年、海水についても消えない魔法のインキだったり
恐竜たちが引っ張り合いをしても破れない紙だったり
50000万年後も再生可能な蓄音機だったり
素早く正確に情報の受け渡しを行う伝書鳩に代わる技術だったり…
となると、今後注目されるのはやっぱり「石」なのかもしれません。
といってもネット世界が崩壊することはまだまだなさそうなので何千年後かの話かは分かりませんが…。
このブログもなるべく消えないように頑張りたいと思います。
にしけい