タンジェ市街に着いてから、次の日にフェズへ向かうためのバスチケットを買い求めます。
日本人の薄い顔が物珍しいのか、新しい生物を見るような目で皆さん見てきます。確かに濃い顔の人たちの中で薄い顔の人がいたら注目を浴びてしまって当然で、だいたい「ハロー」とか「こんにちは」とか言って声をかけてきます。
インド旅行で声をかけられた時のあしらい方を学んでいたので、モロッコ人の客引きは本当に可愛いものでした。
インドのニューデリーやバラナシのウザさを経験している人にとってはモロッコの声かけはマイルドでどこか物足りない気もします。
バスのチケットは、バス乗り場に行けば嫌でも買えます。何故なら激しい「バス券」の売り込み合戦が繰り広げられているからです。
バスの駅の中は築地市場のごとく賑わっています。こんなに猛烈にバスのチケットの売り込みを受けたのは人生で初めてでした。
バスはタンジェ8:30出発で、フェズに着くのは14:00の5時間半コースのバスを選びました。 80ディルハム。
僕が買ったのは「ノーマルバス」タイプで、Wi-Fiやトイレがついていない地元民も利用するバスでした。
CTMという大手バス会社が運行する便は120ディルハム出せばもっといいバスに乗れるみたいです。
10円=1ディルハムなので、400円ぐらいしか変わらないのなら安心して乗れるバスを選べばよかった…。
モロッコはとにかく親切にしてくれる人が多いです。
話しかけてきてくれる上に親切なので、個人的には過ごしやすい国だと思います。
ゲストハウスまでのタクシーを捕まえようと舗道で手を挙げていた時もなかなか捕まらず苦戦しましたが、近くにいた蛍光服をきたおじさんが手伝ってくれました。
蛍光服の駐禁取締の仕事を放ぽっておじさんはいろんなお店に入って声をかけてくれたり、短時間でしたがこれでもかというぐらいに動いてくれました。
やっと停まったタクシーには、OL風の金髪のメガネをかけた女性が後部座席に乗っていました。
行き先を告げると、方向が同じだからということで相乗りをすすめてくれたうえに、僕が宿泊するゲストハウスに電話をかけ詳細場所を確認…さらには、途中分までタクシー代を出してくれました。
ゲストハウスまでの5キロほどの道のりを15ディルハム…たったの150円です…何なんだこの国は…物価が安いのも相まってホスピタリティのレベルが高すぎる…!
タンジェに着いてから「Student?」「No!」というお決まりのやりとりを4,5回繰り返し、無事その日の宿に着きました。
ゲストハウスはイスラム調のゴージャスでアンティーク感漂うお部屋。これまた僕にはもったいないベッドが2つ。これで朝食付きで554ディルハムだから5500円ぐらい。安い…安すぎる…。モロッコ住める…普通に住めるぞ…!
そしてまさかのゲストハウスのオーナーさんがアラビア手相学を勉強してきたという占い師でした!
これは何か運命的なものを感じました!
いつも自分が言っている「Show me your hands」を先に言われるとは…
おじさんのアラビア手相術の真髄は分からなかったのですが、コールドリーディングっぽいところもありながらも、生命線よりも知能線を重点的に見ているようでした。
知能線の濃さで仕事やお金を見ており、枝分かれから時期を割り出していたのでアラビア手相術は知能線の流年法も鑑みているようでした。
アラビア語で書かれた手相の書籍を見せてもらいましたが、チンプンカンプンでオーナーさんは大笑いしてました。
どうしても中身を知りたいとお願いしたところ、英語に翻訳したものをメールで送ってくれると約束したので、とてもとても楽しみです…!
ベーシックなヨーロッパの西洋手相術に中国の掌紋学をミックスさせ、さらにエジプトで生まれたアラビア手相術を融合させることが出来ればこんなワクワクすることはありません…!
メールが届いたら、日本語訳にしてまずは手相教室の生徒さんたちにお話しようと思います。 みなさん、楽しみにしててくださいね!
「そんなに手が好きならファティマのキーホルダーあげるよ!」と言ってこれをくれました。
マラバタゲストハウスのオーナーさん、本当にありがとうございました!
タンジェの街は、夕方17:30ごろと朝の5:30ごろに暗闇からライオンキングのミュージカルのような長老(?)の優しい嘆き声が聞こえてきて、不思議な気持ちになりました。何かの儀式でしょうか…。
旅はまだまだ続きます…!
にしけい