スペインモロッコ旅行記12〜トレドとバカと煙〜

 
「スペインに行くならトレドに行け」という風の噂を耳に入れトレドへ。  

 

マドリッドからトレドまでは電車で40分ぐらい1500円でいけます。名古屋から豊橋・浜松へ行く感覚でしょうか。  
 

1561年に首都がマドリッドに移るまで、トレドが経済や政治の中心地として繁栄してきました。  

 
ローマ帝国が滅亡したあと、ヨーロッパは混沌、戦争、疫病に満たされ、それまで培われた知識や学問は失われ非常に野蛮な時代が続きました。 
 

元々、自分たちの土地を追いやられ迷走いていたゴート族はローマ帝国に仲間入りを果たしたのですが、この混乱の時代を何とか生き抜いてガリア南西部とイベリア半島の大部分を支配しました。 
 
その後、711年からイスラム王朝時代が続き、さらに1492年にはカトリックの支配下になります。 

そのためなのか、この街はイスラム、キリスト、ユダヤの3つの宗教が絶妙に混ざり合って独特の空気感があります。  

 
駅を降りてから市街地までは歩いて20分~30分かかります。かなりアップダウンが激しいのでスーツケースがあったり、体力に自信がない人はタクシーをおすすめします。 

 

こういうときの複数人で旅しているとお金を気にせずにタクシーを使えるからいいですよね。  

 
歩いていく場合はピンク色のラインが道路に引いてありますから、それに沿って歩くと比較的楽に市街地へ行けます。 

  

 

15分ぐらい歩いていくとアルカンタラ橋が見えてきます。 

 
 

これがまた美しいんです。思わず「始まった!僕の冒険はここから始まったんだ!」とまわりに日本人がいたら聞かれたくない言葉を連呼してしまいましたが 

本当にドラクエとかファンタジーRPGの世界がそのまま残されているような街です。 
 

 

「遷都した16世紀で時が止まってしまった街」とも言われているぐらいですから、日本で言う京都のような感じでしょうか。

9月のスペインは、日本に比べ日が長く上の写真は夜8時ごろの空模様です。

スペインは昼ごはんが13時か14時頃から始まり、夜の飲食店は20時頃から始まります。なので、日本の時間感覚の2時間遅れという感じがします。これも天候の影響なのかもしれません。  

 

 
どのような角度から切り取っても街並みがキレイで、いちいちため息が出ます。 

 

 
 

ホテルに着きました。エウリコというカテドラルに近いホテルです。 

 

この日は50ユーロぐらいで泊まりました。室内もキレイですし、ツインでこのお値段なのでかなりコスパはいいですね。

今回の旅は後半になるにつれてホテルのランクを上げていますから、その中でもこのホテルは非常に当たりです。 

晩御飯は近くのレストランへ。 

ガスパチョとチーズと調子乗ってワインもいただきました。これで15ユーロぐらい。 

スペイン料理は酸味が強いものが多くて個人的には嬉しい。


朝食はホテルのコンクルードだと勘違いしていたので、バイキングで勝手に朝食を済ませたのですが 

チェックアウト時に7ユーロきっちり払って出てきました。危うく食い逃げでスペイン警察のお世話になるところでした。 

 
カテドラルをさらっと見て、時間があったのでサンタクルズ美術館にも行きました。 

キリストの絵やフィギュアが飾られており、何だか変なことを考えていました。 何を考えていたかは別の機会に書きます。
 

 

あと、途中おみやげ屋さんにやたらと中世の武器や甲冑を置いているところが多くて 

 

(写真左のほうにあるソードにはblack princeと刻まれており、どうしようもない少年心を くすぐります) 
確かに冒険に出たい気分になるけれど、オノ が37ユーロ、剣が101ユーロって誰が買うんだろうと思って訝しげに考えていましたが 

 20歳のころ北海道の洞爺湖旅行中に木刀を買ったことを思い出して「あと10歳若かったら買っていたなぁ」としみじみしておりました。

 

トレドの街は狭い路地が多くてインドのバラナシをすごいキレイにしたような感じでしょうか。 

こうやって掃除してくれているおじさんがいるからでしょうね。 

 

 
ところどころに謎の5センチ角のプレートがあって、何を意味するのかとても気になりました。NHKの受信料を払っているかどうかの印のようなものなのでしょうか。 

 

 
本場スペインのZARAもありましたよ! 

 
石をベースにした建築様式はペルーのクスコでも見受けられましたが、そのベースとなっているのでしょうか。  


 ちょこちょこ補強はしてあるものの、400年以上形を保っているのは凄いことです。やっぱりその土地に自然にあるものを利用することが繁栄のコツなのかもしれません。 

 
それから電車の出発の時間まで余裕があったので、市街地から山道を歩いて展望台へ向かいました。  

  

アルカンタラ橋から歩いて40分ぐらいかかりました。 
標高529メートルと程よく高い山なので、ランニングやサイクリングをしている人もチラホラ。 

 
行く途中に川の上に建設されていた見張り小屋の廃墟みたいなところにも行きました。

 

中はこんな感じで落書きと鳩がたくさんいました。 

  

なんか事件が起こりそうな場所でドキドキしました。 

 
展望台からの景色はこんな感じです。 

自然と人工物が融合した本当に美しい景色です。

 
インドのアンベール城に始まり、マチュピチュ遺跡に、今回のトレド…何気に高いところによく登っているような気がします。 

 

「バカと煙は高いところが好き」ということわざがありますが、僕は自分が人間だと思い込んでいるだけで本当は煙なのかもしれません。 

 
しかし、僕は煙ではなかったことが決定的になる出来事が… 

 
日本から予約していた列車の時間を3時25分だと思って、のんきに山道を散歩していた僕ですが、なんと出発時間は13:25…その事実に気づいたのは13:40…  

 
しまった…! 

 
僕は煙じゃなくてバカだった!!!! 

 
すぐさま駅に向かいます。レンフェのホームページから予約していった場合、変更もキャンセルも出来ないためチケットは全くの紙切れと化します。 
改めてチケットを買い直します…89ユーロ…この出費は痛すぎる…。  

 
これからある程度言葉が通じてこうやって自分でチケットを調達できそうな国では、不足の事態に対応するためにも事前購入を控えようと思います。 
今回のミスは完全に自分の確認不足だったので、煙ではなくバカだという自覚をもって反省しようと思います。

 

旅は続きます!  

 

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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